NAKAHASHI Yoshio


NAKAHASHI Yoshio
($Src: see link-anchor)

中橋愛生 (Yoshio Nakahashi, 1978-) [Official] [tw] [ja]

Nakahashi : Wind orchestra (2010)

for Symphonic Band
陸上自衛隊 第15音楽隊 [ja] 委嘱編曲

Musical score

Rental: Brain Music: YDAM-E02

Instrument-s

1~ Picc, 2 Fl, 1~ Ob, 1~ Cl(Es), 6~ Cl(B), 1~ Bas.Cl, C.Bas.Cl[+] ,1~ Fg, C.Fg[+];
1~ Sop.Sax, 2 Alt.Sax(2=[+]), 1~ Ten.Sax, 1~ Bar.Sax;
5~ Trp, 4~ Hrn, 3~ Trb, 1~ Euph, 2~ Tuba;
Cb[+]; Pf;
5 Perc (1 Timp(As), BDrum, SDrum, 4 TomTom, Tamb, Cym, Sus.Cym, 2 Trgl, TamTam, TBells, Mar, Xyl, Vibr, Glsp, KbdHarmonica, 2 WBlock, WoodenFish, Chain, 2 Whistle, 2 SlideWhistle);

[+]=OPTIONAL

Contents structure

Pictures at an Exhibition; arrangement for Symphonic Band; arr. by Yoshio NAKAHASHI
musictitleTr.pos.description
[P1]プロムナードPromenade0冒頭はPfと2Cl. 金管群が応答.
attacca
[Gnomus]I. こびとGnomus0
[P2]プロムナードPromenade0attacca
[castello]II. 古城Il vecchio castello0
[P3]プロムナードPromenade0attacca
[Tuilleries]III. テュイルリー (遊んだ後の子どものけんか)Les Tuileries (Dispute d'enfants après jeux)0
[Bydlo]IV. ビドロBydło0冒頭ff.
[P4]プロムナードPromenade0attacca
[Balet]V. 殻をつけた雛鳥の踊りBallet of the Little Chickens0最後は2回鳴く.
attacca
[Samuel]VI. サミュエル・ゴールデンベルクとシュムイレSamuel Goldenberg und Schmuÿle0最後は C-Des-B-B.
[P5]プロムナードPromenade0冒頭はsolo Trpに各楽器が絡む. 全奏が応答.
attacca
[Limoges]VII. リモージュ 市場 (重大なニュース)Limoges. Le marché (La grande nouvelle)0attacca
[Catacombae]VIII. カタコンブ (ローマ時代の墓)Catacombae (Sepulcrum romanum)0attacca
[mortuis]死せる言葉による死者への呼びかけCum mortuis in lingua mortua0
[Baba]IX. 鶏の脚の上に建つ小屋 (バーバ・ヤーガ)The Hut on Hen's Legs (Baba-Yaga)0attacca
[Kiev]X. キエフの大門The Heroic Gate (in the Imperial City of Kiev)0冒頭f.

※Tr.pos.=Transposition(移調)列の表記は半音単位. -1は原曲より半音低い.

Performance-s

中橋編「展覧会の絵」演奏歴
dateplayertitlevenuedescription
2011.02.04T19:00柴田昌宜 : 陸上自衛隊第15音楽隊第1回 定期演奏会沖縄コンベンションセンター劇場棟Premiere(初演)
CD: I-Love-Wind-Music: SRKL-128
2011.11.30T18:00新田ユリ : 東京佼成ウィンドオーケストラ公開録音 for 2012.01.22 NHK-FM「吹奏楽のひびき那須野が原ハーモニーホールBroadcasts
2012.03.31加藤優(?) : 神奈川県立厚木西高等学校 吹奏楽部第25回定期演奏会神奈川県 厚木市文化会館(?)$Src:@napp_comp
2012.05.06T14:00@ : 西武学園文理中学・高等学校 吹奏楽部第22回定期演奏会埼玉県 所沢市民文化センター«ミューズ»: 大ホール«アークホール»$Src:@napp_comp
2014.06.29T13:30樫野哲也 : 拓殖大学麗澤会総務局吹奏楽部サマーコンサート 2014 [flyer]東京都立 多摩社会教育会館: ホール(抜粋)
2014.08.16T14:40樫野哲也 : 拓殖大学麗澤会総務局吹奏楽部平成26年度東京都大学吹奏楽コンクール(第62回全日本吹奏楽コンクール予選) #14東京都 江戸川区総合文化センター: 大ホール(抜粋)
$Src:1,2,3
2015.06.28T14:30武田晃 : 陸上自衛隊中央音楽隊第145回定期演奏会 [※事前応募制]東京芸術劇場: コンサートホール (東京:池袋)
2015.11.23T14:30石郷岡信成 : 東北大学学友会吹奏楽部第37回定期演奏会[fb]: 第3部東北大学(川内南キャンパス) 東北大学百周年記念会館«川内萩ホール»
2017.03.26T18:00古川諭 : 東京都立昭和高等学校 吹奏楽部[tw]第15回定期演奏会: 第3部 [flyer]府中の森芸術劇場: どりーむホール (東京:東府中)(抜粋)
$Src:1,2

