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東急不動産消費者契約法訴訟原告一問一答

問「アルスを知った経緯について説明して下さい」
答「東急門前仲町マンションギャラリーで、販売担当者の中田愛子から紹介されました」 問「東急門前仲町マンションギャラリーを訪問した経緯を説明して下さい」
答「東急門前仲町マンションギャラリーには「クオリア門前仲町」という分譲マンションの話を聞くために行きました」
問「マンションの話を聞こうとした動機は何ですか」
答「転居を考えていたためです。当時、私は門前仲町に居住していましたが、色々問題がありました。第一に日当たりが悪く、冬はとても寒い場所でした。第二に通風も悪く、押入れにしまった洋服にカビが生えるほどでした。第三に駅前の通りに面しており、飲み屋などもあって夜でも騒音がありました。そのため、環境のいいところへの引越しを考えました」
問「候補としてクオリア門前仲町を選択した理由は何ですか」
答「特に強い思い入れはありません。他の物件も色々と見ていました。クオリア門前仲町は当時の私の家と同じ通りにあったので知っていたためです」
問「東急門前仲町マンションギャラリーを訪問した時の様子を説明してください」
答「私が東急門前仲町マンションギャラリーを訪問した際、店内には中田一人しかいませんでした。応対した中田は「クオリア門前仲町は完売した」と言って、アルスを勧めました」
問「クオリア門前仲町は本当に完売したのですか」
答「私は確認していないので、真相は不明です。ただ東急門前仲町マンションギャラリーではクオリア門前仲町とアルスを販売していたのですが、中田愛子はアルスの販売担当者でしたが、クオリア門前仲町の販売担当者ではありませんでした。つまり、中田にはクオリア門前仲町を説明する資格はなかったわけです」
問「販売担当者ではない中田がクオリア門前仲町の完売に言及するのは変ですね」
答「はい。自分が担当する問題物件を売りつけるために嘘をついたとの考えも成り立ちます」
問「おとり広告、おとり物件というものが悪徳不動産業者の手法にありますね」
答「はい。アルス自身、私に提示したチラシでは多くの住戸が販売済みとされていますが、入居者に確認したところ、私の購入よりも遅い時期に契約を締結した方も複数おりました」
問「売れ行き好調であると購入検討者に思わせるために、売れていないのに販売済みの表示をすることも悪徳不動産業者の手法の一つですね」
答「はい」

東急門前仲町マンションギャラリー

問「原告が最初に東急門前仲町マンションギャラリーに行って説明を受けたのはいつですか」
答「2003年6月21日の土曜日です。この日は仕事が休みで、他の不動産会社のマンションを見ていました。時間が空いたので、比較のために、前々から知っていたクオリア門前仲町の話を聞いてみようと思い、東急門前仲町マンションギャラリーに行きました」
問「東急門前仲町マンションギャラリーはどこにありますか」
答「門前仲町駅のそばです。当時の私の家と同じ通りにありました。駅をはさんで反対側でした。今は撤去されており、ありません」
問「原告は物件購入時に誰から説明を受けましたか」
答「東急リバブルの中田愛子です。但し中田愛子は宅建主任者ではないため、重要事項説明は宅建主任者である宮崎英隆から受けました」
問「中田愛子、宮崎英隆の当時の所属は何ですか」
答「二人とも東急リバブル住宅営業本部営業第五部です」
問「原告は東急リバブルから資料を受け取りましたか」
答「はい。洲崎川緑道公園の緑を強調するパンフレットや二面採光・通風を謳っている図面集を受け取りました」

東急リバブルの不利益事実不告知

問「原告は、隣地建物について、どのような説明を受けましたか」
答「中田愛子に確認したところ、資材置き場であるとの説明を受けました。中田愛子から配布された現地案内図にも「ソーコ」と記載してありました。被告が主張する倉庫兼作業所は、私が隣地所有者から直接、作業所として使用していることを確認した後に、主張し始めたものです。それ以前は説明されませんでした」
問「原告は、隣地建替えの説明を受けましたか」
答「説明を受けていません。被告が隣地所有者に説明を約束した「アルス建設後すぐに三階建てに建替える」との説明はなされませんでした」
問「重要事項説明には「周辺環境が変わりうる」と記載されています」
答「その文言については、宮崎英隆に確認したところ、一般的な将来の可能性を記述したものであり、隣地建物を対象としたものではないとの説明を受けました。販売を通じて、東急リバブルは説明を聞いたら購入に慎重になるようなデメリットについては一切説明しませんでした」
問「原告は、物件の日照について説明を受けましたか」
答「はい。二面採光であるとの説明を受けました。中田愛子の説明は図面集やパンフレットを参照しながらなされ、図面集に書いてある二面採光という言葉をそのまま説明しました」
問「原告は、物件の眺望について説明を受けましたか」
答「はい。洋室の窓を開ければ遊歩道の緑が見えます、と中田愛子は説明しました。身振り手振りを交えて、窓からの景色の美しさを強調しました」
問「原告は、物件周辺の騒音について説明を受けましたか」
答「いいえ。被告が隣地所有者に約束した「作業所があるから騒音がある」との説明は一切なされませんでした。そもそも事実と異なり、作業所であるとの説明もなされなかったことは先に申し上げた通りです。資材置き場との虚偽の説明を受けました。従って作業音が発生しうる場所と考えることはできませんでした。それどころか、中田愛子は「奥まっていて静かですよ」と全く正反対なセールスポイントをアピールしました」
問「不都合な事実を説明しない東急リバブルの説明に騙されて購入を決意した訳ですね」
答「はい。販売を通じて中田愛子は「環境がこれほど良い所はめったにないのでお買い得」と盛んに勧めました。マンションの価格は高めだったのですが、環境の良さに惹かれて、購入を決めました」

不幸な契約

問「重要事項説明を受けたのは、いつですか」
答「2003年6月26日の18時半以降です。6月中に契約を締結したいという中田愛子の強い意向で、この日になりました」
問「契約を急がせたのですね」
答「はい。今すぐ契約しないとすぐに売れてしまうと煽り立てました」
問「ゆっくり考える時間を与えたくなかったのでしょう」
答「そう思います」
問「6月26日には何をしましたか」
答「契約やローンの説明をした後、重要事項説明を行い、契約を締結しました。契約締結後に管理規約や図面集冊子版を受け取りました」
問「契約書には2003年6月30日と記載してあります」
答「契約締結は重要事項説明と同じ6月26日に行われており、30日には何もしていません」
問「値引きもされていますね」
答「はい。当初は3060万円でしたが、190万円値引きされ、2870万円になりました」
問「値引きの覚書も6月26日に交わしたのですか」
答「はい。契約書締結直後に値下げの覚書も交わしました。値下げは最初から織り込み済みでした」
問「最初から二重価格だったようですね」
答「そう思います」
問「値引き割合も5%程度で、大したものではありませんね」
答「はい。営業の自己満足で、消費者にとっては面倒で迷惑なだけです」
問「住宅ローンの説明は、どのような内容でしたか」
答「銀行や返済額、返済期間の説明でした。中田は毎月の返済額を少なくして、ボーナス時の返済額を多くする返済方法をしきりに勧めました」
問「それは消費者のことを考えているとは言えませんね」
答「はい。購入者が住宅ローン地獄に落ちて、人生を誤ろうが、東急リバブルは知ったことではないのでしょう。結局、ボーナス払いはしませんでした」
問「住宅ローンは提携ローンですか」
答「はい」
問「銀行はどこですか」
答「三井住友銀行です。東急リバブルが勧めた銀行です」
問「重要事項説明はどのような感じでしたか」
答「契約やローンの説明は長かったですが、重要事項説明は形式的なものでした。東急リバブルの計算通りに進み、私は方程式を立てるための単なる記号のような気がした程です」

