[ハイレベル]
分子内から一部の原子が脱離して、不飽和結合が生じる反応を、脱離反応(Elimination Reaction)という。
脱離反応には大きく分けて2種類、E2反応とE1反応がある。
まず最初に、求核試薬がβ水素を引き抜く反応が先に起き、その後ハロゲンが脱離する反応。
求核試薬が attack するのは、ハロゲンの付いた炭素上の水素(α水素)ではなく、一つ隣の炭素に付いた水素(β水素)である点に注意。
言いかえると、β水素が無いと、この反応は起きない。
また、求核試薬が攻撃する場所が、β水素でなく、α炭素だったときは、E2反応ではなく、SN2反応になる。
E2 反応は、第三ハロゲンに起きやすい。
まず最初に、脱離基の脱離が起き、次に生じるカルボカチオンの陽電荷を打ち消すために、β水素が脱離する反応。
当然、脱離段階が律速段階である。
ここで、カルボカチオンの生じた中間体に、求核試薬が結合すれば、SN1反応になるので、E1反応とSN1反応は競争的に起きる。
第一ハロゲンほど、E2よりもE1を起こし易い。