家庭内パワハラにうんざり?モラハラ夫・義親の特徴と対処法

パワハラは職場だけの問題ではありません。本来は対等な関係であるべき家族の態度に、日々悩みを感じている人もいます。

家庭内パワハラとも言えるこの状況は、モラル・ハラスメント(通称モラハラ)が生み出しているケースがほとんど。

家庭という近くて狭いコミュニティーだからこそ、モラハラに苦しむ人は正しい対処法を知っておくことが大切です。

そこで本記事では、夫や妻、姑といった家族間で生じるモラハラ(家庭内パワハラ)の実態について、下記2つのポイントに焦点を当ててご紹介していきます。

  • モラハラ加害者の10の特徴

  • 今すぐ取るべき5つの対処法

今まさに悩みを抱えている方は、決して1人で抱え込もうとはせずに、ぜひ本記事を参考に早めに対処することを考えてみてください。

 

家庭内パワハラ(モラハラ)とは?

まずはモラルハラスメントについて、正しい意味を確認しておきましょう。

  • モラル・・・倫理、道徳

  • ハラスメント・・・嫌がらせ

つまり、モラル・ハラスメントとは、「倫理や道徳に反する嫌がらせ行為」という意味合いに当たります。

殴る、蹴るといった肉体的な攻撃ではなく、精神的に相手を追い詰めるような攻撃が代表例。相手を無視したり、「バカ」「クズ」などとののしったりするなど、陰湿なイジメのような行為全般をイメージしてもいいでしょう。

「夫から妻」だけじゃない!モラハラが生じやすい関係性

芸能人の夫婦間トラブルが話題になったこともあり、「モラハラ=夫から妻」という構図をイメージする人も多いでしょう。

しかし、実際はそれだけではありません。

  • 夫から妻

  • 妻から夫

  • 姑から嫁

  • 嫁から義両親 など

上記のように、さまざまなベクトルで家庭内モラハラが生じる可能性があります。

職場などで生じやすいパワハラ(パワーハラスメント)は、立場や権力を振りかざすケースがほとんどです。このため、上司から部下への被害が圧倒的多数。

しかし、モラハラに関しては、上下関係がそれほど関係ありません。精神的に優位に立っていると思い込んでしまう人が加害者になりやすく、見下されがちな人が被害に合いやすい、と考えていいでしょう。

 

モラハラ家族に苦しむ人のリアルな声

参考までに、実際にモラハラ被害に悩む人のリアルな声をみてみましょう。

<夫→妻>

モラハラ旦那にビクビクしながら生きる人生が、この先何十年も続くと思うと、嫌になります。(中略)

旦那は43歳、私は34歳です。
年上の旦那は、年下の妻だと自分の方が偉い、立場が上と思うのでしょうか。

モラハラ旦那にビクビクしながら生きる人生

<姑→嫁、夫→妻>

彼(婚約者)の母親が私の髪質から靴の先まで全身チェックしてこられて何かしらネチネチ言ってきます。
「子供は絶対3人以上、男2人は産みなさい。」
「旦那(彼氏)の言うことは絶対なんだから、絶対に逆らわないこと。」
「長男(彼氏)の嫁がこの程度の学歴(高学歴ではないですが、中堅大卒です)だなんて恥ずかしい。子どもに遺伝しないように教育せねば一家の恥晒しです」
「少しでもうち(彼実家)に不名誉なこと(子どもが望んだ学校に進学できないなど)があれば、貴女()も子どもも絶縁しますから。」

と言われています。彼はマザコンで実家大好きなので、味方には一切ついてくれません。

モラハラって治りますか?

<母→子>

「病気をしてもインフルエンザで倒れても、会社でパワハラを受けても働け」と言う母。
こんな人は普通なのでしょうか。

「あなたはいい学校を出ていないからろくでなしとしか結婚できない」が口癖。インフルエンザ2日目高熱なのに「はい、治った。もう会社行け」

どうしてもゆがんだ愛情しか受けて来なかったと思います。

病気をしてもインフルエンザで倒れても

職場でのパワハラには、しっかりとした定義があります。6類型として分類され、明確にパワハラの是非を判断できるよう、制度が見直されてきました。

しかし、モラハラ(特に家庭内トラブル)はいまだに定義があいまいであり、はっきりとした境界線がありません。

上記の例をはじめ、自分の置かれている環境について、「これってモラハラなの?」と判断できずに、悩みを抱え込んでしまう方は非常に多いのが現状です。

twitter

 

モラハラ加害者に共通する10の特徴

モラハラの加害者になりやすい人には、共通する特徴があります。ここからは、家庭内で生じやすい加害例をみていきましょう。

心当たりがあると感じる項目が多い方は要注意!全部で10の特徴をご紹介していきますので、いくつ当てはまるかをカウントしながら読み進めてみてください。

人を傷つける暴言をくり返す

パワハラやDV(家庭内暴力)とはちがい、モラハラ加害者は相手の心を傷つける暴言をくり返す傾向があります。

「バカ」「クソヤロー」などの直接的な悪口はもちろん、

  • お前は何をやっても使えない

  • 誰のおかげで飯が食えると思っているんだ

  • 勝手に洋服なんか買いやがって

  • お前のせいでこんなことになったんだ

  • こんなこともできないのか

など、被害者が悪いわけではないことまで含めて、すべてを暴言としてぶつけてくることも。

ケンカなどが原因の突発的な発言ではなく、長期間にわたってくり返し攻撃するケースが多いのがモラハラ加害者の特徴です。相手をボロボロにしながら、それでも自分に従うと思い込んでいる傾向があります。

