物価水準と日本人給与
 

海外駐在員の給与はローカルに比べはるかに高い。ローカルマネージャーはRM3,0005,000(約1015万円)で、オペレータに至っては手当て込みでRM500(約1.5万円)程度である。日本人1人で100人のオペレータが採用できるといわれ、海外法人のコストを削減するには日本人の数を減らすことである。会社によって違いはあるが、多くの日系企業の海外駐在員給与は以下の構成であり、日本国内の手取り給与、言い換えれば生活水準が保証される。

 @現地給与 現地での生活費として月額給与、帯同家族手当、諸手当。
 A現物支給 家賃、自動車、税金、医療保険、などの福利厚生。
 B国内給与 日本でのローン返済や貯蓄、また単身赴任の場合は留守宅給与。

海外駐在員が毎月手にする現地給与は「生活を保証する」というコンセプトである。だから日本と制度の違う所得税、医療、住宅などは現物支給される。月額給与は生活に負担が無いように現地の物価水準を考慮し、年2回調整が加えられる。かつてはニューヨークやパリに駐在する際は、物価調整手当てが加算されたわけである。と言えば聞こえが良いが、今や東京は世界一物価の高い都市である。東南アジアなど発展途上国では減額されての支給となる。ではどれだけ調整されるのだろう。

 
  東京 クアラルンプル
平均 最高
食料品・飲料 100 45 53
アルコール飲料 100 95 109
日用品・クリーニング 100 39 46
身の回り品 100 45 52
タバコ 100 40 40
電話・水道・電気 100 63 67
衣類・靴 100 60 90
家事サービス 100 28 28
余暇・娯楽 100 65 71
交通・自動車 100 26 30
総合 100 50 59
適用物価 55

多くの調査機関が消費者物価指数を公表しており、もめ事を嫌う人事部は客観的なデータとしてこれらの指数を用いる。某調査機関が半年に一度実施する調査によると、マレーシアの物価水準は左表にあるように、日本の
55%である(20002月調査)。

つまり現地給与は税金・社会保険料を差し引いた日本国内手取り給与にこの物価指数が適用され、国際通貨であるUSドルにて支給される。たとえば国内手取り給与30万円の人は「300,000円×55%÷108=USD1,527RM5,805)」となり、これに諸手当が加算される。この物価指数はクアラルンプルでありペナンでは多少低いはずである。


コーラが
RM1.0(約30円)、タバコがRM4.6(約140円)、ガソリンがRM1.2(約35円)、ゴルフはRM100(約3,000円)と安いが、酒や日本食は安くないので、まあまあ妥当な水準と思っている。ただし主婦は容易には納得しないようだ。

『えぇぇーっ!なんで給料が半額になっちゃうのよ。うっそぉぉー、信じられないぃー。だって日本食材は日本の2倍するし、ほとんどが賞味期限切れじゃないの。電気料金だってちっとも安くないし、国際電話代も自己負担じゃない。水道水なんて飲めないから毎日ミネラルウォーター3本使うのよぉ。自動車だって二束三文で処分したし、私は会社を辞めて来たのよ。なんで人事部はそんな事もわからないの???あんたもっと抗議しなきゃ駄目じゃない!私から言ってあげようか・・・・・・・・(後略)。』

(2001年7月8日)

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