Queen of Queens
Part 1





















「‥‥‥う‥ぁ」


アクセルはふと足を止める。

「あり?…今声が‥‥」
耳をすませるが聞こえるのは優しく吹く風だけ‥‥。

『‥気の‥せいか』
アクセルはすぐ目の前にある街に振り返る。もうそろそろ体力の限界だ。
2時間程前にトリップをして大きな森の中にいる。幸い同じ国だと景色と空気で分かったが、時は多分何年か前だ…。さっきまでいた所はこんなに森が大きくなかったのですぐに街に行けたのだが。

「ああもう!何だよっ!よりによってお腹空いてる時に〜!!」
もうすぐ街に辿り着く事にホッとしたのか大声を上げる。お金も様々な国、時から持っているので何とか食べ物にありつけるだろう…。


「ああぁ‥‥‥っ‥」

アクセルは再度身体を硬直させる。
「絶対女の声だっ!!やっぱオレ様の耳はダンボ並♪」
意味不明の言葉を発し、声がした方へ足を向ける。出来るだけ気配を消しながら。


「‥‥‥イッ…ぁ」

段々声がはっきり聞こえてくるとアクセルの顔が少し赤くなる。
『‥‥‥これって‥‥‥やっぱ‥あれだよな』
身に覚えある艶めかしい声。男なら誰でも聞いたことのある…。
『こんなとこで‥‥しかもこんな真っ昼間に‥』
アクセルは呆れながらも身を潜めながら様子を窺う。多分年の若い男女なのだろうと‥‥本当にそんな事しか想像していなかった‥‥。

‥‥だから、

「?!!」

実際にその正体を目の辺りにした時、全身が固まってしまった…。

「やあぁぁぁ…ぁ」

ギアだ‥‥。
正確に言えばギアに襲われている女が悲鳴にも似た声を上げている。

襲われている程度ではない‥‥。
彼女は犯されている‥‥。
ギアの毛だらけの触手が、女の穴という穴に埋め込まれている。顔だけは人間とあまり変わらない怪物の表情は正しく雄のあれだ‥。欲望に溺れた野獣の…。

「くっ‥あっ!!‥‥」
女は口に含まれた触手を慌てて抜き出しながら咳込む。その先からは透明な液が零れ出ている。女は幾分息を落ち着かせたかと思うと、なんとその触手を再度口に含んだのだ。
「‥んっ」
眉を寄せながら液をゴクゴクと飲み込む。そして丹念にその触手を舐め回す姿に喜んだのか、ギアは下半身に埋め込んだ触手の抜き差しを加速させる。
「‥ああぁぁ!!!」
女は悲鳴を上げながら背中を反り返らせ地面に爪を立てる。揺さぶられながら身体に這い回る夥しい触手等は蛇のようだ。形の良い胸を舐め回す無数の触手の中から一本手に取り、女は自ら口に啣える。

忌々しい化物に身を委ねる美女…。
それはそれはとても奇妙な光景‥‥。
だがアクセルにはそれだけでなかった‥‥‥。

「グ・ガアアアアアアアアアアッ!!!!!」
ギアが雄叫びをし女の中の触手が痙攣する。
「アアァッ!!‥‥んぅ‥」
女は一瞬叫ぶがギュッと足を出来る限り閉じる。自分の中にある触手が抜かれないよう固定するように。そして前と後ろから先程の液が溢れ出る。
「‥ハァ…ハァ」
女は荒い息をしながらガクッと全身の力を抜く。そんな様子を見ながらもギアの触手は動き出す。突っ込まれたのをそのままに、そこに新たな触手が入り込もうとする。
「‥なっ?!」
さすがに慌てた女はそれを阻止しようとする。が、無数の触手が手足に巻き付き身動きがとれない…。
「イッ!…ヤメ‥‥」
無理矢理押し入ろうとする太さに苦痛の声を上げる。

