- ブラジルの食文化 -
ラテンアメリカ文化 / 理想郷ブラジル 
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ブラジルの食文化

これはラテンアメリカを食べ歩く「花よりだんご」レポーターが紹介する体験記です。


 私が日本人以外の人を御馳走する時の日本料理は寿司、テンプラ、焼き鳥、すき焼きなどですが、私が日本に帰ったらまっ先に食べに行きたいのはそんなものではありません、それはラーメンなのです。(私の好みはどうでもいいって?)

 そのようにブラジルにもブラジル人が外国人をもてなすときの自慢の料理とまた別にブラジル人にとって懐かしい庶民料理、各地方の自慢である郷土料理、お祭りの時の懐かしい立ち食い料理、そして特定の人しか耐えられない特殊料理などがあります。

 しかし、実際ブラジルはヨーロッパやアジアからの移民が築いた国なので、あらゆる料理があり、そしてそれぞれの民族的な好みを吸収してしまったブラジル多国籍文化があるのです。 ブラジルにきてもマックドナルドばかり食べる進歩のない人をよく見かけますが(うちの子供達とそれに付き合わされる親父の私)、ブラジルの伝統料理や大衆料理を食べてみればブラジル人の喜怒哀楽の大半が判ります。そして本当の意味でブラジルが好きになれるのです。文化を知るためにはまず食べてみることでしょう。(そんなこと言って、誰か通風にかかったやつがいたんじゃないのか?)

写真:新任大使の歓迎会が行われたシュラスコレストランで、血圧が上がることを心配して警戒する某リーダーと何にも心配せずバクバク食べまくる懲りない某調整員 (ブラジリアのChurrascaria PAMPAにて、2002.7.19)

 1. シュラスコ Churrasco−ブラジル人が誇る南部の伝統−

 ブラジル南部のウルグアイやアルゼンチンに隣接した地域は牧畜業から発展した歴史をもち、ここの中心となるリオグランデ・ドスル州はガウショ(南米のカーボーイ)の州として有名です。そしてガウショたちの焼肉料理シュラスコ(シュハスコとも撥音する)がブラジルはおろか、世界的に人気を獲得しました。

 この料理はもともとガウショたちがいつも野外でたき火で肉の固まりをあぶって食べる簡単な食事スタイルだったものでした。それが多くの人が集まった宴会にサラダやパスタ、鍋物までのブラジルの料理をフルコースでならべて焼き肉と一緒に食べるようになったのが今ではシュラスコ料理として知られています。

 シュラスコ料理店の一般的システムは、まずサラダからライスやパスタ、煮物や炒め物などまでを並べている料理テーブルからセルフサービスで好きなものを取ってきます。これは取り放題、おかわりし放題といううれしいシステムですが、実は本命は、これらのサラダなどを食べている間に、ガルソン(給仕)たちが運んでくる焼きたての肉類です。これは肉の部分ごとの塊りが大きな串に刺されたのをテーブルの上で、お好みの量に切り取ってくれます。多くの店では、一面に緑色で裏面に赤色のカードが各自に添えてあり、肉を食べる時はこのカードを緑色にしておくと次から次へと持ってきますが、このカードを裏返して赤色にするともう運ばれてきません。チキンからスペアリブ、こぶ肉からアバラ肉など種類も多彩なので、一口づつ切り取ってもらい、一通り全部食べ比べてみるのがシュラスコの醍醐味です。おしゃべりをしながら時間をかけてゆっくり食べるのがラテン的な食べ方ですが、どうも日本人は一気に食べてしまい、あまり量は取れないのが一般です。

シュラスコ料理店の参考例

セルフサービスでいくらでも食べられるサラダバー、最近はここに刺身や寿司も置いている店が多い。 
肉は焼き立てのアツアツを店員たちがもってきてお好みの量に切ってくれる。(食べ放題で約10ドル)


 2. フェジョアーダ FEIJOADA −ブラジル人に懐かしい家庭料理−

 植民地時代にアフリカから奴隷として連れられてきた黒人たちは、白人たちが捨てていたブタの耳や鼻、足などを豆と一緒に煮込んだものをご飯にかけて食べる習慣がありましたが、これは栄養価も高く、暑さや重労働に耐えられる体力を与えてくれるすばらしいエネルギー源となりました。しかしこれを試した白人たちも「黒人たちはこんなうまいもの食べていたのか」と取り入れて人種に関係なくポピュラーになったのでした。

 この料理は栄養価が高いので週1回か2回が適当だとされ、どこのレストランでも木曜日か土曜日はフェジョアーダの日として料理し、その日以外は作らないのが普通です。つまりフェジョアーダは好きな時にいつでも食べられる料理ではないというのです。

 3. コミーダ・ミネーラ Comida Mineira−鉱夫たちの煮物料理-


 奴隷を労働力として大プランテーション時代に続き、ミナスジェライス地方で多くの鉱山が見つけられ、ゴールドラッシュ時代が続きました。 この鉱山には多くのヨーロッパ移民が鉱夫として集まり、ヨーロッパの鉱山料理から影響を受けさらに独自に発達したのがミナス料理です。特徴としては、全部焼き物の鍋に入れて料理される煮込み料理なのです。




 4. コミーダ・バイアナ Comida Baiana−海辺に生きる黒人たちの海産料理-


 ブラジルの一番重要な奴隷港だったサルバドルでは黒人たちの影響でカーニバルが発達し、そしてバイア料理が発達しました。

 このバイーア料理は、海老、カニ、イカなどの魚介類を食材とした煮込み料理です。 ココヤシミルクや、パームオイルなど独特の味付けが魅力です。





 5. アマゾン料理 Cozinha Amazonica  −ブラジルの本当のオリジナル料理-


 アマゾン料理こそ本当にブラジルのオリジナル料理だとまで言い切る人間がいます。それは、シュラスコ料理やフェジョアーダはヨーロッパ移民が持ち込んだ料理手法をアレンジされたもので、その他にバイーヤ料理なども黒人の料理手法やアフリカ伝統が入っていたりしていますが、アマゾン料理の場合は、まず基本となる材料が完全に地元原産で他では考えられない伝統的な処理過程を通して用意され、そしてそれが独特の料理となって使われるからでしょう。

 まず、アマゾン料理のベースとなるインディオたちの主食マンジョーカ芋(トウダイグサ科の多年性作物)はでんぷんに富んでいますが、厄介なことに酸性毒を含んでいますので毒抜きをしてから食用にします。
 まず、マンジョーカ皮をむき、板に小石や堅い木を埋め込んだおろし板でおろします。次にチビチと呼ばれる伸縮性のある筒篭につめ、伸び縮みさせながら脱水と毒抜きを同時にするのです。それを土鍋で、ベージュと呼ばれる大きなせんべい状のパンに焼き上げるか、煎ってファリーニャ・デ・マンジョーカといわれる粉末状のでんぷんをつくります。酸性を含んだ毒液は、ツクビイという調味料に加工し、肉や魚、小エビなどの味付けに。独特の風味をもったアマゾン料理に変身するといった具合です。

 アマゾン料理には、牛の糞のようなマニソバ、舌がビリビリしびれるツクピ汁、女性だけが好むタカカスープなどの変わった料理ソースで、巨大魚ピラルクや、ワニ、ピラニアや、巨大ネズミのカピバラまでジャングルに住むあらゆる動物を料理して食卓にあげてしまう伝統があります。


おすすめの一品:アマゾンの秘伝スープ:タカカ

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