憂鬱な為替変動
 

通常マレーシアで生活し、現地給与をリンギット(以下RM)で受け取っている分には、為替変動はあまり気にならないものだ。ただしRM給与を定期的に日本円(以下JPY)に換金し留守宅へ仕送りしている方、あるいはJPY等でシティーバンク等に振り込まれた外貨給与を必要な分だけ引き出す方にとって影響は甚大である。

私の現地給与は米ドル(以下USD)で定められているが、外貨での保有が難しいのでRM転して指定口座に振り込んでいる。そして幾分かの資金を定期預金(1ヶ月もの)し、為替相場を見計らって解約しJPY転送金している。ご存知のようにRMUSDに対し固定相場(RM3.8/USD) なので、USD(=RM)JPY相場を見ていれば良いのである。とはいえ世の中に為替相場を読める人はいない。

我が家では20014月と7月の2回にわたりJPY125/USDJPY33/RM)程度で送金した。下のグラフを見て頂きたい。「うん、我ながらうまく売り抜けたものだ。」と満足していた。しかしそれも束の間、2001年末以降円安はとどまるところを知らず、遂にはJPY130/USDを突破した。私は不動産投機、株式投資に続き為替相場でも損失をこうむる事になった。



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思い起こせば私が出張でマレーシアを訪れていた1996年、RM2.4/USDJPY45/RM)で事実上固定されていた。それが東南アジアが通貨危機に見舞われた1997年後半以降、アジア通貨は軒並み下落。一時はRM4.2/USDJPY28/RM)程度まで下落した。多くの製造業の真面目な合理化努力は一夜にして水泡に帰した。更に気の毒なのはその時期に帰任された方々である。彼らのRM資産は一気に40%下落した訳である。まさに悲劇である。

現在小康状態にある円安ではあるが、固定相場廃止及びRM切り下げの噂が飛び交っている。@円安がJPY140/USDまで進み、A中国人民元が切り下げられ、B他のASEAN諸国との格差が20%まで拡大した際・・・・RM20%切り下げられ、USD4.5/RM程度になると予想する人が多い。在馬日系企業は来るべきRM切り下げに備え、借入金や売買契約を外貨からをRMに切り替え、原材料の現地調達比率を高めたりしてリスク分散を図る・・・・等などと対応に忙しい。しかし実態はドクター・マハティールのみぞ知るところ。

ASEANをはじめとするアジア各国首脳の円安憂慮とは裏腹に、日本政府関係者やアナリストはJPY140150/UDが実力だろうと発言している。そうなると日本の輸出競争力は高まる訳だ。円安はどこまで進むのだろう。RM切り下げはあるのだろうか。

2002120日)

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