しょうもな文

しょうもない雑文っす。どうしようもないっす。

■2001/11/05 (月) 98.身体各部の境目
 人間の身体における各部位の名称の範囲というものには定義があると思っていた。定義がないと、医療診断や裁判などのように正確を期しないとならない記録を残す場合に困るだろうと思っていたからだ。

 例えば「腹」である。腹は一体どこからどこまでなのだろうか。辞書によると、
 「動物の体で、胴の下半部。哺乳類ではその前面も内部もいう。胃や腸などの内臓が収まっている。おなか」
 となっている。
 では、その上半部と下半部の境目はどこにあるのだろうかと調べると、胸の定義に、
 「体の前面で、首と腹との間の部分。哺乳類では胴部の頭に続く部分で、肋骨に囲まれ、前肢があり、他方は腹部に続く。内部も胸腔は横隔膜により腹腔と仕切られ、呼吸器や循環器がある」
 となっているので、横隔膜によって隔てられていることになる。
 このように明確な定義というものは存在するのだと思っていた。

 では、上半身と下半身の境目というのはどこにあるのだろうか。
 医学上では上半身下半身という分け方をしないとのことなので、これは学問上での定義はないものと思われる。辞書を引いても、
 じょうはんしん【上半身】:人体の腰から上の部分。かみはんしん。⇔下半身
 かはんしん【下半身】:人の体の、腰から下の部分。しもはんしん。⇔上半身
 となっていて、腰がどっちに入るのかすら分からない。
 一般的には臍を境にすると考えるのが妥当であるだろう。しかしこれも、以前どこかで読んだ女性へのアンケート調査結果によると、臍を上半身と考える人と下半身と考える人の双方がほぼ同率でいるらしい。更に年齢層によっても意見が分かれており、年齢層が高い人は臍は下半身に入ると回答しており、20代を初めとする若年層の女性の答えは上半身というのが大多数を占める。理由がまたふるっていて、高齢者に言わせると「パンツの下だから」、20代に言わせると「パンツの上にあるから」だそうである。なるほど。これなら一般的な感覚に合致する。合致するのか?

 さて、ではパンツの下になる足の境目はどうだろう。足がどこから始まるのかについて、上の臍の定義に倣うと、
 「パンツの股繰りからはみ出している部分より下」
 となるであろう。そうすると、Tバックをよく穿く20代を中心とするであろう若い女性は「腰骨より下」と答え、ズロースを穿くような年齢の女性は足の定義は「股から水平に引いた平面より下」と答えるかもしれない。
 いやいや、早合点は禁物である。ここはちゃんと辞書を調べてみよう。足の定義は、
 あし【足・脚】:動物の胴に付き、歩行や体を支える部分。特に、足首から先の部分。
 であり、その付け根である腿は、というと、
 もも【股・腿】:足のひざより上部の腰に連なる部分。大腿(だいたい)。
となり、では腰は、というと、
 こし【腰】:人体で、脊柱(せきちゆう)の下部から骨盤のあたり。
だそうである。
 してみると、腰は骨盤までを言うのであるから、そこに連なる部分より下が太股となるのであろう。そう考えると、その境目である尻はどうなるのか。腰に入るのか、足に入るのか。またまた辞書を引く。
 しり【尻・籘】:両足の付け根の後方、肉が豊かについているところ。籘部(でんぶ)。けつ。
 ということは、尻は足に入りそうである。どうも辞書を調べた限りでは20代を中心とするであろう若い女性に軍配が上がることになった。いや、勝ち負けの話なのか?

 では、尻と太股の境目はどこにあるのであろうか。辞書の定義によると、「肉が豊かについているところ」が尻になる。そうすると、太股がそのまま尻に連なっているような場合はどうなるのか。

 ところで、そもそも何故このようなことに疑問を抱いたのかというと、最近尻と太股の境目について疑問を感じたからなのである。
 脂肪がついて、というよりもはっきり言い切れば「垂れていて」境目がはっきりしている場合ならいざ知らず、若い女性の場合どこまでが脚部たる太股なのか判別しにくいことがある。
 例えば先日通勤途中に、自転車で登校中の女子高校生を見かけた。今にも漕ぎ出そうとしてペダルに掛けた足に力を入れ、信号待ちをしている彼女の、ミニスカートからはみ出した太股の上端の丸みが目を引いた。
 尻が見えているのではないか。
 途端に視線を固定する強烈な力が働いた。いやいや、そんな話ではない。これは純粋に学問的な興味なのだ。どこがだ?
 その見えている部分はどっちなのだ。

 股と尻の境目、それは年齢が上がるに従って分かりやすくなるのであろうか。若い女性の場合、境目は分かりにくいのであろうか。
 いっそのこと、若い女性の場合には、股と尻を区別せずに新しい名詞を付けてしまうという手もある。股尻というのである。安易かも知れないがそのものズバリである。

 このように話を展開してくると、若い女性でなくとも股と尻との境目がない人もいるとのご指摘があるかもしれない。しかし、これは若い女性でなくてはならないのである。娘に限るのである。なぜなら昔から、

 股尻娘

 と言うのだから。

 それをいうなら桃尻娘だ。


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