Materials

楽譜

YDAM-E02
p.0
INSTRUMENTATION
Piccolo (1 player over)、Flute (I&II)、Oboe (1 player over)、Bassoon (1 player over)、Contrabassoon (option)、
Clarinet in E♭ (1 player over)、Clarinet in B♭ (6 players over)、
Bass Clarinet in B♭ (1 player over)、Contrabass Clarinet in B♭ (option)、
Soprano Saxophone in B♭ (1 player over)、Alto Saxophone in E♭ (I,II=option)、
Tenor Saxophone in B♭ (1 player over)、Baritone Saxophone in E♭ (1 player over)、
Trumpet in B♭ (5 players over)、French Horn in F (4 players over)、Trombone (3 players over)、
Euphonium (1 player over)、Tuba (2 players over)、String Bass (option)、Piano (1 player)
Percussion (5 players)
 <1> Timpano, Glockenspiel (3,4,5と共有), Snare-Drum, 4 Tom-Toms, 2 Triangles, Crash-Cymbals, Tam-Tam (3と共有)
 <2> Bass-Drum, Wood-Blocks, Keyboard-Harmonica
 <3> Glockenspiel (1,4,5と共有), Suspended-Cymbal (4,5と共有), Tam-Tam (1と共有), Tambourine, Chain, Whistle, Slide-Whistle
 <4> Marimba, Xylophone, Glockenspiel (1,3,5と共有), Vibraphone (5と共有), Suspended-Cymbal (1,3,5と共有)
 <5> Glockenspiel (1,3,4と共有), Vibraphone (4と共有), Tubular-Bells, Suspended-Cymbal (1,3,4と共有), Moku-Sho(木柾), Whistle, Slide-Whistle
Duration : approximately 32 min.
委嘱:陸上自衛隊第15音楽隊
  • Timpano = singular of Timpani. 唯一[castello]にて使用(調律:As). この編曲では、Timpani的な役割はTom-Tomsが担う.
  • Percussion #3 の Suspended-Cymbal は「1,4,5と共有」が正しい.
  • p.1
    à Japan Ground Self Defense Force 15th Brigade Band
    組曲<展覧会の絵>
    Pictures at an Exhibition
    arrangement for Symphonic Band
    作曲:M.ムソルグスキー
    編曲:中橋 愛生 (2010)
    Modest MUSSORGSKY (1839-1881)
    arr. by Yoshio NAKAHASHI
    プロムナード Promenade
    [楽譜]

