ペナンを彩る街路樹
     

ペナンには樹齢100年を越す大木も多く、主要道路に心地よい木漏れ日を作ってくれる。その大きく広がる枝は、熱帯の強い日差しをさえぎってくれるだけでなく、雨をもしのいでくれる。その幹は宿り木が育ち熱帯の神秘的な雰囲気をかもし出す。

ただしその巨大な幹が歩道をふさぎ、根はアスファルトを持ち上げるといった困った一面もある。またこれらの巨木は案外もろく、ちょっとしたスコールの強風で枝が折れて、道をふさぐという欠点がある。また根も深くないので根元から倒れることもあるらしい。そのためMPPP(ペナン市役所)職員がまめに枝を切り落としている。

私はペナンに赴任して工場のランドスケープを担当したので、少々マレーシアの樹木について研究した。そのため街を歩いていて今まで無関心だった街路樹に目が行く様になった。下の5種類がペナンの幹線道路を彩るポピュラーな街路樹である。これらを識別できればあなたも立派なペナン通(かな?)。写真はクリックすると拡大画像が表示されます。

     
     
ANGSANA (Pterocarpus indicus)

インド原産の「アンサナ」はマレーシアの代表的な街路樹で、ペナン島でもいたるところで見ることが出来る。枝は天に向かって枝分かれする性質があり、あまり大きな木陰は作らないが街路樹に向いている。マカリスター通り、ヨーク通り、スコットランド通りでは、樹齢百年を超える巨木が圧倒的な存在感を誇る。写真はヨーク通り。
     
GOLDEN SHOWER (Casia fistula)

インド原産の「ゴールデンシャワー」は、一見したところアンサナと見分けがつかないが、良く見ると葉がより細かい。主に乾季の1月〜3月になると木全体を黄色い花で覆いつくし、グリーンレーン等に「黄金の雨」を降らせのですぐに解る。その花吹雪は日本の桜同様である。写真はスンガイペタニのタマンリヤジャヤ。
     
RAIN TREE (Enterrolobium saman)

中央アメリカ原産の「レインツリー」は東南アジアに広く分布する。夕刻になると葉を閉じることから「午後5時の木」とも呼ばれる。大きく広がる枝は路上に巨大な日陰をもたらす。しかし街路樹は交通の妨げになることから、枝が無残に切り落とされている。写真はケラワイ通り、本来の姿はユースパークでどうぞ。
     
FLAME OF THE FOREST (Delonix or Pionciana reria)

マダガスカル原産の「フレーム・オブ・フォレスト」は最も美しい熱帯雨林といわれる。シダの様な葉を持ち、木全体を真っ赤な花で覆いつくす。その枝は大きく広がり巨大な日陰を作り出すので、レインツリー同様、街路樹より公園がお似合いである。
     
CUBAN ROYAL PALM (Roystonea regia)

数あるパームツリーの中で最も美しいのがキューバ原産の「キューバンロイヤルパーム」であろう。電柱のような巨大なグレーの幹は胴太で根元がくびれており、その形がキューバ葉巻を思わせる。写真は樹齢70年を超えるコリントン通りのキューバンロイヤルパーム。
(2002316)

ホームコラム>ペナンを彩る街路樹たち



次のページへ

Hosted by www.Geocities.ws

1