カーライフ
     

「運転は自分で」

マレーシアは東南アジアにおいて日本人駐在員及びその家族が運転を許される数少ない国のひとつである。理由は運転マナーが良いとか、英語が通じるとか、法制度が整備されているとか言われる。これに関して「えーっ、自分で運転しなきゃならないの?」と言う人と、「自分で自由に行動できるじゃん!」と言う人がいる。赴任してみれば後者が圧倒的に多い事だろう。

運転免許は日本の免許証をJPJ(陸運局)でマレーシアの免許証に書き換えてくれる。勿論国際運転免許証でも使える。ペナン島では道路標識(全てマレー語)はしっかりしているが、一方通行やロータリー(Round About)が多く慣れるのに少し時間が掛かる。ただし迷子になっても狭い島の中だから何とかなるけど・・・・。

効率よく行動するにはやはり地図が必要である。ペナン島全体を網羅したものが欲しいが、車の中ででかい地図を広げる訳には行かない。気の効いたドライブマップはなかなか見つからなかった。ようやく探し当てた私のお勧め地図はPenang Bus map +Motoring Guideである。12ページだてのコンパクトサイズでありながら、地域ごとの詳細な道路が記されている。

     

旧市街とプラウティクスを結ぶ
ノーザンロードの並木道

マレーシア運転免許証は
JPJに行けば
日本の運転免許から書き換えられる

Penang Bus map +Motoring Guide
この地図はなかなか便利ですよ
     
     
「運転マナーは」

マレーシアは比較的運転マナーが良いといわれるが、それは嘘である。あくまでも他のASEAN諸国に比べましな程度ということである。初めて運転すると、その無法ぶりには皆閉口することのなる。ウインカーは出さないし、強引に割り込むし、一時停止せずに飛び出す、高速の路肩を逆送するバイク、人の迷惑をかえりみない迷惑駐車、等など。割り込み、無理な追い越し、車間距離不足で毎日のように追突事故を目撃する。特にオートバイには圧倒される。彼らはPenang King とかKing of The Road と呼ばれ、恐いもの無しで我が物顔に街を走り回る。暴走族のようにぶっ飛ばす奴もいれば、追い越し車線をのろのろ走る奴もいる。渋滞の中を縦横無尽に走り回り、自動車にこすっても悪気もなく走り去ってゆく。そして突然意表を付く所から現れヒヤリして急ブレーキを踏む事が多い。

多くの駐在員は始めに激怒し、次に絶望し、最後に現地のあうんの呼吸を体得し、やがて本人もマレーシア風の運転になってゆく。そして慣れてしまえば気楽なもので、車線を間違って途中で割り込んでも優しく入れてくれる。クラクションを鳴らされることはまず無い。オートバイも自動車には注意を払っており、幅寄せすれば怒る事無く避けて行く。実に人間的(?)な運転である。勿論自動車保険保険に加入し「自分の身は自分で守る」事を心がけなくてはならないが・・・・。

ペナン島ではどこに駐車するにも駐車料金がかかる。路上駐車する際には黄色枠にペイントされた駐車スペースに止める。すると料金徴収おやじ(MPPP委託職員)が即座に寄って来る。駐車料金は30RM0.3と安いが、ケチるとしっかり違反切符を切られる。罰金はRM30程度で、2週間以内に支払わないと延滞料が科せられる。場所によってはパーキングメーターもある。ショッピングセンターはこれより高めで1RM1程度である。

     

追突事故は頻繁に目にする
車間距離をとればよいのに。

無謀なオートバイには肝を冷やすが
そのうち慣れてくる。

パーキングメーターに料金を入れないと
すぐに違反切符を切られてしまう
     
     
「整備点検は自分で」

マレーシアに車検制度は無く、整備点検は自己責任である。ディーラーのサービス工場は勿論、街の修理工場が沢山ある。特に国民車プロトンは海賊判部品が豊富で、修理代(特に工賃)は驚くほど安い。 車が故障すると状況によってはたいそう惨めな思いをするので、馴染みの修理工場が無ければ日本のJAFに相当するAMM(Automobil Association Malaysia)に加入する手もある。

ペナン島は熱帯なので、自分で洗車などしようものなら大汗である。そこで街のいたるところにある洗車場に行く。高圧水で水洗いしたあと、シャンプーでごしごし。その後すすぎだけの自動洗車機をくぐると、バスタオルを持ったお兄ちゃんが水気をふき取ってくれる。この間約5分。びしょ濡れで働いているのはマレー人かインドネシア人で、経営者はもちろん中国人。料金はRM6180円)程度で社内清掃を入れるとRM10300円)である。WAXがけRM4050でやってくれる。

     

洗車場は街のいたる所にあり
気軽に利用できる

私はダトケラマト通り警察署隣にある
Chin さんの修理工場を利用している。
     
     
「ペナン島を飛び出して」

ペナン島は23時間もあれば一周できる小さな島なので、半島側にゴルフ、ショッピング、観光、等に行くことがある。ペナン島を脱出するにはペナン港(Jeti Swettenham)から24時間営業のフェリー(Feri)で渡るか、ペナンブリッジ(Penang Bridge)を通ればよい。いずれもPenang Bridge Sdn. Bhd.が運営し、島に入るのにRM7で出るのときは無料である。

ペナンブリッジはペナン島と本土を結ぶ世界第3位の長さを誇る橋である。全長13.5Kmといわれるが、実際の橋の部分は8Kmくらいである。この橋の建設をめぐって日本企業と韓国企業が入札で争い、韓国企業が落札し1985年に完成した。一日の通行料は約10万台といわれ、最近は朝夕の通勤ラッシュが激しく、毎日の様に追突事故が発生し渋滞に拍車をかけている。年に一回橋を閉鎖して「ペナンブリッジラン」なるマラソン大会も開催される。

ペナンブリッジを渡れば自動的にPLUS の運営する南北ハイウェー(North South Highway)に接続する。この高速道路は日本企業(日本鋪道?)が建設したもので非常によく整備されており、KLまで4時間程度で行けることは勿論、南はシンガポール北はタイ国境まで行ける。通行料も日本の高額な高速料金に比べれば無料に等しい。週末には半島側のゴルフ場に出掛けたり、日帰りでイポーのJUSCOに買い物に行ったりできる。

     

ペナンブリッジ開通のおかげで
半島側に気軽に行けるようになった

ペナン大橋に主役の座を奪われたが
フェリーは今でも風情があって良い

よく整備された南北ハイウェー
KLまでは4時間で到着する
     
     

19988月某日)

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