緑が人に優しい理由



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例外も存在しますが、大部分の植物は葉、茎など、緑色の部分を持っています。 「緑は目に優しい色」…これは常識になっていますが、それでは何故緑は優しいのか。今回はこれを解明してみようと思います。

そもそも何故人は色を認識するのかというと、実はここで「人は」という表現を使うのには語弊があります。小動物や虫だって、更にはバクテリアだって色を認識しているからです。

物の色は、光を反射、吸収することによって生じます。例えば、赤いものが赤く見えるのは、その物体が赤い光のみ反射し、それ以外の光を吸収してしまうため、赤い光だけが人の目に届くからなのです
太陽の光はいろいろな種類の光の混ざったものであり、日中(つまり太陽の光の下で)物が色づいて見えるのは、その物が太陽の光のうち、特定の色の光のみを反射し、それ以外の光を吸収しているからです。
全ての光を混ぜると白く見え、また全く光がないと黒く見える、ということは、白い物は全ての光を反射し、黒いものは全ての光を吸収しているということになります。一般に「色素」と呼ばれているものは、このように特定の色の光のみを反射する性質を有した物質なのです。

それでは、光の色の違いは何故生じるかというと、これは光の波長の違いです。虹の色はといわれますが、この配列は光の波長の長さの順になっていて、赤が最も波長が長く、紫が最も短いのです。人がこれらの光を目で見たとき、網膜がその波長の違いを認識し、その情報を脳に伝えます。これが人が色を認識する仕組みです。また、これらの光より波長が長い光や短い光では人は色を認識しなくなり、これが赤外線、紫外線と呼ばれるものです。
そして、これらの波長の違いを認識するのは人の網膜に限ったことではありません。赤、黄、紫など、鮮やかな色彩を示す植物は、その色の波長によって虫や動物を惹きつけたり、或いは逆に忌避したりもしているのです。もちろん虫や小動物が、花の色を見て「きれいだな」と感じているわけではありませんが、その色の波長が虫や小動物に何らかのシグナルを送っていると考えれば無理がないはずです。

ここで緑が人の目に優しい理由に話を戻すと、緑の光は最も人の網膜に負担をかけない波長であり、人は緑色を見るのに労力を要さないので、長時間緑に囲まれていても疲れることはなく、集中力を保つことができます。これが、ビリヤード台、黒板、野球場など、集中力を有する場で緑が多用されている理由です。
これに対し、赤は網膜に負担をかけるので、人は赤いものを見続けると段々疲れてきます。他方では、赤は一時的に神経を奮い立たせやる気を起こさせるのに適していると言えます。


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