不誠実な対応

問「隣地建替えの話はどこで知りましたか」
答「建替え開始後に隣地所有者から直接聞きました。隣地所有者は東急リバブルから説明を受けているものと信じて疑っていなかったようでした。そのため、説明を受けていないことを知るととても驚いていました。「東急に確認するといい」と勧められました」
問「東急不動産が隣地建替えについて隣地所有者から聞いており、購入者に説明することを承諾していたことについて、販売代理の東急リバブルに問い合わせした際、担当者はどのような回答をしましたか」
答「電話での問い合わせでは、中田愛子、宮崎英隆共に「全く知らない」と事実を否定しました。しかし、文書での回答を要求すると、「建替えたいとの意向は聞いていたが、階数などは聞いていない」と変わりました。その後の文書では隣地所有者から「アルス建設後にすぐ建てる、作業所なので騒音がある」との話は聞いていたと具体的になりました。2004年12月12日になると、宮崎英隆は「最初から全て聞いていた。質問されなかったので、説明しなかった。質問されれば説明した」と変えました。つまり、東急リバブルは、最初は嘘の回答で原告を騙そうとした訳です。翻弄されたことに対する怒りで、目が眩む思いです」
問「アルス建設当時の被告担当者と隣地所有者の関係について、被告担当者は原告にどのように説明しましたか」
答「松岡リーダー、野間秀一、関口冬樹の三人がアルスの担当者であると、東急リバブルの今井由理子が2004年9月19日に説明しました。この中で、隣地所有者と会ったことがあるのは関口冬樹一人だけで、関口冬樹も立ち話程度しかしていないと説明しました」
問「今井由理子とは誰ですか」
答「アルス販売チームのリーダーだった人物です。当時は東急リバブル住宅営業本部営業第五部に所属していました」

大島聡仁の無礼

問「原告が問い合わせた際に対応したのは、中田愛子、宮崎英隆、今井由理子で宜しいですか」
答「それがコロコロ変わりました。当初は御指摘の通りでしたが、2004年9月に宮崎英隆から担当を下りると一方的な連絡がありました。その後、後任が不明な状況が続き、10月になって東急不動産の大島聡仁が担当を自称しました」
問「今井由理子の説明では東急不動産の担当者は松岡リーダー、野間秀一、関口冬樹の三人ではないのですか」
答「はい。大島自身、アルス建設時には担当者ではなかったことを認めています。本当に担当者か怪しいものです」
問「それでは、まともな対応は期待できないでしょう」
答「はい。最初は面識もないのに一方的に文書を送りつけてきました。しかも文書中に追伸文を使っています。礼儀作法を弁えない無礼な人間です」
問「それは嫌ですね」
答「はい。会った時も、だらしなく口を半開きにして他人を嘲笑しました。全てにおいて非常識で不健全な人間です。常識のない人間と話すのは疲れます。時間とエネルギーの浪費です」
問「東急不動産は社内で暇そうにしている使えない人間に苦情処理を押し付けたのでしょうか」
答「なるほど。暇そうという言葉には説得力があります。ノコノコ裁判に出て来ているくらいですから」
問「無能で嫉妬深い男ほど始末の悪いものはないですね」
答「同感です」
問「会社の売り上げに関わる重要な仕事は任せてもらえないのでしょう」
答「そのような仕事ができない人間を担当と名乗らせ、真実の担当者を表に出さない点にも東急不動産の不誠実さが分かります」
問「担当者の交代を要求しましたか」
答「はい。私から大島の方に電話しても、いつも留守で連絡取れない状態でした。そのため、担当者の交代は当然の要求です」

提訴

問「提訴の動機は何ですか」
答「東急不動産からは何一つ誠実な対応がなされないためです。当初は東急不動産の誠実な対応を期待して折衝しました。しかし2004年12月12日の協議において東急不動産の責任者である林正裕から「弁護士でも都庁でも裁判所でもマスコミでも、どこでも好きなところに行ってください」と捨て台詞を言われ、協議は決裂しました」
問「それでは提訴するしかありませんね」
答「はい。これだけでも提訴を決意するには十分です。しかし、その後も2005年1月24日に弁護士を通して協議を申し入れましたが、東急不動産従業員の大島聡仁は「裁判所で話す」と答え、取り合ってもらえませんでした。以上の経緯から、東急不動産も提訴されて喜んでいるものと思います」
問「東急不動産も原告には感謝しているのではないですか」
答「東急不動産から御礼の言葉があってもいいと思います」
問「東急不動産から和解の話は出ませんでしたか」
答「一度もありませんでした。一切の責任はない、と取り付く島がない状態でした。それどころか東急不動産従業員の野間秀一は「建替えによって綺麗なるから嬉しい」と被害者感情を逆なでする発言を繰り返しました。日照がなくなってザマーミロと言わんばかりの対応でした」
問「何故、不要な挑発をして災いを招き、自ら倒れるようなことをするのでしょうか」
答「想像力がないのでしょう」
問「わざわざ火薬庫にマッチを放り込むような真似をする会社ですね」
答「原子炉に手榴弾を投げ入れることも好きそうです」
問「近いうちに会社が倒産するというお告げでもあって、ヤケになっているのでしょうか」
答「そうかもしれません」
問「提訴後も東急不動産から和解の話は出ませんでしたか」
答「全くありません。裁判長から「和解する気はあるか」と聞かれましたが、被告代理人井口寛二弁護士は即座に断りました」
問「他のマンション住民とは示談の協議がなされたと聞いています」
答「協議はなされました。私とは対応が違ったようです。しかし他の住民の協議でも具体的な金額の話になると、東急不動産は一方的に協議を打ち切りました。結論としては、東急不動産との示談は成立していません」
問「東急不動産は時間稼ぎの目的で示談を持ち出したようですね」
答「はい。私もそう思います。引き伸ばすだけ引き伸ばして、消費者が諦めて泣き寝入りするのを待っているだけでしょう」
問「こちらから頭を下げて薄汚い、はした金、涙金を受け取りたくはない、という気持ちは騙された住民にはあるでしょうね」
答「はい。東急不動産と東急リバブルの不誠実な態度には怒り心頭です」
問「どうせ東急不動産の資金は騙し売りで稼いだ金と思ってしまいますね」
答「そう思います」
問「甲第14号証(原告陳述書)は原告が作成したものですか」
答「はい」
問「甲第42号証(原告陳述書(二))は原告が作成したものですか」
答「はい」
問「訴訟において陳述書を作成した動機は何ですか」
答「被告準備書面や証拠には嘘や出鱈目が多く、相互に矛盾しています。そのため、きちんと説明し、反論する必要があると考えました」

東急リバブル東急不動産の騙し売り

東急リバブル及び東急不動産の騙し売りは消費者を愚弄する非常に由々しき問題である。消費者にとってメリットとなる情報は説明しているのに、説明を聞いたら購入意欲が減退するようなデメリットについては伝えなかったケースである。実に巧妙に相手を信用させる手口である。宅地建物取引業者資格の根本を疑わせるような販売手法であり、厳正な対処が求められる。企業の社会的責任を忘れ、法令順守義務をもないがしろにした関係者に対しては厳しい処置が当然である。「羊頭を掲げて狗肉を売った者たちには、罰が必要だ」(「天地人」東奥日報2006年1月19日)。

この悪質な騙し売り事件によって東急リバブルと東急不動産の評判は足元から崩れることになるだろう。ばれなければいい、ばれても軽い処分で済むと安易に考えていたのなら、大きな間違いである。客商売にとってイメージダウンは致命的である。意地汚いやり方は消費者感情を刺激するだけである。客離れが進むのは必至である。曖昧な解決は許されない。両社は過去につくった罪業をまとめて償わされることになろう。しかも、たっぷりと利息をつけてである。自己の悪事を悔やむべきである。

東急不動産騙し売り事件は姉歯秀次元建築士らの耐震強度偽装事件でヒューザー(小嶋進社長)が問題になっているように詐欺罪、宅建業法違反(重要事項説明義務違反)を問うべき犯罪である。もしヒューザーがイーホームズの指摘により偽装を認識したならば、最初から全て知っていた点でヒューザー以上に悪質である。草の根をかき分けてでも真相を明らかにしなければならない事件である。改善は期待できず、行政処分による制裁の必要性が高い。厳しい制裁が科されるのは当然である。

本訴訟は消費者にとっても東急不動産にとってもゲティスバーグや硫黄島に相当する戦いである。熾烈な戦いである。時には激しくやりあう場面もあった。両者はありったけの武器を総動員して戦っている。勝者が出れば、必ず敗者も出る。それも黒白はっきりした形である。悪徳不動産業者は血も涙もない金の亡者である。ここで連中の顔をひっぱたいて地べたに這いつくばらせてやらなければ何一つ変わらない。

原告の闘い

原告は覚悟を決めて裁判に臨んでいる。これほどの不正事件を何ら糾弾せずに闇に葬ってしまってはならない。東急リバブル東急不動産をのうのうと生かしておいてはならない。原告は自分との契約書にサインした。握手し、血の誓いを立て、神仏に誓った。一旦、橋を渡ったら、最早その橋は存在しないものと考えている。始めたことをやり遂げるか、力尽きて死ぬか、二つに一つである。「鞠躯尽力、死而後已(鞠躬尽力し、死して後已まん)」(諸葛亮『後出師の表』)。