家事・育児・仕事などをすべて否定する

被害に悩む方の中には、相手から非難されないよう、家事・育児・仕事などを完璧にこなそうとする人もいるでしょう。残念ながら、それもモラハラ加害者の前ではあまり意味を成しません。

モラハラ気質な人は、重箱の隅をつつくように相手の非を見つけ出し、ここぞとばかりに非難します。

たとえば

  • たった1日掃除機をかけるのをサボった

  • 料理の品数がいつもより少ない

  • 長年使ってきた家電が壊れた

  • 子どもが泣き止まない

  • 急きょ入った予定を伝えなかった

こんなこと、誰にだってありますよね。しかし、モラハラ加害者には相手の事情は関係なく、自分の意にそぐわないことは責め立てます。

絶対に謝らない・自分の非を認めない

モラハラ傾向がある人は、自分の非を絶対に認めようとはしません。明らかに自分が不利な状況でも決してひるまず

  • 理不尽な言い訳をくり返す

  • 他人に責任をなすりつける

  • 自分が有利になる話題に無理やりすり替える

このような卑怯な手段を取ることも。どんなに周囲の助言が正しくとも、加害者はなかなか耳を傾けてくれません。

また、長期間にわたって上記のような仕打ちを受けた被害者は、すべてのことを自分が悪いと思い込むケースがあります。

何でも人のせいにする・自分を正当化する

上記の「自分の非を認めない」と重なりますが、モラハラ加害者は本気で「自分が正しい」と思い込んでいるのが特徴です。

自分が追い詰められて慌てて言い訳を探す、というわけではなく、「なぜ自分が正しいのに分かってくれないのか?」と本心で思っているのです。そんな自分の言い分を通すために、

  • 立場の弱い人間に責任をなすりつける

  • 環境のせいにする

  • 今の状況を都合がいいように解釈し、ねじ曲げる

このように他責にするのがモラハラ加害者の特徴。

主従関係のようなモラハラ的構図が成り立ってしまっているほど、こうした場面で被害が大きくなる傾向があります。

過去の失敗・些細なミスを責め立て続ける

何年も前の失敗を持ち出しては、くり返し責め立てるような厄介なタイプのモラハラ加害者も目立ちます。

何度も謝ったり、すでに解決したようなトラブルを根に持っており、事あるごとに「お前のあの時の失敗のせいで!」「〇年前の発言は一生忘れないからな」などと責め続けます。

また、日常の会話内での言い間違いや勘違いを見つけては、「そんなこともわかんないのか?」「お前が正しい訳ないんだから、口を出すな」などと、責めることで優位に立とうとすることもあります。

その一方、自分の失敗は認めないわけですから、厄介としか言いようがありませんね。

人を見下したような態度・発言をくり返す

モラハラ加害者は、相手を自分よりも下だと決めつけたうえで攻撃してきます。

会社で働く夫が専業主婦の妻をバカにしたり、姑が嫁にネチネチと文句をつけるなども、精神的な上下関係が設定されているからこそ。

最近では共働き家庭も増えていますが、残業時間や給与面を引き合いに出し、勝手に上下関係を決めつけるケースまであります。

自分に興味のないことは無視する・話を聞かない

モラハラ加害者は、自分の思い通りにならないことに対して、怒りをぶつけることが多いのですが、自分が興味のないことに関しては、まったく話を聞いていません。

聞く耳を持たずに無視したり、本気で話が耳に届いていないことも。

中には、

  • お前の話はつまらない

  • どうでもいいことを口にするな

  • 俺は疲れているのに、そんなこともわからないのか?

などと暴言交じりで言い返されてしまう場合もあります。「自分に興味を持ってもらえていない」など、被害者の多くは存在を無にされているような感覚に陥ってしまうのが特徴です。

共感性・思いやりが乏しい

自分がいつも正しいと信じてやまないモラハラ加害者の多くは、相手の考えに共感したり、相手が今どんな状況にあるのかを思いやることができません。

例えば、妻が39度以上の熱を出していたとしても、相手をいたわるような言葉は出てこないことが多いです。

そればかりか、「俺の言う通りにしないからだ」「自業自得だ」と、そんな状況下でも自分を正当化し、相手を責め立てるようなケースまであります。

モラハラ気質が強い相手に対して、「自分の気持ちをわかってほしい」「察してほしい」とは考えないほうがいいでしょう。

人前でバカにする・ウソをつく

自分を優位に立つために、人前で「この人はなにもできない」アピールを振りまくのも、モラハラ加害者の特徴のひとつです。

  • 夫から妻の場合:掃除ができない、料理がまずい、外で働けないから自分が養うしかない

  • 妻から夫の場合:家事も子育てもまったくダメ、家にいても邪魔になるだけ

  • 姑から嫁の場合:家柄が違いすぎる、嫁として失格、私が息子(夫)の面倒をすべて見ている

これらの例ように、相手をバカにしたうえで“自分が支えている”という印象を周囲に与えるケースが目立ちます。

自分を優位にするため、話を盛ったり、ウソを付くこともあります。

被害者は周囲から孤立してしまうため、精神的にどんどん追い詰められてしまいます。

世間体を気にする・家庭内で豹変する

モラハラ行為をくり返す人のほとんどが、周囲には高圧的な態度は見せません。人当たりもよく、世間体を気にしながらうまく世渡りをする人が、家庭内だけで豹変する場合も多いです。

