サブリミナル効果

サブリミナル効果とは

サブリミナル効果とは人が意識できない刺激によってその人の思考、感情、または行動に影響を与えることできる効果のことです。

しかし、人間の行動の大部分は意識的なものなのでサブリミナル効果はほとんど存在しない可能性が高いと言われています。

サブリミナル効果については、消費者の行動に影響を与えるために広告で使用されたこともありますが、実際、サブリミナル広告が人々を意図した通りに動かすことは証明されていません。

また、人々の行動を操作する目的でサブリミナル広告を使用することは、一般に非倫理的であると考えられており、多くの国で禁止されています。

ヴィカリーによるサブリミナル効果を狙った実験

1957年、社会心理学者で市場調査員であるジェームズ・マクドナルド・ヴィカリーが映画館で初めてサブリミナル効果を狙った実験を行いました。

彼は放映中スクリーンに「ポップコーンを食べよう」「コカ・コーラを飲もう」というメッセージを意識できない速さで繰り返し流すことで、売店の売り上げが伸びるかどうかを確かめました。

ヴィカリーは、この実験によってポップコーンが57.5%、コカコーラが18.1%売り上げが伸びたと主張しました。

後日、ヴィカリーは上記の実験は行っていないことを認めました。

ヴィカリーはサブリミナル効果は顧客を引きつけるためにでっち上げたものだと言いました。

カナダのCBCによるサブリミナル効果を狙った実験

1958年にカナダのCBCが番組の中で「telephone now(今すぐお電話を)」というメッセージを人が認識できない速さで352回表示させました。

しかし、誰も電話をかけてきませんでした。

放送中に何か感じたことがあったら手紙を出すよう視聴者に呼びかけましたが、500通以上届いた手紙の中に、電話をかけたくなったというものは1つもありませんでした。

サブリミナル効果は存在しないことを証明する結果になりました。

サブリミナル効果を狙った広告は禁止

アメリカでは1974年にサブリミナル広告が禁止されました。

日本では1995年にNHKが、1999年には日本民間放送連盟がサブリミナル効果を狙った映像を流すことを禁止しました。

サブリミナル効果は科学的な根拠に乏しく効果はないと言われていますが、それでも禁止する理由は無意識に商品を買うように誘導することが消費者を欺くことであり倫理的に問題だからです。

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