地道な立証作業の積み重ねにより、ここまで辿り着いた。東急リバブル及び東急不動産の不正な対応や虚偽の主張には泣かされ続けた。東急不動産の主張は、重要な事実に関して大きな変遷があり、かつ、その変遷は従来の供述と矛盾する客観的事実の指摘を受けて生じていた。

第一回口頭弁論欠席や中身のない答弁書提出に見られるように、東急不動産が卑劣な時間稼ぎ戦術に出ることは最初から明白である。原告の内側では待つ身の苛立ちが募っていた。本来なら既に煮えたぎっているところである。しかし、今の原告は周囲で次々に繰り広げられる目新しいショーに目を奪われていた。しかもショーの主役は原告自身である。原告は「リラックスして成り行きを楽しめ」と自らに言い聞かせた。ここまで苦しめられたからには第一ラウンドだけでは終わらない。第二、第三ラウンドも制するつもりである。

原告は資産価値の全くない屑物件と35年間の住宅ローンを抱えたまま泣き寝入りして引き下がるわけにはいかなかった。原告は自分の気持ちに素直に生きていく道を選択する。それは原告が納得できるまで戦っていくという姿勢である。東急不動産による屑物件の騙し売り及び非礼な対応は当然の如く、原告の上に大きな精神的ストレスをもたらしていた。

「心の痛みというのは消える事はないのです。「心の傷を消す」なんていうのは、それはやはり思いあがった人のいう事であって消えないのです。消えないから、逆にそれがエネルギー源になることもあるのです」(生井隆明「戦後を生きる子どもたちへのプレゼント」財団法人富士福祉事業団、ボランティア2006年2月号15頁)。

東急不動産の逸脱した感覚

東急不動産の感覚は健全な消費者感覚からは大きく逸脱している。東急リバブル及び東急不動産は弱肉強食の拝金主義的な企業体質がベースになっている。隣地建て替えにより、日照・採光・眺望・景観が皆無になることは明らかであるにもかかわらず、消費者が住宅選びで最も気にする日照・採光・景観・眺望が害されるという重大性を全く認識していない。

東急不動産は原告に対し、被害者感情を逆なでする以下の主張を繰り返し行っている。
「301号室についてはLD側からの採光を妨げるものではありません」(甲第36号証「東急不動産回答文書」社印付、大島聡仁作成、2004年11月30日)
「301号室居室全体として全く採光を妨げるものではない」(甲第37号証「東急不動産回答文書」社印付、2004年12月16日)。

東急不動産が反省せず、これまでの認識を何ら改めることがなければ、今後も同種のトラブルが生じることは必定である。東急リバブル及び東急不動産の体質が変わらない限り、第二、第三の事件が繰り返されることは目に見えている。きちんと原因を追求し、関係者を処罰しない限り、必ず似たような事件が起きてくることは間違いない。

アルスでは居住者を無視した営業優先の販売により、トラブルの種は無数に存在する。消費者の立場に立って、不利益事実を丁寧に説明することが肝要である。一生に一度あるかないかの買い物で消費者に損害を与えることがないようにしてもらいたい。

東急不動産のアルス騙し売りは不作為の詐欺に相当する。不作為の詐欺とは「ウソをつくなど作為的な言動で他人の財物をだまし取るのではなく、法律上の義務や商道徳上の規範などを怠ることで財物を手に入れること」である(「小嶋容疑者逮捕」読売新聞2006年5月18日)。

横浜桐蔭大学コンプライアンス研究センターの主張

被告代理人井口寛二弁護士が教授を務める横浜桐蔭大学のコンプライアンス研究センターは重要事項説明について以下のように主張する。

「居住用の物件の取引は、購入者にとっては居住環境を自ら決定するという重要な判断である。そこで、購入者にできる限り多くの情報を与えた上で判断させるという「居住者の自己決定権の尊重」が要請される。それは、宅地建物取引業法が業者に重要事項の告知(条文上は「説明」)を義務付けていることの背景といってよいであろう。業者側は、宅地建物の取引を業とするプロ、購入者側は、「一生に一度」の大きな買い物をする立場なのであるから、業者側に購入者の「自己決定権」を最大限に尊重することが求められるのは当然であろう。」(桐蔭横浜大学コンプライアンス研究センター企業不祥事検討チーム「大阪アメニティパーク土壌汚染問題」季刊コーポレートコンプライアンス第5号、2005年、143頁)。

日当たり重視

マンション購入者を対象とした消費者意識調査では、マンション購入時の判断基準として最も重視されているのは「日照」(25.7%)である。2位「断熱性」19.7%、3位「防犯性」19.4%を大きく引き離している(国土交通省国土交通政策研究所「住宅の資産価値に関する研究」国土交通政策研究第65号、2006年3月、69頁)。

首都圏に在住する既婚男女を対象とした意識調査でも、住まい選びの際、最も重要なのは「日当たり」とする。これは不動産情報ポータルサイト「HOME’S」を運営する株式会社ネクスト(本社:東京都中央区、代表取締役社長:井上高志)が実施したものである(株式会社ネクスト「新築分譲マンションポータルサイト「新築HOME’S」調査報告」2006年7月7日)。

公園緑地はセールスポイント

公園・緑地に隣接していること、更には緑地・公園が眺望していることは居住用不動産にとって大きなセールスポイントとなる。東急不動産自身、自ら販売する以下のマンションで積極的にアピールしている。
「クオリア恵比寿パークフロント」のWebサイトでは周辺環境のページで以下の記述をする。「公園を臨む南側バルコニーからは恵比寿東公園を臨み緑あふれる開けた眺めを楽しめる」
「ブランズ美しが丘二丁目」のWebサイトでは周辺環境のページで以下の記述をする。「たまプラーザ駅より整然と続く並木を眺めながらの道のり、ゆったりとした歩調が似合います。ほどなくして心休まる「美しが丘公園」、そして空に向かってまっすぐに伸びる気持ちのよいユリノキに彩られた景観の中に映える建物が姿を見せます」

「ブランズ文京本駒込」のWebサイトでは周辺環境のページで旧古河庭園を紹介する。ブランズ文京本駒込の広告メールでは「駒込周辺は緑の多い閑静な地区。駒込駅の両側にはたくさんのツツジが植えられ、「関東の駅百選」にも選ばれています」と記述する。更にマンションの直接関係しないにもかかわらず、駒込がソメイヨシノの発祥地であることをアピールする。「ソメイヨシノ───あの桜の染井吉野の発祥の地が、ここ「駒込」なのです」(ブランズマガジン2006年7月19日号)。

ブランズ上大岡の広告メールでは桜並木をアピールする。「港南中央から日野公園まで続く桜道は、昭和8年に地元の有志が桜の苗木を植え、現在まで生き続けています。春には満開の桜がアーチとなり、 道行く人々を出迎えてくれます」(ブランズマガジン2006年7月5日号)。

住宅ローン破産

原告は35年間の住宅ローンを三井住友銀行深川支店(東急リバブルの提携ローン)から借りている。住宅ローンは容赦なくのしかかる。東急不動産が卑劣な時間稼ぎ戦略を続けるならば原告としては戦線を拡大する用意がある。即ち銀行を被告とした債務不存在確認訴訟の提起である。

東急不動産のビジネスモデルは、購入者に生活基盤を提供することではなく、無価値になる物件を売りつけて住宅ローン破産させることであると確信する。購入者の人生を破滅させることが悪徳不動産業者の仕事である。原告がマンションの差し押さえを受け、強制競売され、自己破産することを狙っている。破産に追い込むことができれば債務返済の責任を免除されたとしても、その後、生活していく資金も場所も何も残らなくなる。原告に残されるものは魂だけで、しかも魂は競売に出すわけにはいかない。

「住宅ローンを抱えて、ニッチもサッチも行かなくなって、ドスをふところに銀行の頭取室に“俺の借金をチャラにしてくれ!”と怒鳴り込んでも、“ハイ、わかりました。ではあなたのマンションの競売手続きをとらせていただきます”と威張りくさられます。かと言って、その物件がまともに売却できなくて、今度は銀行が真っ青になりますが、公的資金を導入。結局助かるのは銀行だけです」(武市信明、必殺管理人―マンションの裏側教えます、碧天社、2004年、272頁)。

