昇華

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昇華とは

昇華とは防衛機制の一種でネガティブな感情を社会に受け入れられるポジティブな行動に変えることです。

昇華は潜在意識の領域で起こります。

ネガティブな感情をポジティブな行動に転換することで、自分や他人を傷つけないようにコントロールすることができます。

ポジティブな行動とは、一般的には芸術、音楽、文学など文化的創造的な活動です。

昇華の仕組み

怒りに任せて感情を爆発させることは、怒りの感情に対処する一つの方法です。

しかし、他人に対して感情を爆発させると人間関係にヒビが入ります。

「あの人はキレやすい人」という悪い評判が立つことにつながります。

そこで怒りの感情を家の掃除をすることに振り向けたらどうでしょう。

キッチンやバスルームを数時間かけて猛烈に磨き上げるのです。

怒りの感情が収まったころには、家の中がきれいになっていることでしょう。

これは昇華によってネガティブなエネルギーが生産的な行動に変わることを示す一例です。

昇華の事例

  • ケンカっぱやいのでボクサーになる。
  • 失恋して落ち込んだときの気持ちを歌詞として表現する。
  • 恋人とケンカして怒りや不満を発散するために運動をする。
  • 就職活動がうまくいかなかった人がその悔しさを晴らすために起業する。
  • 先生に叱られた生徒がうっぷんを晴らすためにスパーリングに打ち込む。

フロイトが考える昇華

フロイトは、昇華とは望まないあるいは受け入れがたい衝動に対処する健全で成熟した方法と考えました。

昇華によって人は文明的に振る舞うことができるようになります。

フロイトが昇華という概念を作ったきっかけは、動物を解剖して楽しんでいた子供が大人になって外科医になった話を聞いたことに始まります。

そのときフロイトは、子供のころにサディズムに駆り立てたエネルギーが、ポジティブで社会的に受け入れられる、他人のためになる行為に昇華されたと考えました。

昇華に成功したチェスター・ベニントン

ミュージシャンが作る歌詞は、個人的な悲しい体験がベースになっていることが多い。

例えば、アメリカのロックバンド、リンキン・パークのボーカリストでソングライターでもあるチェスター・ベニントン。

彼は両親の離婚、性的虐待、うつ病、薬物使用などで生涯を通じて辛い経験しました。

彼はその悲しみを伝説的な歌の歌詞にしました。

関連心理学用語

防衛機制

防衛機制とは不安な気持ちから自分を守るために無意識に行われる心理的なメカニズムのこと。