    編曲者の言葉

    Twitter @napp_comp
    27590209587642369 (2011.01.18)
    ちなみに中橋編「展覧会の絵」はラヴェル版からではなく、ピアノ版(部分的にホロヴィッツ版)からの編曲。
    YDAM-E02
    p.0
    <この編曲について>
     「展覧会の絵」については、今さら解説を付すまでもないだろう。原曲はピアノ独奏曲であり、多くの人物による管弦楽編曲(特にモーリス・ラヴェル版)によって広く知られている。
     吹奏楽でも演奏機会は多いが、そのほとんどはラヴェル版をトランスクリプションしたもの。今回はそうではなく、ピアノ独奏版から直接、吹奏楽に編曲したもので、吹奏楽でしか表現しえない色彩を目指した。同様に吹奏楽独自の編曲を行なったものでは他にジョン・ボイド版や高橋徹版、林光版などがあるが、それらとの解釈の違いも楽しんで頂けると幸いである。
     編曲に際しては、いわゆる原典版と呼ばれるピアノ独奏のための楽譜を参考にした。ラヴェルによる管弦楽版はリムスキー=コルサコフによる改変が行なわれたピアノ譜を参考にした、というのはよく知られている。そのため、原典版に基づいた結果、主にダイナミクスにおいて大きな相違が見られよう。また、部分的にウラディミール・ホロヴィッツの解釈や装飾を取り入れている。ホロヴィッツによるピアノ演奏は、この曲が広く知られるようになったきっかけとして知られるもので、それに対する一種のオマージュである。
     以下、各曲における編曲上の意識を綴る。
    <第1プロムナード>
    ホロヴィッツへのオマージュ。原典版にはダイナミクスの変化は記されていないが、ホロヴィッツの解釈に倣って付加している。
    <こびと>
    冒頭の動きでピアノ他に見られるのはホロヴィッツ版の改変。他にも随所でホロヴィッツ版の装飾を組み込んでいる。
    <第2プロムナード>
    シンプルな音色グループの推移を軸に、若干のエコーを追加。
    <古城>
    唯一、タイトルがイタリア語で記された曲。「中世の城の前で歌う吟遊詩人」とのことだが、原曲の歌の音域は男声には高い。そこで、より「吟遊詩人の歌」に近づけるため、原曲より1オクターヴ下げた。一般にモデルとされた絵は「チェルノモールの城」だとされているが、團伊玖磨はフランスの古城を描いた「ペリギューの風景」ではないかと述べている。ここでは後者を採り、フランスのシャンソンの香りを加味するためアコーディオンの模倣も行なった。
    <第3プロムナード>
    重々しいロシアの鐘をイメージ。
    <テュイルリー>
    一貫したリズムに重心の変化を与えた。また、「けんか」のためにモチーフ間の性格の対比を明確に。
    <ビドロ>
    タイトルはポーランド語。「牛車」とのことだが、題材となった絵は発見されていない。「ビドロ」には「家畜のように虐げられた人々」という意味もあり、圧政に苦しむ民衆を描いた「ポーランドの反乱」が題材ではないか、との説がある。これが本当かは分からないが、その説を採った。終始、抑圧された強さを持たせることを留意。リムスキー=コルサコフ版(およびそれを参考としたラヴェル版)はピアニシモで開始されるが、原典版はフォルテシモで開始される。
    <第4プロムナード>
    折り重なるフレーズ群に堆積形のオーケストレーションを。
    <殻をつけた雛鳥の踊り>
    「雛鳥」は複数形。そこで、たくさんの雛鳥が駆け回る錯綜感を出すことを心掛けた。コーダの直前の2小節間はラヴェル版ではカットされていたが、今回は採用。「金持ち」と「貧乏」の対比も勿論だが、「貧乏」の内部でのフレーズ間の対比も心掛けた。
    <第5プロムナード>
    第1プロムナードとよく似ているためか、ラヴェル版ではカットされたもの。今回はラヴェルへのオマージュ。ラヴェルが第1プロムナードに付したアーティキュレーションは独特だったが、今回それを強調している。
    <リモージュ 市場>
    とにかくゴチャゴチャしているので、特定のモチーフには決まったオーケストレーションを与えることで「発言者」を明確にして対話(けんか)させた。ラストには「ウェスト・サイド・ストーリー」よろしく警官が登場。
    <カタコンブ>
    移ろいゆく和音の陰影関係に留意。途中の葬送ラッパには、西洋の葬儀のときの風習に倣ってベルを黒い布で覆うように指示されている。
    <死せる言葉による死者への呼びかけ>
    16分音符で刻むピアノはホロヴィッツ版による。
    <鶏の脚の上に建つ小屋>
    雷鳴や稲光など、雷のイメージ。
    <キエフの大門>
    tutti によるフォルテに段階を持たせることに留意。後半は壮大なカンパノロジーを目指した。終盤はラヴェル版と同様に、大編成での強奏に耐えうるよう小節構造を拡大している。