債務不存在確認通知書文例

債務不存在確認通知書
貴社が主張する住宅ローン債権について、下記のとおり通知致します。
貴社は、私が貴社に対し○○万円の債務を負担していると主張しておりますが、当該債務の発生原因となった不動産売買契約は消費者契約法第4条(不利益事実不告知)違反により、○年○月○日付けで取り消されました。従いまして、当該債務は最初から存在しないものと考えていますので、本書をもって通知致します。
なお、今後において不当な請求等があった場合においては、請求禁止を求める仮処分、又は損害賠償請求の申立て等の法的措置を取らせていただきますので申し添えます。

                         平成○○年○○月○○日

 ○○県○○市○○町X−X−X
         ○○○○ 印

 ○○県○○市○○町X−X−X
  株式会社○○○○
         代表取締役 ○○○○殿

東急不動産のパンフレットで不実告知

東急不動産の販売パンフレットには不実告知が存在する。不実告知は「重要事項について事実と異なることを告げること」である(消費者契約法第4条第1号)。

販売パンフレットでは「火災・侵入などの異常を通報する綜合警備保障による24時間セキュリティシステム」と記載する。ここでは侵入警戒を行うと記述するが、実際には行われていない。「バレなければ何をやってもよい」が東急不動産の社風であることを示す事実である。

東急不動産及び子会社東急コミュニティーは巧妙なことに虚偽の内容の管理委託契約書を作成することで、販売時の不実告知を隠蔽した。管理委託契約書契約書上は専有部分の侵入警戒を実施することと定めている。管理委託契約書別紙業務仕様書第9「ホームセキュリティー業務」では警備項目として火災警戒、非常通報警戒、侵入警戒の三種類を記載する。侵入警戒の対象を「各専有部分及び管理室」とする(管理委託契約書24頁)。

しかし、アルスでは管理室が2つ、専有部分が27戸あるが、管理会社の東急コミュニティー回答では侵入警戒を実施しているのは管理室1つ(管理室1)と専有部分1戸のみとする。

アルス管理組合は東急不動産に対して問い合わせを行った(2006年2月13日、2月19日)。回答期限を2月25日に指定したが、期限までに回答はなされなかった。その後、2006年3月16日付でようやく回答がなされた。「「火災・侵入などの異常を通報する綜合警備保障による24時間セキュリティシステム」として、専有部分に設置したものとしては、非常通報ボタンがあります」と回答する。

非常通報ボタンは居住者が非常通報ボタンを押すことで警備会社に連絡するものである。窓ガラスが割られる等の異常をセンサー等が自動検知して通報する侵入警戒とは内容が異なる。管理委託契約書上も非常通報警戒と侵入警戒を別個のものとして定義する。詭弁に満ちた不誠実な回答は相変わらずである。

「セキュリティシステムは誤作動だらけで誤報率が9割以上などというとんでもないデータがある」(河北義則『3年間、家を買うのはやめなさい!』ダイヤモンド社、1999年、211頁)。

東急リバブル、東急アメニックスの無神経なDM送付

東急不動産(販売代理:東急リバブル)が不利益事実を告知せずにマンションを販売したとして、マンション「アルス」の購入者が売主の東急不動産を被告とし、消費者契約法4条(不利益事実不告知)に基づき、マンション購入契約の取消及び購入代金の返還を求めて東京地裁に提訴した(2005年2月18日、平成17年(ワ)3018)。

訴訟は現在も係争中である。ところが、アルスの販売を代理した東急リバブルは原告に対し、「ご紹介特典のご案内」と題して不動産の買い替えを勧誘するダイレクトメールを原告に送付した(2005年9月1日)。原告は契約取消を求めて争っている状況にもかかわらず、DMを送りつけることは無神経も甚だしい。まさに「舌の根も乾かないうちに」である。問題解決において感情というものは無視できない要素である。原告は即座に抗議のメールを東急リバブル渋谷センターマンションチーム([email protected])に送付した。

抗議メール送信後も、DM送付が止まることはなかった。9月9日には株式会社東急アメニックスから「浄水器カードリッジ交換のご案内」と題して浄水器カードリッジと換気扇のフィルターのDMが送付された。「東急アメニックスパートナー営業部 担当:楠本・森・新倉・佐々木」と記載されている。

東急グループが問題物件を売りつけただけでは飽き足らず、被害者に対し、次々と商品を売りつける悪徳リフォーム業者と同種の業者であることが良く理解できる(次々販売、多重契約被害)。悪質リフォーム業者は騙しやすい人を「まるい客」、騙されて何度も契約を締結する人を「どんまる」と呼び合い、消費者を食いものにしてきた(「「まるい客」「どんまる」 悪質リフォームで共通隠語」共同通信2005年11月14日)。悪徳不動産業者にとって、悪事は一回行おうと複数回行おうと同じことなのである。

詐欺についての書籍でも以下のように警告されている。「第一の被害にあって心に動揺があるから、その隙に付け込まれて同じ犯人から、また第二の詐欺被害にあることもある」(石原豊昭『「詐欺」悪の手口と撃退マニュアル』自由国民社、2004年、30頁)。

さいたま市消費生活条例施行規則第3条では「不適正な取引行為」として以下をあげる。「商品又はサービスの販売に関し、当該消費者が従前にかかわった取引に関する当該消費者の情報又は取引に関する情報を利用して、消費者を心理的に不安な状態に陥らせ、当該取引を継続する義務があるかのように告げ、過去の不利益が回復できるかのように告げ、又は害悪を受けることを予防し、若しくは現在被っている不利益が拡大することを防止するかのように告げて、契約の締結を勧誘し、又は契約を締結させること。」

原告抗議メール(2005年9月1日)

DM送付に対する抗議

東急リバブル渋谷センターマンションチーム御中

私は貴社を通じてアルスを購入した原告と申します。

本日(2005年9月1日)、貴社から「ご照会特典のご案内」なるDMが届きました。

販売代理であった貴社は当然承知しているはずですが、私はアルスの購入に際し、貴社販売担当者(住宅営業本部営業第五部・中田愛子、宮崎英隆)より、不利益事実(アルス竣工後に隣地が建替えられ、日照・眺望が遮られること)の告知を受けなかったとして、消費者契約法4条に基く契約取消し及び購入代金の返還を求めて東京地裁に提訴し、係争中です。

このような相手において買い替えを勧めるDMを送付する貴社の無神経さには呆れました。最近では悪徳リフォーム業者などの「次々販売」が社会問題になっています。業者が一度騙した相手に次々と欠陥品を売りつける問題です。貴社も問題となった悪徳リフォーム業者と同様に、一度問題物件を売りつけたカモに対して、改めて問題物件を売りつけようとしているのでしょうか。

顧客の置かれている状況を考えず、無神経なDMを送付した貴社の行動に強く抗議します。無神経極まりないDMを送付したことに対し、明確な謝罪を求めます。

あわせて今回の悪用されることがないように、貴社が保有する私に関する個人情報の全てを抹消することを要求します。

以上、二点(謝罪及び個人情報の抹消)について、明確な回答を求めます(回答形式は本メールに対する返信で構いません)。

東急リバブル回答メール(2005年9月2日)

伊藤康幸は東急リバブル渋谷センターマンションチームのチームリーダーである。宅地建物取引業主任者である。その後、マンションチームは土谷喜一郎課長がトップになった(2006年7月11日現在)。

東急リバブル株式会社渋谷センターマンションチーム伊藤康幸

貴メール拝読致し、下記のとおりご回答申し上げます。

この度は、原告様のご心情を顧みず、ダイレクトメールを送付した件につきましては、誠に申し訳ございませんでした。今後につきましては、このようなことがないよう、改めて社内にて徹底を図ってまいります。

なお、原告様からお預かりした個人データの内、宅地建物取引業法第49条及び宅地建物取引業法施行規則第18条に定める取引台帳の備え付け項目(ご住所、お名前、土地または建物の所在、売買金額 等)につきましては、削除することができませんので、あしからずご了承願います。当該個人データにつきましては、法令で定められている取引台帳等帳簿の保存期間(宅地建物取引業法第49条に規定する帳簿を各事業年度の末日をもって閉鎖した後、5年間)が終了次第削除させていただきますので、何卒ご了承いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

原告再抗議メール(2005年9月3日)

