エピローグ 永遠の一刻館
一刻館の全員がアパートの前に立っていた。
「本当に行かなくちゃなんないの?」
一之瀬さんが質問した。
「当然じゃん、ウチの旦那、もう帰って来てるからさあ」
朱美さんは笑いながら言った。
「二階堂さんまでも引越しするなんて・・・思いも寄りませんでしたわ・・・」
響子さんは寂しそうに言った。
「僕だってここはとっても離れ難いですよ!けれど会社が僕を別の土地に転勤しろって命じたんですから、
どうしようもないでしょう!」
二階堂くんは荷物を手にして言った。
「僕が住んでた部屋ですけど、暇が出来たら戻って来て泊まりますから」
「次に来たら、きっと仲良くしてあげますね」
四谷さんは言った。
「僕もですよ!」
「だけどさあ・・・こんなオンボロなアパートを借りる人なんていないと思うよ?」
朱美さんは笑いながら言った。
「それもそうだ・・・」
五代くんも釣られて言った。
「裕作!」
「はは!ごめん」
「それじゃあ、さようならを言わなくちゃね、春香ちゃん」
二階堂くんは春香ちゃんと握手した。
「さようなら、皆さん」
「さようなら・・・・」
五代くんは響子さんに寄り添った。
「悲しがらないでよ、僕らがお別れするんじゃないんだし、また機会が有ればみんな揃うさ」
「分かっているわ・・・」
全員が屋内に戻ろうとした。
「いっ・・こく・・・かん・・・・」
「何か言った?」
五代くんは振り向いて響子さんを見た。
「いいえ・・・何も言っていないわ!」
響子さんは首を振って否定した。
「いっ・・・こく・・・かん・・・・」
響子さんの胸の中から再度、声が聞こえて来た。
「春香なのかい?・・・春香がついに覚えて言った初めての言葉なのか?」
五代くんは興奮して言った。
全員が春香ちゃんを取り囲んで、彼女をあやした。
五代くんと響子さんは温かく、そして優しく娘を見詰めた。春香ちゃん、ここが私達のお家なのよ・・・
ここはね、パパとママが初めて会った場所なの・・・・
あなたはここで成長して・・・
人間としての楽しさと悲しさを享受していって・・・
それから愛する人と出会い、その人と結婚して・・・・
あなたの子供がまた子供を産んで・・・・
その時に、あなたが一刻館で起きた昔の出来事を子供達に伝えていってね・・・
一刻館の色々な物語を教えてあげてね・・・・・・・・・・・・・
めぞん一刻 桜が満開の季節の中で 完
後書き
この作品は半年の時間を費やして、ようやく完成しました。 1万字を超すとは想定していましたが、最終的には結局2万字以上とは予想を超えており、当初は思いも寄りませんでした。 しかし実際振りかえって見ると、八神さんとこずえちゃんの登場、三鷹さんと明日菜さんの感情の問題、最終話に登場するもう一人の春香ちゃんなどなどのように、作品を執筆中に、新しい奇抜なアイディアがふつふつと湧き出してきました。 それらは全て突然閃いたのです。 この作品を執筆中に私は多くの事を学び、身に付けました、皆さんが気付かれたかどうか分かりませんが、物語の中盤にその時々の気持ちを引き立てるために光景の描写を絶えず試してみました。 登場人物の会話の面でも敢えて言わせて貰えれば、彼らのセリフ一つ一つ全ては私の深く考えて熟考したもので苦心して考え抜きましたものです。 これら以外に、細かな一節一節に物語の雰囲気と気分を制御する手法も学び取りました結果、最後の数話はやたらと長ったらしくなってしまいました。(その前話のほぼ2倍!)もしも何か遺憾な点として言わせて貰えるならば、登場人物各個人の性格を把握できていなかった点であると思っております、響子さん、五代くんは無論の事、まだその他の登場人物の性格描写、特に八神さんとこずえちゃんについて、多くの至らぬ箇所がありました。 これらは皆全て、私の幼稚な執筆技巧によるものであり、私も頑張って各個人の独特な性格をはっきりと目立たせようとしたにも関わらず、結局は無力感を感じる結果となりました。物語の中で、熱い涙が零れ落ちるとまでは至りませんが、多くの感動を得られるであろう、大変多くの感情移入を挿入しました。これらはひょっとして誰一人として気に入って頂けないかも知れませんが、私の性格に反してこんなに多くのセンチメンタルな場面を書く事になりましたが、すべてそれがすなわち私のスタイルであります。この物語の中で、私は各登場人物の心理描写を特に重視し、それ故に回想シーンを異常に多く用い、少なからず原作の状況と場面を用いました。 その上その中で、三鷹さんと明日菜さんの感情の一線、一之瀬さんの心情などなども、ただざっと持ち出しましたが今一歩上手く描写できず、それが心残りです、ただし私が終始望む物語には一つの明確なテーマがあり、それらを放棄する事に躊躇いを覚えませんでした。
最後に、私の入力速度が遅いが為に物語を一話完成させるのに丸一日を費やしてしまい、加えて学業の面で繁忙な生活により、更新の時間が伸び伸びに遅くなりましたこと、本当に申し訳ありませんでした。皆さんがずっとこの小説を見捨てずにいてくれたことに、本当に感謝しております。もしもこの小説に対して何かご意見がございましたら、他の方のこの小説に対する見解を是非知りたいと思っておりますので、どうぞ掲示板をご利用下さい。(中国語もしくは英語にてお願い致します)本当にありがとうございました。2002年2月17日
熊猫