自己効力感

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自己効力感とは

自己効力感とは、自分の能力についての信念で、目標を達成するために必要なものです。

何をすべきか分かっていて、それを実行できると思う精神的な余裕です。

自己効力感とは「自分自身の力を信じること、信頼することで、あることをするのに自信が持っていること」と言ってもいいでしょう。

自己効力感が高い人は、自己効力感が低い人よりも努力をし、成果を上げ、困難な課題にも粘り強く立ち向かうことができます。

専門家による自己効力感の定義

専門家による自己効力感の定義を紹介します。

バンデューラ

自己効力感とは、何かをするときに自分は成功する能力があると信じること。

スティペック

自己効力感とは、自分自身のスキルや能力を信じること。

サントロック

自己効力とは、状況がよく分かっており、自分にとって好ましいものを生み出すことができる信念のこと。

ニウ

自己効力感は、外部環境、個人の能力、適応メカニズム、教育や経験との相互作用の結果。

自己効力感が高い人、低い人

自己効力感が高い人の特徴

  • すぐ行動に移す。よく働く。
  • 目標を持っている。
  • 成功することを思い浮かべている。
  • 自分の興味や活動に強いこだわりを持っている。
  • 失敗から学ぶ、失敗してもへこたれない。すぐ立ち直ることができる。
  • 様々な活動に興味を持ち参加することができる。
  • 困難な課題にも積極的に取り組む。課題は克服するものと考えている。

自己効力感が低い人の特徴

  • 自信がない、すぐ自信をなくす。
  • 受動的、ネガティブ、モチベーションが低い。
  • やるべきことを先延ばしにしたり、避けたりする傾向がある。
  • 難しい課題にぶつかると「自分の力では無理だ」と感じる傾向がある。
  • 失敗することばかり考える。失敗を真摯に受け止め、直そうとしない。

自己効力感の形成要因

バンデューラは、自己効力感を形成する以下の4つ要因があると言います。

遂行行動の達成

ある人が過去に何かをして達成した経験があると自己効力感が高まります。

逆に失敗した経験があると自己効力感が下がります。

代理的経験

自分に似ている他人の行動を観察することで自分もできると思えば、自己効力感は高まります。

言語的説得

他の人から「君ならできる」と励まされたりサポートを受けることで、自己効力感が高まります。

情動的喚起

心身ともに健康であることで自己効力感を高めることができます。

自己効力感の次元

自己効力感の概念は、大きさ、強さ、一般性という3つの次元に分けられます。

大きさ

自己効力感の大きさとは、本人が処理できると認識している難易度のことを指します。

例えば、1人目は「5回は的の中心に矢を当てる」という信念を持っていて、2人目は「8回当たる」と信じている人がいる場合h、2人目は1人目と比べて自己効力感が高いと言えます。

強さ

自己効力感の強さとは、自己効力感の強弱に関連する信念のことです。

先ほどの例で、1人目は「たぶん5回しか当たらないだろう(弱気)」と思い、2人目は「確実に8回当たる(強気)」と思っている場合h、2人目は1人目よりも自己効力感が強いと言えます。

一般性

自己効力感の一般性とは、自分の能力にどれだけ自信を持っているかを示しています。

最初の人が、ライフル、矢、ピストルなどを使って的に当てられると思い、2人目はそのように考えていない場合は、1人目は2人目よりも広い一般性を持っていることになります。

自己効力感と従業員パフォーマンスの関係

スタンフォード大学の心理学者であるアルフレッド・バンデューラは、自己効力感が職場における学習やパフォーマンスに5つの方法で影響を与えると説明しました。

社員が選ぶ目標

自己効力感の高い社員は、自分にとってより困難な目標を選択する傾向があります。

社員の仕事における取り組み

自己効力感が高い社員は、成功の確信があるため、新しい仕事の習得に励みます。

社員の新しいこと、困難なことに挑戦する粘り強さ

自己効力感の高い社員は、成功するという確信があるため新しい仕事、困難な仕事に直面しても、粘り強く努力を続けることができます。

社員が困難に直面したときの回復力

自己効力感が高い社員は、失敗してもすぐに立ち直ることができます。

社員が課題に取り組む際の不安やストレスの程度

自己効力感が高い社員は、課題に直面したときに不安やストレスによる悪影響がありません。

職場における自己効力感の高め方

職場において、自己効力感は、従業員の生産性、ストレス耐性、健康状態に影響を与えます。

自己効力感を高めることで、従業員のパフォーマンスを向上させ、それが会社の業績向上に直結するのです。

ここでは職場で自己効力感を高める方法を紹介します。

他者を観察する

自己効力感を高めるには、まず、ある課題をうまくやり遂げた人を観察することです。

誰かが成功して評価されているのを見れば、それをお手本することができます。

自分も同じことをできると感じてモチベーションが上がります。

クリエイティブな仲間を持つ

クリエイティブな友人を持つことで自己効力感を高めることができます。

あなたのスキルは、クリエイティブな友人との付き合いの中で磨かれていくことでしょう。

相談に乗ってくれる人を探す

職場において、相談に乗ってくれる人はとても貴重な存在です。

なぜなら相談に乗ってくれる人は、あなたが悩んでいるときに、あなたのキャリア形成のために意見を述べることで、役に立っていると実感させることができるからです。

成功を書き留める

ささいなことでも成功したことを毎日書き留めることで、自己効力感を高めることができます。

あまり得意でないことにも自信を持ち、日々進歩を実感することができます。

異常にストレスのかかる状況を避ける

機嫌が悪いとき、気分が乗らないときは、パフォーマンスに重大な影響を与えます。

自分を落ち込ませる人や場所から離れましょう。

ストレスのかかる状況を避けることが大事です。

専門性を高める

自己効力感を高めるためには、より効果的に仕事をするために必要なスキルを身につけることです。

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