東急リバブル株式会社渋谷センターマンションチーム伊藤康幸様

ご回答ありがとうございました。

取引台帳の備え付け項目については削除できないとのことですが、それ以外の個人データ については何ら記述がありません。法規定を根拠に拒否するならば、それ以外のデータに ついては削除できるはずです。また、台帳上のデータも台帳以外のデータベース、名簿等 に記載されているものを削除することは問題ないはずです。今回の無神経なDMも取引台帳から直接抽出したとは思えません。顧客名簿データベースの類が別にあるはずで、そこのデータを削除することは宅建業法上の規制とは何ら関係ありません。宅建業法を理由に私の要望を拒否することは、法律の歪曲です。

取引台帳以外で管理されている情報及び取引台帳の備え付け項目以外の情報について改めて削除を要求します。私の要望は何一つ応じることなく、一方的に「あしからずご了承願います」と了解だけを押し付けられても、何一つ応じることはできません。そのような一方的な態度で「誠に申し訳ございませんでした」と表面的な言葉だけを飾りのように冠しても、かえって不誠実さを感じるだけです。形式的な謝罪については撤回を要求します。以上、二点について、対応を求めます。

東急リバブル回答メール(2005年9月7日)

東急リバブル株式会社渋谷センターマンションチーム伊藤康幸

貴メール拝読いたしました。

前回のメールにおいて、説明不足がありましたことをまず初めにお詫び申し上げます。

弊社にて取得させていただいた「お客様データ」ですが、宅地建物取引業法で保管を定められた項目以外としては、お客様から取得した生年月日、性別、勤務先会社名、年収、家族数、電話番号、認知経路、ご購読新聞等の電子データがございましたので、これらについては、削除の手続きをさせていただきました。

前回の私からのメールに関し、表面的で不誠実等のご指摘をいただきましたこと、お詫び申し上げます。どうか、ご海容くださいますよう重ねてお願い申し上げます。

なお、頂戴しておりますメールアドレスにつきましては、原告様にご了解いただきました時点において、削除させていただきますこと、念のため申し上げます。

本来なら拝眉の上、お詫び申し上げるべきところ、メールにて失礼いたしました。

原告再抗議メール(2005年9月11日)

東急リバブル株式会社渋谷センターマンションチーム伊藤康幸様

9月5日に回答メールをいただきましたが、相変わらず、私の問い合わせ内容にはまったく答えていません。9月3日のメールで私は以下のように述べました。「台帳上のデータも台帳以外のデータベース、名簿等に記載されているものを削除することは問題ないはずです。今回の無神経なDMも取引台帳から直接抽出したとは思えません。顧客名簿データベースの類が別にあるはずで、そこのデータを削除することは宅建業法上の規制とは何ら関係ありません。宅建業法を理由に私の要望を拒否することは、法律の歪曲です。」この点について何ら回答がなされていません。回答お願いします。

また、9月3日のメールで「今後につきましては、このようなことがないよう、改めて社内にて徹底を図ってまいります。」との回答をいただいておりますが、9月9日には株式会社東急アメニックスから「浄水器カードリッジ交換のご案内」と題して浄水器カードリッジと換気扇のフィルターのDMが送付されました。「東急アメニックスパートナー営業部 担当:楠本・森・新倉・佐々木」と記載されております。

東急グループが問題物件を売りつけただけでは飽き足らず、被害者に対し、次々と商品を売りつける悪徳リフォーム業者と同種の業者であることが良くわかりました。改めて抗議します。

東急アメニックス宛抗議(2005年9月11日)

東急アメニックス御中

はじめまして。

2005年9月9日に株式会社東急アメニックスから「浄水器カードリッジ交換のご案内」と題して浄水器カードリッジと換気扇のフィルターのDMが送付されました。「東急アメニックスパートナー営業部 担当:楠本・森・新倉・佐々木」と記載されております。

おそらくアルスを東急不動産から購入した関係で送付されたものと思われます。既にご承知のことかもしれませんが、私はアルスの購入に際し、貴社販売担当者(住宅営業本部営業第五部・中田愛子、宮崎英隆)より、不利益事実(アルス竣工後に隣地が建替えられ、日照・眺望が遮られること)の告知を受けなかったとして、消費者契約法4条に基づき売買契約を取消し致しました。2004年12月に東急不動産宛の内容証明郵便にて意思表示しております。東急不動産が話し合いにも応じないため、購入代金の返還を求めて東京地裁に提訴し、現在係争中です。

契約取消しの意思表示をした以上、代金返還とともに明け渡すつもりです。加えて、不利益事実を故意に隠蔽した東急不動産から一生に一度あるかないかの高い買い物で騙し売りをされた被害者の心情を慮れば容易に理解できるものと思われますが、貴社グループから、これ以上商品を購入するつもりは一切ありません。従って、DMの類は一切、送付しないで下さい。

東急不動産の違法販売について、不動産業界団体に情報提供

東急不動産消費者契約法違反訴訟原告は、東急不動産・東急リバブルの違法販売について、不動産業界団体「社団法人不動産流通経営協会」「社団法人不動産協会」に情報提供した。何れも東急不動産・東急リバブルを会員とする公益法人である。

不動産流通経営協会宛てメール(2005年10月1日)

【情報提供】会員企業の東急リバブル、東急不動産の宅建業法違反について

不動産流通経営協会御中

突然のメール失礼させていただきます。掲題の件で情報提供させていただきます。私は貴協会会員の東急不動産より、マンションを構築した者です。販売代理は同じく貴協会会員の東急リバブルです。

ところが購入後1年足らずで隣地の建物(東急リバブルは倉庫と説明)が作業場に建替え工事を開始しました。作業所が完成すると日照・眺望が皆無となり、作業場なので騒音も発生します。これについて、マンション建設時に隣地所有者は予め東急不動産に説明し、購入希望者に説明を依頼するようにお願いし、了解したと言います。東急不動産・リバブルもこの事実は認めていますが、確定的でないと判断して説明しなかったと主張し、一切の非を認めていません。

それどころか、手紙を出しても半月以上返事放置され、催促してやっと回答する状態です。しかも隣地が建替えられても他の部屋からの採光は妨げられないから構わないなどと被害者感情を逆なでするような回答をよこしてきます。

本件は宅地建物取引業法第四十七条(事実不告知)及び消費者契約法第四条二項(不利益事実不告知)に該当するため、消費者契約法に基づき、マンション購入契約の取消及び購入代金の返還を求めて東京地裁に提訴しました(2005年2月18日、平成17年(ワ)3018、現在も係属中)。

不都合な事実を故意に隠蔽して問題物件を売りつける東急リバブルや東急不動産は、貴協会の目的である「不動産取引の適正化、円滑化並びに不動産流通に関する諸制度の改善を図り、不動産業の発展に寄与するとともに、公共の利益を増進する」(社団法人不動産流通経営協会定款第2条)にそぐいません。

定款指定の除名事由「この法人の名誉を毀損し、又はこの法人の設立の趣旨に反する行為をしたとき」にも該当します(社団法人不動産流通経営協会定款第10条)。そのため、本件は貴協会にとっても関心のある事実と思い、情報提供致します。

社団法人不動産協会宛てメール(2005年10月2日)

【情報提供】会員企業の東急不動産・東急リバブルによる違法販売について

不動産協会御中

突然のメール失礼させていただきます。掲題の件で情報提供させていただきます。 私は貴協会会員の東急不動産より、マンションを構築した者です。販売代理は同じく貴協会会員の東急リバブルです。

ところが購入後1年足らずで隣地の建物(東急リバブルは倉庫と説明)が作業場に建替え工事を開始しました。作業所が完成すると日照・眺望が皆無となり、作業場なので騒音も発生します。これについて、マンション建設時に隣地所有者は予め東急不動産に説明し、購入希望者に説明を依頼するようにお願いし、了解したと言います。東急不動産・リバブルもこの事実は認めていますが、確定的でないと判断して説明しなかったと主張し、一切の非を認めていません。

それどころか、手紙を出しても半月以上返事放置され、催促してやっと回答する状態です。しかも隣地が建替えられても他の部屋からの採光は妨げられないから構わないなどと被害者感情を逆なでするような回答をよこしてきます。

本件は宅地建物取引業法第四十七条(事実不告知)及び消費者契約法第四条二項(不利益事実不告知)に該当するため、消費者契約法に基づき、マンション購入契約の取消及び購入代金の返還を求めて東京地裁に提訴しました(2005年2月18日、平成17年(ワ)3018、現在も係属中)。

不都合な事実を故意に隠蔽して問題物件を売りつける東急リバブルや東急不動産は、貴協会の不動産協会企業行動理念である「顧客本位」の経営にそぐいません。 そのため、本件は貴協会にとっても関心のある事実と思い、情報提供致します。


