マングリッシュの法則7
Canの使い方
Canです。マレーシアで本当によく耳にする、Can。
意味は、標準英語の「〜できる」「〜してもよい」というのと変わらないけれど、
使い方に特徴がある。
- Canを含む文では、主語を省く。
主語なしで、いきなり「Can get this one
for free
あー(下げ調子).」(これはただだよ。)という使い方をする。(この場合は主語のYouが省略されている。)
Canを使った疑問文は、「Can
use this phone あー?(上がり調子)」(この電話使ってもいい?)(この場合は、Canの後に、Iが省略されている。)
なぜかCanの文は、「らー」じゃなくて、「あー」と相性がいいみたい。
「(〜しても)いいですか?」という時、英語で「May
I?」と言ったりするけど、マレーシアでは
「Can あ?」。
- Canの否定形は、「Cannot(キャノット)」と言う。
イギリス英語が一応基本のマレーシア。でも、あの特徴的な「Can't→カーント」という発音をする人は
ほとんどいない。「Cannot」が多いのです。これは多分、最後のtは聞こえにくくてどっちか
分かりにくいから、一発で分かる「Cannot」を使うようになったのだろう。
- Canを使った疑問文に対して、YesやNoで答えず、「Can」「Cannot」と答える。
「〜じゃないの?」というような否定疑問の答えが、日本語と英語では「はい」と「いいえ」が逆になってしまって誤解が起こりやすい。というように、母国語が違うもの同士のコミュニケーションでは、誤解が起こりやすいので、起こる余地のない「Can」「Cannot」を使うようになったのだろう、多分。
「Can
I use the
bathroom?(トイレお借りしてもいいですか?)」
と聞くと、
「キャー―ン!」
とか元気よく答えられちゃいます。そして、
- Can
canと重ねて使うことが多い。
マレー語では、単語を繰り返すと複数形になったり動詞になったりする。(sama-samaとかjalan-jalan
など。)そんなマレー語にひきずられてなのか、Canを使った疑問文の答えで、「Can can」と繰り返して使う人が多い。
「Can I use the
bathroom?(トイレお借りしてもいいですか?)」
「キャンキャー―ン!」とかね。
気持ちとしては、「どーぞどーぞ。」と快く答えている感じ。
- 人ではないものが主語になる。
例えば何かの予定を決めようとした時、「今日はどう?」と提案すると、
「No, I'm busy today. Next week can あー。」
という感じで、なんだか主語が変になっちゃってる。というか、主語とか関係なく、言いたい単語だけを
並べているだけなのかもしれない。これだけで言いたいことはすべて伝わってしまうという事実に気付くと、
「今まで勉強してきたものはなんだったんだー」と嘆きたくなるというものよね。
さあ、今日からキャンキャン言ってみよう。そしたらあなたもほんの少し
マレーシア人に近づいたかも(?)。
Finished (already).=在庫がありません。
お店で、
「この前まではここにあったのに、欲しい今日に限って見当たらない、おかしいな〜」
と思って店員さんに、
「Do you have ○○?」
と聞くと、やけにきっぱりした調子で、
「Finished.」
と言われた。わたしは、
「え・・・Finishedってどういうことだろう。終わった・・・?生産中止?」
と混乱して、更に聞いてみると、なんてことはない、在庫切れだったのだ。標準英語では、
「It's out of stock.(品切れです)」とでもいうところだろう。
マレーシアでは、在庫管理がどうなっているのかよく分からないけれど、欠品が出ると、しばらくずっと
そのままになっていることも多く、よって、この、
「Do you have ○○?」
「Finished.」
という会話が繰り返されることになるのである。バリエーションは、
「Finished.」「It's finished.」「Finish already.」など人によって多少違うけれど、みんな
「Finish」が入っている。
Jan 5, 2004
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