2001年マレーシア政府予算
 

マレーシア政府は毎年10月第3土曜に政府予算を発表する。在馬日系企業はドキドキしながらこの発表を待ち一喜一憂する。なぜなら進出企業の採算にとって重要な税制改正や通商政策、はたまた労働法規等、重要な政策転換が発表され、有無を言わせず施行されるのである。そして10月28日、マレーシア政府は2001年度政府予算を発表した。国内有力紙はこぞって紙面の大部分を割き、このビッグニュースを報じた。右の写真は英字新聞「Star」の第一面である。

さえないサンタクロースのようなおじさんが登場するが、彼こそマハティール首相の知恵袋であり、マレーシアきっての経済通であるダイム蔵相である。本来政界を引退し実業界に身をおいていた人物であるが、経済危機以降マハティール首相の要請によって復活した人物である。彼は真に国を憂い現実的政策を立案し、時としてブミプトラ政策に甘えるマレー人ビジネスマンを叱咤したりもする。私がマハティール首相の次に尊敬するマレー人である。

昨年は通貨危機における経済政策をめぐり、マハティール首相はアンワール蔵相(兼副首相)と対立し解任に追いやった。そして自らが蔵相を勤め、あの衝撃的な政府予算案を発表した。少し専門的になるが「為替相場を固定制」にし、「当該年度の個人所得税や法人税を免税」にし、「前年度賦課納付制度から当年度自主申告制度」に改めた。IMFをはじめ世界の経済人は時代に逆行する狂気の沙汰と非難した。ところがバブル処理に手間取るASEAN諸国を尻目にマレーシア経済は見事に浮上した。世界はマハティール首相を経済の常識を変えたとして評価しつつある。

さて注目の今年の予算案であるが詳細は後日改めてコメントするとしよう。さしあたって身近な話題として「酒と煙草が値上がりする。」、「公務員(=マレー人)が更に優遇される」といったところであろう。

20001030日)

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