東急不動産消費者契約法違反訴訟提出証拠

証拠番号 原告提出証拠
甲第1号証 アルス土地登記簿謄本
甲第2号証 アルス建物登記簿謄本
甲第3号証 不動産売買契約書
甲第4号証 覚書(売買代金の減額および支払方法の変更)
甲第5号証 重要事項説明書。隣地建替えについて説明されていない。
甲第6号証 販売パンフレット。アルス販売時に日照・眺望・景観・通風を謳い文句とした。「2方向からの通風・採光に配慮」。
甲第7号証の1〜2 アルス図面集
甲第8号証の1〜2 アルス売買契約取消を伝える内容証明郵便、郵便物配達証明書
甲第9号証の1〜4 原告居室から撮影した写真
甲第10号証 アルス外観写真
甲第11号証 アルス宣伝チラシ。「緑道に隣接するため、眺望・採光が良好!」「全戸角住戸!2面以上の開口・採光を確保!」
甲第12号証 アルス現地案内図。隣地作業所を「ソーコ」と虚偽の記載をする。
甲第13号証 隣地所有者陳述書
甲第14号証 原告陳述書
甲第15号証 図面集プリント版。東急リバブルが販売時に原告に配布した。「二面採光で心地よい空間を演出します」。
甲第16号証 図面集冊子版。東急リバブルが契約締結後に原告に配布した。居室の間取りが実物と相違する。
甲第17号証の1〜6 管理会社の東急コミュニティーが保管しているアルス図面。東急不動産から引き渡されたが、存在しない間取りの図面である。東急不動産は出鱈目な図面を管理会社に渡したことになる。
甲第18号証の1 東急リバブル錦糸町営業所が作成したアルス204号室の虚偽広告。実際は1LDK+DENであるにもかかわらず、2LDKと虚偽表示した。駐車場料金も月額僅か600円と虚偽表示する。広告には石井力錦糸町営業所所長の検印が押されている。
甲第18号証の2 東急リバブル錦糸町営業所が作成したアルス204号室の虚偽広告。用途地域が実際は第一種住居地域、商業地域であるのに、第一種住居地域と虚偽の表示をする。広告には遠藤隆志の担当者印と石井力所長の検印が押されている。
甲第18号証の3 東急リバブルのアルス204号室媒介Web広告ページ(2005年7月31日保存)。この時点では間取り図に洋室8.0畳、洋室4.5畳、LD 11.4畳と実物とは異なる虚偽の表示をしていた。
甲第18号証の4 東急リバブルのアルス204号室媒介Web広告ページ(2005年8月12日保存)。洋室8畳、DEN 4畳、居間・食堂11.2畳(1LDK+DEN)で正しい記載に改められている。但し間取りは相変わらず2LDKと虚偽表示している。
甲第18号証の5 東急リバブルのアルス204号室媒介Web広告ページ(2005年8月19日保存)。洋室8畳、納戸4畳、LDK 15畳である。間取りは1SLDKに改められた。
甲第19号証 アルス価額表
甲第20号証の1〜3 株式会社SHOW建築設計事務所が検査機関イーホームズに提出した設計書
甲第21号証 株式会社SHOW建築設計事務所「光視環境住戸別一覧表」住宅性能評価申請書
甲第22号証 株式会社SHOW建築設計事務所「採光・換気チェック表」。実際は洋室であるのに、和室になっている。
甲第23号証の1〜2 セントラル硝子「板ガラス総合カタログ」
甲第24号証の1〜2 アルス管理規約
甲第25号証の1〜23 アルス写真、周辺地図
甲第26号証 東急リバブル回答文書(宮崎英隆作成2004年8月26日)
甲第27号証 原告文書(2004年8月31日)
甲第28号証 東急リバブル回答文書(宮崎英隆作成2004年9月13日)
甲第29号証 原告文書(2004年9月14日)
甲第30号証 東急リバブル回答文書(宮崎英隆作成2004年9月24日)
甲第31号証 原告文書(2004年9月28日)
甲第32号証 東急不動産回答文書(大島聡仁作成2004年10月15日)
甲第33号証 原告文書(2004年11月2日)
甲第34号証 東急不動産回答文書(大島聡仁作成2004年11月19日)
甲第35号証 原告文書(2004年11月24日)
甲第36号証 東急不動産回答文書(社印付、大島聡仁作成、2004年11月30日)
甲第37号証 東急不動産回答文書(社印付、2004年12月16日)。文中で表面的かつ誠意のかけらもない謝罪をしている。「原告様からのご指摘がありましたご返事が遅れた点、これまでの弊社並びに東急リバブル担当の対応が不十分であった点、また、弊社と東急リバブルとの連絡が不十分であった点については深くお詫び申し上げます」。

東急不動産のお詫び文言は完全に人を舐めている。火に油を注ぐだけである。「仕方なく謝罪した」という風にとれる言い回しでされている。伝わる思いは謝罪を余儀なくされた悔しさだけである。謝ったうちには入らないし、「ふざけている」と思われても仕方がない。

謝罪するならば、何故謝罪をしているのかを相手に伝えなければ意味がない。東横インの西田憲正社長や永田寿康衆議院議員と同様、言葉だけで反省の態度がない。反省の気持ちも謝罪の気持ちも皆無である。気持ちのこもらない表面的な謝罪は、相手の感情を逆撫でし、より大きなクレームを招くだけである。本心と裏腹の謝罪、ピントのずれた謝罪は事態を悪化させるだけである。

まともな会社ならば落ち度から顧客とのトラブルが発生した場合には「先ずはとにかく誠心誠意謝れ。相手先が怒っている場合はどんな言い訳をしても火に油を注ぐだけだ。」と教育されるものである。謝罪の方法は新社会人の研修でも取り上げられる社会人としての基礎中の基礎である。間違っても大島聡仁のように客の前で口を半開きにするようなことはしない。自分の至らない点を見つめ直し、謙虚な気持ちで一からやり直すべきである。

素直に「ごめんなさい」と言えない悪徳不動産業者に腹が立つ。心から「ごめんなさい。」が言える大人を尊敬する。ただ、それが本心からではなく自分を取り巻くしがらみのための「ごめんなさい。」であるなら尊敬に値しない。「すいません、すいません」と言いつつ、実は悪いと思っていない悪徳業者は大勢いる。

何よりも、この期に及び、ポーズだけは謝罪する根性が気に食わない。謝罪するならば、最初から謝罪すれば良い。そのようにしておけば、余計な反感は買わずに済む。悪いと自覚していながら、下手な言い訳をするから周囲の怒りを買う。結局、これまでポーズだけで生きてきたということである。情けない話である。

「すみません」と言って、相手を殴る。南無阿弥陀仏と言って人を切る。「もうしません」と言って懲りずにやる。東急リバブル東急不動産は、この類である。現状においては、東急リバブル東急不動産の誠意に対する疑念はとっくに誠意に対する否定的確信になってしまっている。

甲第38号証 東急不動産回答文書(社印付、2005年1月8日)
甲第39号証 原告と東急リバブル及び東急不動産との電子メールのやりとり
甲第40号証 隣地所有者宛東急不動産株式会社住宅事業本部「ご報告書」(2005年4月5日)
甲第41号証 隣地所有者宛東急不動産送付状(大島聡仁作成2005年4月6日)
甲第42号証 「原告陳述書(二)」(2005年8月22日)。被告主張及び証拠に対する全面的な反論。
甲第43号証 アルス建設地写真。康和地所株式会社が2002年4月2日に撮影した建設地写真である。マンション建設前に写された写真である。建替えられる前の隣地建物も撮影されている。
甲第44号証 東急リバブル中田愛子作成原告宛文書。顧客である原告の氏名を間違えている。中田愛子は顧客の名前も覚えていない無礼な人間である。
甲第45号証 アルス住民陳述書。騙し売りをした東急リバブル宮崎英隆が憎いとの心情を吐露している。
甲第46号証 アルス住民陳述書。
甲第47号証 原告両親陳述書。
甲第58号証 原告陳述書(三)
甲第49号証 眺望阻害を理由とする新築マンション「プラネ・ルネ スプリングスタワー大阪」の無条件解約事例の記事(「眺望「台無し」 新築の超高層住宅、真南にビル計画」朝日新聞2006年1月20日、「新築マンション南にビル計画 無条件解約を業者が容認」朝日新聞2006年1月23日)。
甲第50号証 浅野祐一「眺望阻害を理由に新築マンションの無条件解約に応じる」建設総合サイトKEN-Platz 2006年1月26日
甲第51号証 隣地登記簿記録の全部証明