また、結婚前は優しかった相手が、結婚を機に急激にモラハラ加害者に変貌することもよくあります。

被害者が自分の悩みを相談しても、なかなか周囲からは信じてもらえない場合も多く、孤独感を感じやすいのが特徴だと言えるでしょう。

 

家庭内パワハラ・モラハラへの5つの対処法

では、実際に家庭内パワハラやモラハラ行為に悩まされてしまった場合は、どうしたらいいのでしょうか?

もし「モラハラの被害者かも」と感じたら、なるべく早く適切な対応を取ることが大切です。精神的にボロボロになってしまう前に、必要な対処法を理解しておきましょう。

ここからは、段階別に以下の5つの対策をご紹介していきます。

  1. モラハラ被害を受けていることを自覚する

  2. 毅然とした態度で向き合う

  3. 第三者に相談する

  4. 証拠を残す・客観的に事実を突きつける

  5. 別居する・距離をあける・離婚する

今、自分にできる対策から始めてみましょう。

1.モラハラ被害を受けていることを自覚する

まず最初のステップとして、自分がモラハラ被害を受けている事実をしっかりと自覚しましょう。

モラハラは心を攻撃するハラスメントだからこそ、長い期間にわたって被害を受けてきた人は、自分が被害者である事実を認識できません。

「悪いのはお前だ」と言われ続けていると、一種の洗脳のように、物事を客観的に捉えることが難しくなってしまうのです。

以下が思い当たる方は、心が疲れている可能性があります。

  • モラハラ加害者の特徴に当てはまることが多い

  • 知人から「大丈夫?」と心配されることがある

  • うまく自分の考えがまとまらない

モラハラ加害者と向き合っていくためにも、まずは自分が被害者である事実を受け入れるという点を意識してみましょう。

2.毅然とした態度で向き合う

モラハラ加害者は、ターゲットを自分の思い通りに動かそうとします。だからこそ、相手のいいなりになってしまうと、モラハラをエスカレートさせてしまう可能性も。

相手を興奮させてしまうリスクもありますが、どうしても譲れない部分や、明らかに相手が間違っている場合は毅然とした態度で向き合うことも必要です。

3.第三者に相談する

家庭内という閉鎖的な空間でのモラハラほど、周囲の人にはなかなか気付いてもらえません。

だからこそ、悩んでいる事実を誰かに相談してみましょう。

家族や友人はもちろん、専門の相談機関に連絡してみるのもおすすめです。

誰かに相談することで、自分では見えにくくなっていた被害状況や、新たな解決策が見つかることも多々あります。

1人で抱え込んでしまっては、どんどん心のダメージが大きくなってしまいますので、勇気を出してSOSサインを発信してみましょう。

4.証拠を残す・客観的に事実を突きつける

モラハラ被害の証拠を残しておくことも、重要な対策のひとつです。しっかりと証拠を残しておけば、

  • 相談内容の信ぴょう性が増す、第三者に信じてもらいやすくなる

  • 加害者本人に客観的事実を突きつけやすい

  • 別居や離婚をするときに、自分に有利になる

上記のような多くのメリットを得られます。暴言を録音しておいたり、日記に詳細な記録を残しておくのもあり。

どんなささいなことでもいいので、記録として残すことを考えましょう。

日記などに記す場合は、日時や時間、経緯などをなるべく具体的に記載しておくのがポイントです。

5.別居する・距離をあける・離婚する

夫婦間でのモラハラ問題は、解決するのが極めて難しい可能性もあります。人間の性格は大人になってから簡単に変わるものではなく、どんなにこちらが訴えても、モラハラが無くならないケースも……。

モラハラが長期間続いた場合ほど、当事者同士では正しい判断が難しい可能性があります。まずは距離を置き、お互いに自分を見つめる冷却期間を設けるといいでしょう。

モラハラは精神的なダメージが大きいからこそ、手遅れになると、うつ病をはじめとする体調不良に陥ってしまう可能性があります。

自分だけで解決できない場合は、相談機関や弁護士などのプロに頼ってみてもいいでしょう。

まとめ

家庭内で生じるパワハラ・モラハラについて、まとめてご紹介してきました。

家族の問題であるがゆえに、どうしても家族の中だけで解決しようと頑張ってしまいがち。しかし、モラハラは心を追い詰める立派なハラスメント行為です。

「自分が我慢すればいい」とは考えず、ツライと感じたら早めに対策を取るようにしましょう。