いつもの雑草、されど雑草

通勤途中の道端、排水溝の間に一本の雑草が生えているんです。
 名前は知りません。春には小菊に似た黄色い花を咲かせます。
 ただの雑草なのですが、この雑草、毎年同じ場所に生えてくるんです。
 冬には枯れます。だから根だけが確りと排水溝の間に食い込んでいるのでしょう。
 毎年毎年、決まった場所に律儀に顔を出す雑草を見れば、つい愛着も湧くというもの。たまに引っこ抜かれたりもしていますが、数日も経てば青々と葉を茂らせる逞しさ、同じ場所から梃子でも動かない頑固さには感心してしまいます。
 今は冬で、かの雑草君はまだお目見えしてはいませんが、暖かくなればきっと顔を出すと思えば、足を滑らせないよう下を向いて歩く雪道も、俯き歩く道にも何かしらの楽しみはあるのだと思えば。
 雑草も、なかなかに良いものです。

This article was updated on May 24, 2022