証拠番号 被告提出証拠
乙第1号証 アルス図面集。被告は原告に配布したものと同一と主張するが、実際は配布されていない。東急不動産は虚偽の図面集を作り出し、証拠として提出した。事実を捻じ曲げる強引で幼稚な手法である。ここまで東急不動産が卑劣なのかと思い知らされた。思いきり控えめな形容をしても、これは呆然とするような発見であった。
乙第2号証 東急リバブル宛受領証(2003年6月26日)。重要事項の説明を受けたこと、契約締結時交付図書を受領したことを示す。
乙第3号証 アルス写真
乙第4号証 アルス平面図。隣地との距離を実際よりも長く記載してある。
乙第5号証の1 セントラル硝子株式会社「菱形はつしもワイヤー」のカタログ。「主な用途」として「展望台のエレベーターのかごの窓」や「ベランダ」をあげたページを落として提出した。当初は乙第7号証5枚目とされていた(被告証拠説明書2005年7月16日)。後日、差し替えられる。
乙第5号証の2 開口部のサイズ仕様。実物と相違する虚偽の図面である。実際は型ガラスであるが、文書中では透明ガラスとする。窓のサイズも異なる。当初は乙第7号証2枚目とされていた(被告証拠説明書2005年7月16日)。後日、差し替えられる。
乙第6号証 井田真介陳述書。井田が知るはずのない事実が記載されている、フォーマットが頁毎に相違する等、不審点がある。「建替え」を「立替え」と誤った漢字を用いている。
乙第7号証の1 大島聡仁作成、原告宛東急不動産回答文書(2004年10月15日)。当初は乙第7号証1枚目とされていた(被告証拠説明書2005年7月16日)。後日、差し替えられる。
乙第7号証の2 報告書(追加資料)。東急不動産が国土交通省に提出した報告書を改竄している。証拠を改竄するとは信じ難い愚行である。当初は乙第7号証2枚目とされていた(被告証拠説明書2005年7月15日)。後日、差し替えられる。

被告証拠説明書は「関口作成」とするが、怪しい。文書冒頭に「当時の担当者である関口冬樹が、その会話のやりとりを記憶の中で可能な限り忠実に再現しました」とある。関口本人が作成したにしては不自然な文章である。

林正裕は国土交通省提出報告書について、「井口寛ニ弁護士と大島聡仁が勝手に書いた」と隣地所有者に説明した。弁護士職務基本規程第75条(偽証のそそのかし)「弁護士は、偽証若しくは虚偽の陳述をそそのかし、又は虚偽と知りながらその証拠を提出してはならない」。

乙第8号証 隣地土地登記簿謄本
乙第9号証 乙第9号証は株式会社SHOW建築設計事務所「アルス設計計画の経過について」(金井昭彦作成、2005年10月7日)である。乙第9号証には不審点がある。段落により、左余白が区々である。段落番号が振られている箇所もあるが、一番の段落と二番の段落でも左余白が僅かに相違する。乙第9号証は印書されたものだが、ワープロソフトで作成する場合に左余白を区々にすることは普通しない。まるで複数の文書を貼り付けたものをコピーしたような不自然さである。

乙第9号証の内容にも疑問点がある。第一に被告の主張と矛盾する。被告準備書面(2005年4月21日)は以下のように記述する。「康和地所は、訴外隣地所有者に対して、敷地境界をフェンスではなくて、ブロックまたはコンクリートにすること、本件マンションの北側の2階、3階の開口部を片ガラスにすることで検討することを説明していた」(原文のまま。片ガラスは型ガラスの誤り)。

これに対し、乙第9号証は「2階まで半透明の窓にしていましたが、東急不動産担当者から将来対応の為、また隣接地所有既存建物が居室内から見えることについて視覚的な配慮の理由より3階まで半透明の窓にしたいとの要望を受け、計画しました」とする。当初は二階までを型ガラス(半透明)としていたが、東急不動産担当者の要望により三階までを型ガラスにしたとする。

乙第9号証の記述が真実ならば東急不動産が事業主になる前の康和地所の段階では型ガラスは二階までである。康和地所が「三階を型ガラス」にすることを近隣住民に説明できる筈がない。被告の主張が誤りであることは、被告自身が提出した乙第九号証により証明された。原告は既に被告の主張が誤りであることを主張していた(「原告陳述書(二)」2005年8月22日、26頁)。原告の主張の正しさが改めて確認された。東急不動産が法廷で虚偽の主張を行う非道不誠実の会社であることを改めて印象付ける結果となった。

第二に東急不動産担当者が窓を半透明にすることを要望した理由は成り立たない。「隣接地所有既存建物が居室内から見えることについて視覚的な配慮の理由」をあげるが、これは居室から既存建物が見えなければ成り立たない。実際は既存建物は三階はおろか二階からの眺望も妨げるものではなかった。

また、上記の理由ならば窓を半透明にする決定は二階と三階の同時に行うのが自然であり、三階だけを設計後に半透明にしたことの理由にならない。窓を半透明にした理由は隣地所有者から三階建てを建設することを聞かされたためとするのが自然である。

第三に乙第9号証には設計業者として相応しくない回答がある。乙第9号証では「甲第15号証のパンフレットは、アルス販売上においてセレクトプランを用意しておりましたので、その際のセレクトプランの一部のパンフレットであることを確認しました」と記述する。

原告は東急不動産・東急リバブルが「複数種類の図面集を使い分けて営業していた」と主張していた(「原告陳述書(二)」2005年8月22日、15頁)。原告が証拠として提出したパンフレット(甲第15号証)が「一部のパンフレットである」ことは、複数種類のパンフレットが存在するとの原告主張が裏付けられたことになる。

不可解なのは、これを設計業者の株式会社SHOW建築設計事務所が回答している点である。販売パンフレットは東急不動産(事業主)又は東急リバブル(販売代理)が作成するものであり、設計業者の関知するところではない。まして事業主である東急不動産が自ら作成した筈の販売パンフレットについて設計業者に照会することは理解できない。乙第九号証が真に設計業者が作成した文書であるのか大いに疑問である。

乙第10号証 建替え前の隣地建物の写真(2002年5月28日)
乙第11号証 覚書
乙第12号証 建設省(現国土交通省)告示。証拠説明書(2006年2月8日)上、本証拠提出はアルスが建築基準法の規制をクリアしていることの立証を目的とする。建築基準法を満たすことは建物を販売する以上、当然のことである。アルスが建築基準法に違反しているならば、ヒューザーや木村建設等の耐震強度偽装物件と変わらない。

被告が建築基準法違反ではないと主張することはアルスに建築基準法違反の疑いがかけられていることの裏返しである。東急不動産のマンション(アルス、クオリア、ブランズ等のブランドがある)は数頁にも及ぶ証拠資料をわざわざ提出しなければ建築基準法に合致するか否か説明することができないことを示している。

乙第13号証 購入条件書。本書面には売買代金を190万円減額した価格でアルスを購入すると記述してある。値下げについては口外しないとの条件が付されている。これを証拠として提出する東急不動産の意図が不明である。原告には口外無用を要求しながら、自らは証拠として公開する神経が理解できない。

乙第13号証は原本ではなく、コピーである。コピーは操作ができる。今までの被告提出証拠には複数の文書を貼り付けて合成したとしか考えられない操作の後が確認できる(乙第6号証「井田真介陳述書」、乙第9号証「SHOW建築設計事務所・金井昭彦文書」のフォーマット)。乙第13号証の真正性は原本でなければ判断できない。

被告代理人井口寛二弁護士が今頃になって何が何でも証拠としてこじつけたいという焦る気持ちは分からないではないが、乙第13号証がどのようなものであるかを販売担当者の中田愛子に尋ねるべきであった。それとも被告代理人が事実を認識していながら勝手に証拠として持ち出したのか。

申込の強弁

当事者尋問の場において井口弁護士は本書面を持って原告が申込をしたと強弁したが、本文のどこにも申込とは書かれていない。原告は中田愛子から口頭で「値引きをするから口外しないように」と頼まれたことは記憶している。しかし井口弁護士が主張するように、これをもって契約した覚えはない。原告は井口弁護士が強弁した意味合いの書類は書いていない。そもそも重要事項説明は6月26日に行われた。

宅地建物取引業法は宅建業者に契約成立までに重要事項の説明を義務付けている。消費者は重要事項説明の内容を踏まえて契約を締結するか判断する。最終的に購入するか否かの判断は契約書、重要事項説明書、管理規約、長期修繕計画を受領し、内容をよく確認すると同時に周辺環境、建物の性能、最終資金計画を確認した上で行う。