「お、おい…」

ギアは一瞬で止まり振り向く。思わず声を上げてしまったアクセルに…。
「い‥いや〜、邪魔しちゃって悪いんだけどさ〜…いくらなんでもそれは無理だって―」
場に似合わずおちゃらけたアクセルの言葉が終る前にギアが動き出す。
「グワアアアア!!!!」
まるで事の最中の邪魔者を無るように叫びアクセルにフルスピードで向かってくる黒い触手。只の人間と思ったのだろう、一本しか向かってこない。その視線はすでに自分が組み敷いている女に戻っている。アクセルに構っている時間が無いとでもいうように…
「…随分とナめちゃってくれるじゃないの」
アクセルの口許が歪み軽々とそれを避ける。そして御馴染みのシクルで切りつける。
「ギャアアアア!!」
ギアはけたたましい声を上げ残った触手を全てアクセルに向ける。だがスピードに自信あるアクセルはいとも簡単に避け、ギアに突進していく。避けようのない触手は切り落としギアの目の前まで辿り着く。
「ググッ!!」
ギアが驚くのも束の間、素通りした触手がUターンをして後ろからアクセルに迫る。後僅かという所でアクセルが跳び上がる。ギアの頭上を飛び越えながらニヤッと笑う。
「甘い甘い。オレ様をミクビった罰ね♪」
アクセルが地面に着地した頃にはギアの頭が無残にも草の上に転がっていた。だがそれには全く目にくれず、仰向けになった全裸の女に歩み寄る。



初めて女を見た時から疑問だった事…。


「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥旦那‥だよね?」
ソルの…

アクセルはギアの精で濡れた女を見下ろしながら囁く。声が届いたのか女はそっと目を開ける。

「‥‥アクセ‥ル?」
赤い目が驚きを隠せず見開く。何故こんな所に居るんだといわんばかりに。
暫し見詰め合った後、女は深い溜息を付きまた目を閉じる。
「え、‥と」
アクセルはちょっと焦りながら言葉を続けようとする。女の顔の横にはやっぱりあのヘッドギアがあり、その額にはやっぱりあの‘印’がある…。

これで疑問が一つ減った…。‥‥‥間違い無く彼女はソル=バッドガイだ‥‥
だが、疑問は未だ未だある‥‥。
例えばソルが何時も身に付けている服;白いジーンズ、黒いインナー、バックルの付いた赤いジャケット‥‥。それ等が全て一か所に重なっている…。本人自ら脱いだとしか思えない跡‥‥。
アクセルはソルの先程の行動を思い出す。ギアに犯されてるのに拒むような仕草は全く見られなかった。むしろ逆に促しているように見えたのだ‥‥。


そして――
残るは最大の疑問‥‥

「旦那‥‥‥‥いつからオレ様の趣味知ってた訳?」
―そう―
何故、ソルはこんな姿になっているのだろう‥‥。



「‥‥と、取り敢えず‥」
生唾を飲み込みたくなる衝動を抑え、アクセルはソルの服に手を伸ばす。
「…旦那‥立てる?」
外見の所為かいつもより優しく声を掛けてしまう。
だが返事は無かった…。
「‥え?」
アクセルは屈みながら息をしているか確かめる。‥‥どうやら眠っているだけらしい‥。
「良かった〜‥‥‥‥‥じゃないかも…」
アクセルは目のやり場に困る。いつものソルならまだしも‥‥今、目の前にいるのはどこからどう見ても‘女’なのだ‥‥。
「おまけにめっちゃイケてるし…」
アクセルはまじまじとその身体を評価する。足は細くて長く、太腿の肉付きが何とも言えない‥。普段のソルもそうだが女になってより一層細く見える腰、そして何といっても大きな二つの膨らみ‥‥。やはり男のアクセルはどうしてもそこに目が行ってしまうらしい。
要するにソルの身体は締まる所は締まり、膨らむ所はバッチリ膨らんでいるのだ。
そしてアクセルにとっては物凄い‘目の毒’なのである。
「‥‥はぁ〜」
深い溜息を付きながらゆっくりと服を着せていく。押し倒したい気持ちは充分あるアクセルだが‥‥、
「先ずは身体に怪我ないかチェックしないとね‥‥」
…僅かに理性が残っているらしい‥‥。

封炎剣とは違う剣とソルをそっと抱え上げ、元々目指していた街に向かう。
「まぁその後はどうなるか知らないけどね〜♪」
気のせいかアクセルの足取りは先程より幾分と軽くなっていた‥‥。





























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ピ、ピンチですよ、旦那…;;


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