RASCALが復活!!

DARPAにて開発が行われ、一時中止していたRASCALの開発が復活したそうです。

宇宙関係誌の報道によれば、10〜20kgの小型衛星を打ち上げる手段としてコンセプトが復活、DARPAが開発予算をSpace Launch Corporationへ与えるそうです。ABSLによるマイクロ衛星打上げシステム構築へ向けて、現実味が増して来ました。

 
当面目標のRASCAL

空中発射母機としてF-4Gファントムを使用することが決定したそうで、段階的な開発に転換した模様です。つまりF-4Gファントムで技術を確立、実績を挙げた後に下図の空中発射母機も製作する方向性を考えている模様です。まずは小型で実践。次に大型化と技術積上げ方式を採用しているのではないかと思われます。


将来のRASCAL

RASCAL開発の背景

RASCALは当初、戦闘機に使われているGE社製のF-100エンジンを4機使い、さらに機体を新規製造する方針でした。しかし、資金的・開発的リスクの観点から実現へのロードマップへ障害が発生したのではないかと思われます。そこで「打ち上げ能力は落ちるが航空機は既存機(F-4G)を使おう」という発想になったと思われます。

RASCALのファミリゼーション化か?

しかしそれは開発縮小という見方だけでは分析が十分でないと思われます。今後の打上げ手段において、これらの動向から推察すると、RASCALは様々な衛星の大きさや重量に対して最適の打上げ手段を提供できる方法を考えているのではないでしょうか?つまり、F-4Gを使ったABSLで10〜20kgという超小型衛星に対応した打上げ手段をもたらします。これをSmall RASCALとあえて呼びましょう。

そして次の段階のRASCALで100〜150kg程度を狙います。この時点での打上げ目標価格は公的資料によれば1億円以下です。

こう考えると、10kg級と100kg級の小型衛星打ち上げ手段として『ファミリゼーションRASCAL』を狙っているのではないでしょうか?そうなるとRASCALは様々な打上げニーズに対応でき、打上げ手段としても競争力が持てます。

さらに、エアワールド2005年9月号エアワールド2005年11月号から、海外ではABSL(Aircraft Based Satellite Launch)時代へ突入したと考えても過言ではないでしょう。

まさしく、打上革命へ向けて「既存機」と「ロケット」を使ったABSLシステムの構築が進んでいます!!今後の動向が楽しみですね。

<補足>

★RASCAL:Responsive Access Small Cargo Affordable Launch (小型の貨物(衛星)を手ごろな価格で即時に宇宙へ送り込める打上げ手段)

★ABSLシステム:Aircraft Based Satellite Launch(航空機ベース衛星打上げシステム)

DARPA:米国防総省国防高等研究計画局、宇宙に限らず様々な技術開発を行う研究機関。無人ロボット自動車レース「DARPA Grand Challenge」を実施したり、ICチップの基本技術を開発したりと研究開発の幅は広い。

(2005.9)


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