夜景はいかが
 

「やめてけれ ゲバゲバァ」

ジョージタウンの古い建物は州政府の規制により、改築するにはオリジナルデザインを維持しなくてはならない。ところがカラーリングに関する規制はあまりないようだ。レストラン、ショールームとして改築されたコロニアルビルは、時として派手なイエローや紫色にペイントされる。

更にマレーシアの方は派手なネオンサインが好きなようである。ペナン通りを歩けば街頭の装飾は勿論の事、レストランやホテルの外壁は色とりどりのネオンサインで溢れている。ピール通りのパーム椰子にはネオンの腹巻が巻かれる。そしてフェスティバルシーズンは更にエスカレートする。ハリラヤには市庁舎は華やかなイルミネーションで彩られ、中国旧正月のキンバリー通りには提灯が飾られる。そしてディパバリのリトルインディアは派手なネオンサインの横断幕が引かれる。

活気に溢れたアジアの都市ではあるが、個人的にはあまり好きではない。やめてけれ「チンドン屋のような紫の建物」、やめてけれ「パチンコ屋のような下品なネオンサイン」、やめてけれ「ゲバゲバァ パパヤーァ」(←ううっ 年がばれる)。

     

ペナン通りのパブ「
UPTOWN
やめてけれ ピンクと紫のペイント

ペナン通りの「
CITITEL
やめてけれ 不夜城ネオン

中国旧正月の「極楽寺」
やめてけれ パチンコ屋ネオン
     
     
「それでも少しずつ洗練されてきてるペナン」

1988年に初めて欧州を訪れた私は大いなるカルチャーショックを受けた。それは荘厳な教会建築は勿論、それに輪をかけて美しいライトアップされた夜景である。時は折りしもバブル経済真っ盛り。日本でも空間デザイナーや照明デザイナーがもてはやされた時期である。私は建築の専門家でもなければ照明の知識があるわけでもないが、照明は魔法のようなものだと思う。昼間だと古びて素っ気無いビルも、ライトアップすれば幻想的な姿を闇夜に浮かび上がらせる。イエローやピンクにペイントしなくても、照明で暖かさやシャープなイメージを表現できるのだ。

最近ジョージタウンでは建物本来の造形美を巧みに表現するライトアップが増えてきたようだ。それは特にパブリックビルの多いライト通りで多く目にする。造形美を強調する市庁舎(City Hall)の赤黄緑青の4色に変化する照明、州議会ビル(The State Assembly Building)の深海を思わせる幻想的な虹色の照明。そして温かみを感じさせるレストランThirty twoLeomg Yin Kean Mansion)やカピタンクリンモスク(Kapitan Kling Mosque)のやわらかいオレンジ色の照明。またウタマ通りポログランド前やノーザンロードシティーバンク前の街路樹ライトアップも良い雰囲気である。

ペナンにあまり興味のないゲストも、カラオケラウンジの帰りに車窓からこの夜景をご覧頂いたらいかがだろうか。「おおっペナンもなかなか良い処だねぇ。」なんて・・・・言わないだろうな。

     

ライト通りの「州議会ビル」

エスプラネード広場前の「市庁舎」

ノーザンロードの「
Thirtytwo
     
     
(200317日)

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