運転中の携帯電話で捕まった
 

516日の午後2時ころである。私は風邪の診察で会社を早退し、アイランドホスピタルへ向かう途中だった。バーマーロードを走る私の車にバイクに2人乗りしたポリスが寄ってきた。私に止まるように指示し、ゴールデンイーグル前の民間駐車場に誘導した。思い当たる事はある。直前まで携帯電話を使っていたのだ。

駐車場で車から降り立った私は、2人のポリスに向き合った。一人はサングラスをかけた「若僧」、もう一人はひげの「万年平巡査」といったところである。2人とも当然マレー人である。若僧はもったいぶっていろいろ質問し、なかなか本題を切り出さない。「ドライバーライセンスを見せろ。 ふむふむ、どこから来た? ここで働いてるのか? マレーシアに来て何年だ? なんて会社だ? パスポートは持っているか?」 その間万年平巡査はわざとらしくキップを切る体制を取っている。

長い前儀を終えた後、ようやく本題を切り出した。「携帯電話を使っていたな?あれは不注意で事故につながり易く非常に危険だ。罰金はRM400だぞ。どうする? 手続きはペナン通りの交通課本部で23時間くらいかかるぞ。ここで精算すればRM200でいいぞ。どうする?」 ここで万年平巡査がわざとらしく登場、違反キップを今にも記入するふりをしながら 「切るぞ、いいか?キャンセルは出来ないぞ。」話には聞いていたがこれがポリスのたかりである。袖の下欲しさ丸出しである。

善良な市民はここでポリスも申し出を拒否し、違反キップを受け取るべきである。最悪のシナリオとして買収行為として処罰されるからである。また「汚職警官に袖の下はびた一文払わん」というポリシーの方も同様である。私は高額納税者だが善良な市民でも無ければ、高尚(?)なポリシーも持ち合わせていない。罰金(袖の下)は安いほうが良い。財布の中にはRM1,500は入っているが、若僧に言った 「病院へ行かなきゃならないんだ。だからRM50しか払えない。」 

すると若僧は「RM50じゃ駄目だ、切符を切るぞ。RM400だぞ、本部で2時間だぞ。」 そして大根役者の万年平巡査は再びわざとらしく「切るぞ、いいのか?」と違反キップをちらつかせる。時間が無いし暑いので、私は多少腹立たしげに 「医療費を入れてRM100しかない。それ以上はATMマシンで引き出さなくてはならない。一緒に来るか?」結局RM100で話がつき、彼らは小遣いを手に入れ、私は高い罰金を払わずに済んだ。ただしローカル相場はRM50とも言われている。

家に帰るとポリスより手ごわい相手が待っていた。 「えぇぇーっ !! RM100もとられたのーっ。うっーそぉー!! 相場はRM50よ、何でRM100も払ったのよぉ。田辺さん(仮称)の奥さんなんか言葉がわからないふりして見逃してもらったのよ。あんな奴等に払うんだったら私に頂戴よぉ。もぉーっ!! RM100あれば三五亭で骨付きカルビが食べれたじゃない。どーしてもっと粘らなかったのよぉー。大体あんたは・・・・・・・・(後略)。」

2001517日)

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