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家に帰る途中のコンビニでプリンを買う。これが僕が日本に帰ってきてからの日課。 気付くといつの間にか七月。夏?
夏がくるのがいちねんいちねん早く感じるような気がするような、かといってしないような。 ところで、日本人は よく働く。朝から晩まで。こんなに残業が多いなんて思ってなかった。朝の満員電車、雨上がりのムスッとした空気、浴衣姿の女の子。あぁ、日本なんだなあ。 さて、なぜかアメリカには日本人がプリンと呼ぶデザートはなかなかお目見えする事ができない。すごく不思議。プリンが食べたかったら日本食専門のスーパーマーケットに行くか、水玉のエプロンが似合う女の子に作ってもらうしかない。あっ、そういやアメリカ人の女の子って料理しないなあ? アメリカでプリンに似たものは、例えばフレンチのクリームブリュレー(レを強く発音)がある。あれはフランス料理屋さんやThe
Madelineとかに行けば出会う事が出来る。日本のプリンと違って、カラメルの部分がかりかりしてこれはこれでかなりおいしい。パリで知り合いの中国系の女の子と一緒にお昼を食べに行ったビストロのクリームブリュレーは、芳醇な赤ワインで程よく酔った僕の舌にむにゅっとした感触とざらりとした甘さを与えてくれた。少女漫画に出てくる初めてのキスの味はこんな感じかな。この「ざらり」がフランスの少し濃いめのエスプレッソとよく合う。やっぱりパリは恋人たちの街。クリームブリュレーとエスプレッソのような恋人たちがシャンゼリゼをたくさん歩いていた。 日本のプリンは似てるけどちょっと違う。ざらりとしたクリームブリュレーのような甘さじゃなく、もっとお利口サンな甘さ。なんていうんだろう、いくらでも食べれるっていうのかな。クリームブリュレーは甘くてとても二つや三つは食べれない。 さすがに22になった男が仕事が終わって家に帰りおもむろにプリンを食べはじめるのは保健精神衛生上あまりよろしくない。お昼にテラスで食べるならまだしも、ほの暗い狭い部屋で一人プリンを食べるのはどうだろうか。でも、このアンバランスが日本なのかとふと思う。フランチ・ガールみたいな熱い恋をしようと思っても、日本の女の子はやっぱり殻をかぶるだけ。とてもとてもクリームブリュレーみたいなざらっとした、ちょっとけだるくなるような恋は無理。でも、たべてもたべても飽きない甘さ。そんな恋をする女の子が多いかも(経験談ではないですよ)。 そんな事を考えながらぷりんを食べる僕。気が付くと、やんでた雨がまた降り始めた。梅雨があければ日本の夏がやってくる。
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