マングリッシュの法則8

〜建物編〜

bungalow=一軒家

今、KL近郊では、多くのコンドミニアムや建売住宅が建設されていて、そのようなプロジェクトの 大きな宣伝広告の看板があちこちで見られる。そこには、"Semi-Ds and Bungalows"とものすごく大きな字で 堂々と書かれていたりするので、もう当たり前のような気がしてしまっていたのだけれど、よく考えてみれば、 「Bungalow=一軒家」というのはマングリッシュだろう。
わたしの手持ちの辞書を引くと、一軒家は「detached(independent) house」となっている。でも、 マレーシアでは絶対にそんな言い方はしない。誰が何と言おうと、「bungalow」または「bungalow house」 である。
次に、「bungalow」の意味を調べてみると、「ベランダのある別荘風の木造の平屋」とある。別の 辞書には、「(インドで)一階建てでポーチつきの家」とあった。でも、マレーシアでは、何階建てで あろうと、石造りであろうと、とにかく一戸建てはすべて「bungalow」である。



shift=引越しする、移転する

標準英語では、「引越しする、移転する」ことは「move」という単語で表す。例えば、「わたしたちは、 東京から大阪に引っ越しました」なら、「We moved from Tokyo to Osaka.」と言う。
でもなぜか、マレーシアでは「move」ではなくて「shift」を使う人がとても多い。標準英語の「shift」には 「移る、位置を変える」という意味はあるが、引越しのように、一時的ではなく、少なくとも しばらくの間は身を落ち着ける場所へ移る時には使わないようである。
それでも、今日も店のチラシには、「We've shifted !(移転しました!)」 と書かれていたりする。



階の数え方

前も書いたけれど、マレーシア英語は、一応イギリス英語が基本である。
だから、階の数え方は、「1階、2階、3階」が「the ground floor, the first floor, the second floor」 となる。アメリカでは、「the ground floor, the second floor, the third floor」となるので、 イギリスの「the second floor」は日本語では「3階」、アメリカでは「the third floor」とずれが 生じる。でもこれだけだったら、別にマレーシアはイギリス式なだけであって、マングリッシュでもなんでも ありません。
でも、時々マレーシア特有と思われる言い方に出会う。それは、「level」。例えば「Level 3」で「3階」 ということになっている建物があったりする(エレベーターのアナウンスで、そう言っている。) 調べてみると、標準英語でも、「level」を「階」という意味で使うことはあるようだが、 「a museum built on three levels(高さの違う3つの敷地に立つ美術館)」のように、「建物全体の階」 を表す時に使い、個々の階を表す時にはあまり使わないようである。
それから、これは英語の問題というより、習慣の違いから来ていることだと思うが、建物によっては、 「4」がつく階がないところがある。例えば、下から順番に、「Ground, 1, 2, 3, 3a, 5・・・」と なっていたりする。そういうところでは、「13」の次は、「13a」である。13が続くなんて、欧米人に とってみれば不吉な感じがするのかもしれないけれど、「4」は日本人にとって「死」に通じるから 不吉であるのと同じように、中国語でも「四」は「死」に通じる音として嫌われている。 だから、テナントが入らないことをおそれて、4を避けるビルもある、ということらしい。

参考文献:研究者カレッジライトハウス英和辞典、Webster's New World Dictionary
Mar 11, 2004


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