「「申し込み」には何ら法的制約はないうえ、不動産取引の慣行上も、ペナルティー発生とはならない」(長嶋修「不動産売買の「申し込み」と「契約」の大きな違い」SAFETY JAPAN、日経BP社2006年7月5日)。

東急不動産が乙第13号証の「確約」をもって契約締結又は何らかの契約上の拘束力が発生したと強弁するならば明白な宅建業法違反である。原告は既に東急不動産及び東急リバブルによる本件騙し売り行為を宅建業法第47条違反(重要事項説明義務違反)と主張している。正義感の欠如した悪徳不動産業者にとっては勲章なのかもしれないが、新たに宅建業法第35条(重要事項の説明)及び第45条(守秘義務)違反が加わると主張する。

ピーエス三菱が施工

アルスの施工会社は株式会社ピーエス三菱(旧三菱建設)である。ピーエス三菱は東急建設らとともに八王子の公団欠陥マンションを施工した業者の一社である。担当支店は東京建築支店(常務取締役支店長、中村純雄)である。現場代理人(工事所長)は山下洋史・株式会社ピーエス三菱東京建築支店工事第二部所長である。アルスの後、山下所長は新井田マンション新築工事(江東区福住)に携わった(2005年5月時点)。他の担当者として西原貴博がいる。

設計・監理

設計・監理は株式会社SHOW建築設計事務所(東京都文京区、一級建築士・武内久)である。昇建築設計事務所とも称している。実際の担当者は金井昭彦、有限会社アトラス設計(東京都渋谷区)・渡辺朋幸(構造担当)、名倉敬(意匠担当)である。

東京大学卒業生に金井昭彦という人物がいる。1997年に東京大学工学部建築学科を卒業した。卒業設計のタイトルは「ハンケンチクテキコウサツ」である。1999年、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修士課程を修了。その間、「商業地街路景観コントロールに関する研究」(1996年)、「欧米における駅建築空間の技術史」(1998年)という研究をしている。

株式会社SHOW建築設計事務所についての情報は乏しい。以下のマンションの設計を担当した。株式会社アンカー(東京都港区、代表取締役宮平靖)の提携会社としても紹介されている。住宅・分譲マンションの建築設計及び内装設計等で提携する。

東急不動産物件での設計実績は見当たらなかった。仮に「東急不動産だから安心」と考える人がいたとしても(この考えには何の根拠もないが)、アルスでは当てはまるか疑わしい。株式会社SHOW建築設計事務所を設計者とすることはアルス建設地を東急不動産に売却した康和地所の時点で決まっていたことであり、東急不動産にとっても異質な物件である。

物件名 事業主 施工 備考
ドルフ船堀 和田興産株式会社、株式会社日本クリエイト 新日本建設株式会社 江戸川区東小松川、2007年2月竣工予定
ドルフ日本橋人形町 株式会社日本クリエイト 株式会社神崎組 中央区日本橋人形町、2005年2月竣工
ドルフ竹ノ塚アクティオ 日本クリエイト、和田興産株式会社 新日本建設株式会社 東京都足立区。設計監理は新日本建設株式会社一級建築士事務所。昇建築設計は監修を担当。
クレストフォルム横浜西口 ゴールドクレスト 株式会社スルガコーポレーション 2001年5月竣工。構造設計はセブテック建築研究所が担当
クレストフォルム川崎本町 ゴールドクレスト 不明 構造設計はセブテック建築研究所が担当
アデニウム新横浜 三井住友建設株式会社横浜支店 株式会社ジョイント・コーポレーション 横浜市港北区、2006年3月竣工予定
クリオレジダンス新横浜 明和地所株式会社 未定 アデニウム新横浜と同一物件。この時点でイーホームズから建築確認が下りている(第eHo.04.A-7325-01号、平成16年12月10日)。その後、計画変更された(第eHo.04.A-7325V2-01号、平成17年9月15日)。
ライオンズ武蔵野オークレジデンス 株式会社大京 西松建設株式会社 小金井市、2006年6月竣工予定
サンデュエル本庄 株式会社サンシティ 第一建設工業株式会社 2006年11月竣工予定(株式会社サンシティ「「構造計算書」の偽造事件報道について」2005年11月24日)

株式会社SHOW建築設計事務所は少なくとも2件の物件について構造設計を株式会社セブテック建築研究所(文京区)に発注している。セブテック建築研究所は鉄骨を少なくする経済設計が得意な事務所として知られる。Webサイトの「実績/事例」では鉄骨の原価を半減させた例を紹介する。ヒューザーによると、セブテック建築研究所はヒューザーの物件2件の構造計算を担当した(株式会社ヒューザー作成、イーホームズ株式会社宛「質問状 <その2>」2005年12月8日)。

インターネットではセブテック建築研究所に姉歯秀次元建築士やアトラス設計・渡辺朋幸代表が在籍していたとの指摘が見られる。姉歯元建築士在籍について、セブテック建築研究所はWebサイトで否定する。「インターネットの一部に、姉歯元建築士が弊社に在籍したことがあるかのような書き込みが成されています。中傷を意図したもののようですが、弊社に姉歯氏が在籍したことはありません。また、取引関係・協力関係もありません」(「お知らせ」2005年12月21日)。

設計監修

アルスの設計監修は株式会社デザイン・クルー(東京都渋谷区恵比寿西)が担当した。株式会社デザイン・クルーは1987年3月10日開設。デザイン・クルーでは建築設計デザイン、インテリアデザイン、都市・地区計画、インダストリアルデザイン、ビジュアルデザイン、ディスプレーデザインを業務とする。

代表取締役・管理建築士は安藤俊宏である。管理建築士は建築士事務所の業務に関する技術的事項を総括する建築士を指す。安藤俊宏は昭和52年に京都府立大学を卒業した。

株式会社デザイン・クルーの実績は永福町中根ビル(三菱銀行永福町支店)、テラス加賀(三菱商事)、アルス鵠沼海岸、中目黒ITビル(東急不動産の賃貸オフィスビル、三菱建設施工)、シーアイコートたまプラーザ、アルス桜新町一丁目である。以下の物件にも関係している。

物件名 事業主 担当内容
シーサイドコート茅ヶ崎東海岸南 東急不動産株式会社 設計・監理
サンクタス吉祥寺ハートランド オリックス・リアルエステート株式会社、株式会社ランド 設計・監理
ディアクオーレ青葉台 株式会社日本リーディング 基本設計・デザイン監修
イトーピアたまプラーザ 伊藤忠商事株式会社 設計

住宅性能評価

アルスはイーホームズ株式会社の設計性能評価は取得しているが、建設性能評価は取得していない。設計性能評価は設計図書等を元に性能評価するが、設計図書通りに建設された保証はしない。一方、建設性能評価は工事中にチェックして工事の質を見極める。

設計性能評価と建設性能評価の「二つは本来、セットになっていないと意味がありません。ところがほとんどの不動産会社が、一方しか表示していないのです。一方しか表示していないのは、一種のマヤカシになります」(橋本一郎、サラリーマンでもできるマンション投資・家賃収入で儲ける極意、明日香出版社、2004年、173頁)。

弁護士の不正

ここでは不良弁護士の犯罪をまとめる。

財産没収逃れ指南、弁護士を逮捕

破産宣告を受けた元不動産業者らによる資産隠し事件で、東京地検特捜部は2005年10月26日、破産法違反(詐欺破産)容疑で逮捕された元不動産業・覚張初江容疑者らに、財産の没収を逃れるための手口を指南したとして、東京弁護士会所属の弁護士・山下進容疑者を同法違反の疑いで逮捕した(「財産没収逃れ指南、弁護士を逮捕…詐欺破産事件」読売新聞2005年10月26日)。

手形詐欺で弁護士を逮捕

田中森一弁護士は石油卸会社から約179億円の約束手形を詐取したとして東京地検特捜部に詐欺容疑で逮捕された(2000年3月)。東京地裁は懲役四年の実刑判決を下した(2002年6月)。

詐欺を行うにあたり、田中被告はノンバンク社長に「背任になっても処罰価値はないから心配しなくていい」と助言した。これについて、控訴審の被告人質問(2005年7月)で田中被告は「私が検事をやった経験で処罰価値はないだろうと、そう判断した」と語る(「弁護頼られる「ヤメ検」」読売新聞2005年11月1日)。


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