12月11日(火)
〜閑散とした成田空港〜●1、空港までの「小旅行」
この旅行に限らず、凡そ関東地方に住む全ての日本国民にとって、「海外旅行」は成田空港までの「小旅行」を必ず伴う。そこで、空港まで大型スーツケースをどのようにして運ぶのかを含めて交通手段には常に悩まされるわけだが、私は普段なら荷物別送サービスを利用することにしているものの、今回は身支度が遅くなってしまったので東京空港交通(株)のリムジンバスを利用。飛行機の出発時刻は午後8時30分で、航空券の受け取りやテロ事件関連の警備強化に伴う出国手続の時間を考慮して、午後3時台のバスに乗車した。
リムジンバスは都心と成田空港を1時間強で結んでおり、午後5時前には空港に到着。途中、首都高速湾岸線の江戸川付近を走行中、横風にバスが煽られてやや左右にフラついたりし、一番前の席で前面展望を愉しんでいた私としてはやや不安に駆られたりもしたが、結局目立った渋滞に巻き込まれることもなく、むしろ少し早すぎる空港到着になってしまった。もっとも、旅行には不測の事態がおこりがちだし、私は空港で飛行機を眺めるのも好きなほうなので(空港の検問はディスニーランドの入場ゲートのように「非日常性」を演出しているではないか!)、時間をもてあますことも無かったのだが・・・。
早めにチェックインを済ませ、高コスト体質と思いながらも空港第2ターミナルビル内のレストランで食事。「これから10日間は日本人特有の繊細な料理には会えないのだ」ということで、三越レストラン(空港第2ターミナルビル)でクラブハウスサンドイッチをほおばった。御値段もなかなかだが、そこは日本。絶妙な厚さのトマトやキュウリが全体のバランスをとり、ハムは自己主張を控え、全部食べても腹八分目になって美味しかった。●2、閑散とした成田空港
さて、夕食後搭乗ゲートに向かうべく出国審査に出向くと、予想に反して審査場はガラガラ。10以上あるブースはほとんど全て閉鎖され、1ヶ所だけが「営業」しているが、それでも列は長くならない。これほど旅客が少ない成田空港の出国審査場も珍しいが、単に平日の夕方で発着数が少ないからなのか、それとも9月11日の同時テロ攻撃事件の影響なのか。審査前の手荷物検査・身体検査も普段通りで、特段警備が厳しいという印象は受けなかった。概して「危機管理」や「警備」には甘い我が国であるが、こと成田空港に関しては、元より空港反対過激派の破壊活動を防ぐため普段からそこそこ警戒態勢がとられており、それで十分ということなのだろう。入国審査官に旅券(パスポート)を手渡し、ものの数秒で手続は済んだ。
出国審査を終えた後の第2ターミナルビル内には、低価格で映画を楽しめる個人鑑賞コーナーもあるのだが、審査前に時間を費やしていた私は今回はそこの御世話にはならず、歩いてE-70番ゲートへ(ちなみに、その他に時間つぶしが出来るコーナーとして「厚生労働省の感染症に関するブース」があり、ここには赤痢その他の感染症に関する無料パンフレットが多数置いてあるので、暇なときはそれを数種類とって読むと勉強にもなる)。第2ターミナルビルは母屋とサテライトとの距離が長いため新交通システムで結ばれており、最大4両の黄色い車両が行き来しているのでそれに乗った。もっとも、車両をよく観察するとわかるように、この新交通システムは法律上「鉄道」でも「軌道」でもなく、「水平方向に走るエレベーター」との位置付けになっている。●3、カンタス22便でシドニーへ
午後7時50分、E-70番ゲートからカンタス機に搭乗。
驚いたことに、この日の機材はボーイング747-200型機で、いわゆる「ジャンボ機」ではあるが最新型の「747-400」(ダッシュ400)ではなかった。機内誌を見るとカンタス航空は45機の400型機と4機の200型機を保有しているということで、何故ドル箱の日豪路線に敢えて旧式機を投入しているのか、カンタス側の意図を量りかねた。もっとも、逆に言えば、この200型機はどこかしら最新機種には無い「古めかしさ」があって、今では逆に「貴重な機体」なのかもしれない。最近の旅客機は技術革新でエンジン騒音も低下し、離着陸時のジェット噴射も大人しくなってきているが、その点この747-200型機はきちんと「噴射」して離陸をした。
搭乗したカンタス航空QF22便はシドニーゆきの直行便で、飛行時間は約8時間と距離的には中距離。しかも、日本と豪州とでは時差が(夏時間ベースで)2時間しかなく、飛行機の中で睡眠をとればちょうど翌朝にはシドニーで1日使えることになる。この日の搭乗者数は少なく、私一人で3人分の座席を占有することが出来たので、珍しく良く眠れた。
今回の旅行はカンタス航空の関連会社が発売する格安航空券を購入したのでカンタス航空利用となったが、ではそのカンタス航空のサービス水準が「素晴らしいか?」と問われると実は必ずしもそうではない。荒野を駆けるカンガルーをデザインした機体の塗装は魅力的だが、機材そのものは前述したようにやや古く、そして機内もまたそれに準じて古い。飛行機では毎度御馴染みの「緊急時の行動デモンストレーション」も、最近ではほとんど全ての航空会社が(ヴァリグ・ブラジル航空でさえ!)機内ビデオ放映に合理化されたのに、カンタスの200型機ではまだ客室乗務員が実演していた。機内食も平凡で、一昔前の「不味い機内食」を彷彿とさせるものがある。カンタスは、日本航空のように元々「フラッグキャリア」として国家的に保護されていた会社であるだけに、そうした「官営体質」がまだまだ残っているのであろうか(もっとも、機内サービス向上のインセンティブとなるべき競争が、カンタスとアンセットの二大グル−プで寡占化している豪州航空市場では難しいのかもしれない)。
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