へんてこ旅日記
生きることって行き先もプランもない道のはずなのに、何か日常生活というのはうって変わって同じことの繰り返し。人間はそういった暮らしの中に安全性を感じるであろうが、その連続に退屈をも同時に感じるものだ。今回の旅はそういった留学生活にもマンネリを感じはじめた私、Kengoのイギリス本島北部への旅行、というよりは冒険である。何が特別かといえば、本来あるはずの人生の姿、行き先もプランもない・・・すなわち予約も交通手段などの把握もなしに一人で飛出そうというのだから、はらはらドキドキの冒険じゃないかな・・・そう思いません?
From University To Coleraine
12月29日朝9時−−いきなり、つまずいたいつもの最寄りの駅。先日降り積もった雪がまだ溶けず交通機関もダウンしていたようだ。対照的にこの雪が私に旅行への熱意を膨らませたのである。私はこの美しい北アイルランドに降る雪景色を見て、一体スコットランドの雪景色はどのようなものであるのかと非常にわくわくしてきたのであった。とりあえずいつ来るか知らない列車をリュックを背負って待っていると、周囲の道路からおっさんが走って来た。今日は列車は走らないとのこと・・・、変わりにColeraine駅までバスが出ているからそれに乗るように薦められた。そのバスはPortrushとColeraine駅を往復していたようだったので、Portrushからかえってきてこの駅周辺に止まる時間帯を聞いた。30分後のこと・・・。私は一度自分の生活する宿泊施設に戻って30分間待つことにした。それにしても寒い。マイナス18度の気候は半端ではない。かなりの時間待ちくたびれた私の体は、寒さでがたがた震え、手足は氷のように固まっていた。とりあえず、手袋を忘れないように携帯し、靴下を二重に履いて防寒対策を万全にし、歯ブラシと保険の証明書、風邪をひいて鼻水とまらないから1ポンドショップで買ったポケットティッシュ1ダース・・・たったそれだけを入れたリュックサックを再び背負って30分後バスの停留所に向かった。おっさんの教えてくれたバスが戻ってきて、私はそれに乗り込みColeraineに向かった。
From Coleraine To Belfast
バス代はただだった。我々が寒い中あれだけ長い間待ったことを考慮してくれてのことであろうかと思った。とりあえずバス運転手に感謝の意を伝え、出た所にSonoko発見。どうやら彼女も同じ目的地 Belfastに行くようだ。彼女の友達が駆けつけていて一緒にダブリンとスコットランドを旅行するらしい。それにしても旅行のためにいちいち駆けつけてくれるとは固い友情だこと。良いことですな。とりあえず、そこで列車が動かないためバスのチケットを買う。Sonokoさん一行とは同じバスに乗ることになった。こういったバス旅行はアブノーマルな私の旅行の幕開けにふさわしいものだった。バスの道のりは非常に長かった・・・。バスは列車のように止まるはずの各駅にとまり、その際バスに乗り合わせたおっさん・・・つまり私をUniversity駅で呼んでくれたようなおっさんが駅で待っている人達を呼びにいくような感じだ。はっきり言ってこの長い旅に精神的に結構まいってしまっていた。半分眠りながらぼぅーっとしながらBelfastに到着・・・
From Belfast To Harbour
さて、船でも取ろうかなと思ったが何せ、どうやって・・・ていうかどこに船があるかわからないので駅員さんに聞くしかなかった。Sonokoさん一行は、荷物を持って上の階へエレベータで・・・私はエレベータは苦手なので階段で上った。上につくと彼女等を発見・・・しかし早めにチケットを取ろうとチケット売り場へ・・・すなわち反対方向へ駆け足で行き・・・その時どこに行くチケットを買えば良いのかわからない自分に気づいた。とりあえず駅員さんに聞いた。どうすれば一番早くスコットランドに行けますかの質問にLarnという港に行きそこから船をとればいいとのこと・・・。とりあえずその港町に続くチケットを買いSonokoさん達が待っているだろうとの待ち合い室に行くと・・・もう彼女達の姿はなかった。先に行ってしまったのか、それならば仕方ないと半分ぐれて待合室のレストランでカレーチップを食べる。アルスター大学の学食のおいしいチキンカレーチップを想像して幻滅・・・まずい。これを食うなら絶対チップよりご飯の方が良いなと思いきや全部平らげる。それは・・・食い物を粗末にしてはいけませんからね。良い時間帯になってチケットを持って乗り場へ駅員さんがプラットフォーム1番の2番目の駅だと言ったので、プラットフォーム1番で待っていたら別の駅員さんがこれがその列車だと教えてくれた。わけわかめ・・・さすが北アイルランド・・・駅員さんの情報がうまくやりとりされてないのは頻繁にあることだ。それに乗り込み港へ。途中 Yukiが通っているジョーダンズタウンを通る。そこにはオウム真理教のサティアンに似た建設物が・・・、なるほど・・・こういう所ねと思った。さてジョーダンズタウンを通った所で私の記憶の中にある情報がよぎる。ジョーダンズタウンは治安が良くない。特に海岸沿いに行くと危ないと・・・。おいおいおい、その海岸沿いに向けて列車に乗ってんだよぉ〜と切れながら外の景色を見ると途中ダイナマイトか何かの爆薬で破壊された建設物が線路の横に紛争の歴史を誇らしく残していた。「うそぉ〜ん!!!下手したら死ぬ可能性10パーセントだな・・・。」と思い列車は進む。途中で列車が止まってしまった。近くのおっさんに聞くと雪に埋もれた線路のために列車が進めないらしい。仕方なくバスに乗ることに・・・、バスは北アイルランドの雪景色とともにLarnに近い駅へと進んだ。おっさんは途中で降りていき、私はまた夢うつつの状態でバスは進む・・・、27日は風邪と寒い気候のため一日ダウンしていたので翌日28日は眠れなかったのである。また列車の駅らしい場所でバスはストップし、再び乗り込む。がたがたごとごとと揺られ、お昼の2時半ごろだったかようやくLarnに到着した。
At the Harbor
船は2時間半に一本出ているようだ。とりあえず船のチケットをとるためにフロントに行く。国内線だからパスポートはいらないと自信満々で出てきた自分が少し精神的に弱くなっている感じがした。しかしながら運は私の旅行をここで終わりにしなかった。午後5時の船のチケットを無事に入手した。ただ1月からは年齢や性別とかもチェックされるため、何かIDが必要らしい。帰り大丈夫かなとも思ったが、すぐにそんなものなくても行けるとかと虚栄心を持って船に乗り込んでいった・・・。
こうして北アイルランドの脱出に成功したKengoは船に揺られスコットランドを目指した・・・