国際サバイバル道場
開拓魂、自然への順応、先住民との共存
南米の伝統と誇りを守る牧童たち
ガウチョとガウチョ哲学
El Gaucho y su Filosofia de la Vida
労苦と悲嘆のはざまで生きていかねばならない者は、人生の経験を豊かに積み重ねていく。
なぜなら、苦しみと悲しみ以上に優れた教えを授けるものはないからだ。
-------------------
危機を克服し、いかなる奈落からも自分を救い出すもの。それは人間が内に秘める信念の力である。
信念は剣よりも優れ、槍よりも堅固なる武器となる。
(ホセ:エルナンデス著 『マルティン・フィエロ』より)
ガウチョと農民たちは都会に住む人間たちよりもずっと人間が上だ。
ガウチョはいつも気前が良く、親切で、客を持てなす精神を持っている。
無礼な者や、不親切な者は見たことがない。
自分と自分の国について話すときには非常に謙虚だが、
同時に無鉄砲で勇敢でもある。
チャールズ・ダーウィン
ガウチョについて
ガウチョ(gaucho、ウルグアイではガウーチョ、ブラジルではガウーショと発音される)とは牧童のこと、南米のカウボーイたちだ。16世紀ごろから牛が持ち込まれ、広大な草原パンパで野生化した牛を捕らえる危険な作業に携わったのが、馬術に長じた勇敢なガウチョたちだった。現代でもガウチョは牧場で牛の管理に従事している。
「サムライ」が日本での勇敢な男の象徴とされるように、アルゼンチン、ウルグアイ、ブラジル等の南米では「ガウチョ」なのだ。アルゼンチン人は時に「ガウチョ」という言葉を「英雄」の意味を込めて使う。何かに長けている男を指すこともある。かつて牛を追って広大なパンパを移動していた時代には、ガウチョたちは常に大自然の危険と隣り合わせだった。そんな中では勇猛果敢な男でなければ生き残れなかった。
ガウチョは友情に厚く、助け合って生活していたことから、アルゼンチンで「あいつはガウチョさ」と人を評する時、「いいやつだよ」という意味合いもこもるという。
ブラジルの場合は、南部のリオグランデドスル州は、ガウーショの州とされ、この州の人間はブラジルではどこへ行っても職業に関係なく「ガウーショ」と呼ばれるが、当人たちはそう呼ばれることを誇りに思っている。それはガウーショたちがブラジルで一番豊かな地域だと云われる州を作り上げたからである。