ヘイズについて
 

19997月上旬よりヘイズがひどくなり、ペナンではところにより視界が10kmをきるところも出てきた。どういう状態かというと・・・・ペナンブリッジを渡る際に橋に差し掛かったところで約3km先の中央部橋脚が見えない。もちろん橋からコムタ-や対岸のバターワースは見えない。霧の中を走っている感じである。通常8時には朝日がまぶしいものだが、最近は月のような赤い太陽がかすんで見える。日中は曇り空が多く、ゴルフなど屋外で過ごすにはかえって快適かもしれない。
   
ペナンではAPIAir Pollutant Index/大気汚染度)はまだ100以下であるが、鼻炎持ちの私は鼻詰まりに悩まされる毎日を送っている。目や鼻の痛みを訴える人はまだ少ない様である。1997年の8月から10月にかけて、ヘイズ被害がひどかった際、APIはどこまで行ったんだろう。私は赴任前だったので解らないが、街からマスクが消え日本人が国外退避するほどの騒ぎになったそうだ。ちなみにAPI指標は右表の通りである。
API-Index  Healthy level
00以上  Moderate
200以上  Unhealthy
300以上  Very Unhealthy
400以上  Hazardous
500以上  Dangerous
   
ヘイズの原因は言わずと知れたカリマンタン島及びスマトラ島における野焼きである。最も手間のかからな伝統的な熱帯雨林開拓方法である。これがマレー半島西海岸の雨季である5月から9月にかけて吹く南西モンスーンに乗ってやってくる。マレーシア、シンガポールはその直撃を受ける。右の地図はCRISP(シンガポール国立大学のリモトセンシングセンター)による出火地点と風向きによるヘイズの影響を示したものである。マレーシアとシンガポールにとってはいい迷惑である。
© C
RISP
   
1997年のヘイズではマレーシア観光産業は大打撃を受けた。そのため今年のマレーシアはAPIの政府発表をしていない。報道もかなり規制されているという。ところが現代はリモートセンシング技術で地球上のいかなる地域も出歯亀される時代である。SRISPは衛星を駆使してHazeの発生源を徹底的に監視している。右の写真はカリマンタン島における野焼き状況で、拡大写真ではどこのプランテーションかも克明に指摘されている。動かぬ証拠は世界に向けて公開されている訳である。
© C
RISP
   
待てよ、通勤途上に高速を走ってると、ペナンのあっちこっちで煙が上がっているぞ。「おいそこの百姓、どさくさにまぎれて燃やすなよな。」 マレーシアの大気汚染の原因の2割は、排気ガスによるスモッグや、自らの野焼きだともいう。このヘイズはすぐに終息し、1週間後にはいつもの青空が戻った。   

1999720日)

ホームコラム>ヘイズについて

 

次のページへ

Hosted by www.Geocities.ws

1