ryugaku
留学生

「 留学生として高知に来て 」

 今年、私ははじめて一人で旅行(りょこう)をしました。その旅行(りょこう)と言うのは、今年の1月、オーストラリアから日本へ来た旅行の事です。だから最初(さいしょ)はとても神経質(しんけいしつ)になっていました。じつは、関西空港(かんさいくうこう)で、親切(しんせつ)な乗客係り(じょうきゃくがかり)と別れる時に、私は ”Thank you. ”と言いました。その人は、私がオーストラリアで日本語を勉強(べんきょう)した事を知っていましたから、「日本語で言ってみて」と言いました。でも私は全然(ぜんぜん)思い出せませんでした。「ありがとう」を忘れて(わすれて)いたのです。「ありがとう」と言う言葉(ことば)は、中学校1年生の初めて(はじめて)の日本語の授業(じゅぎょう)でおぼえた言葉(ことば)でした。でも、日本に来たとたん、すっかり思い出せませんでした。すごくはずかしかったです。大阪(おおさか)から高知までの飛行機(ひこうき)の中でたくさん考(かんが)えました。「ありがとう」と言う言葉を忘れたのだから、高知に着(つ)いてからも、簡単(かんたん)な言葉を思い出せないのではないか、みんなが私をばかと思うのではないかと思いました。高知空港ではみんなが来ました。先生(せんせい)が来ました。友達(ともだち)が来ました。ホームステイの家族(かぞく)も来ました。みんなは英語で話しました。飛行機(ひこうき)の中での心配(しんぱい)はなくなりました。日本の生活(せいかつ)はだいじょうぶだと思いました。
 ホームステイの家では、家族(かぞく)は英語があまり分からなかったです。私も日本語があまり話せませんでした。だから、はじめのうちは、会話(かいわ)がむずかしかったです。間違った(まちがった)事がたくさんありました。でも、がんばりました。
 高知に来て1週間(しゅうかん)たって、学校のスキー研修(けんしゅう)に行きました。友達(ともだち)がたくさん出来ました。その時に、忘れていた日本語を思い出しました。帰(かえ)った時に、家族(かぞく)の人はびっくりしました。日本語が上手(じょうず)になったと言いました。
 おもしろい事もありました。たとえば、ホームステイのお母さんが、「退屈(たいくつ)の意味(いみ)が分かりますか」と言いましたので、私は、「はい、分かると思います。体育(たいいく)の靴(くつ)じゃないですか」と、言いました。こんな時は本当にたのしかったです。 けれど日本語が上手(じょうず)じゃなかったので、日本の友達(ともだち)とあまり話しが出来ませんでした。そんな時には、オーストラリアに帰(かえ)りたくなりました。任天堂(にんてんどう)六十四を買いました。ゲームは楽(たの)しいけれど、ファミコンとは話せません。たくさん本も読みました。日本に来てから二十冊(さつ)を読(よ)みました。学校のほかは、毎日一人でゲームをしたり本を読(よ)んだりしていました。学校では英語の授業(じゅぎょう)だけを受(う)けました。それはちょっと退屈(たいくつ)でした。学校の授業(じゅぎょう)に出(で)ない時は、一人で本を読んでいました。昼休み(ひるやすみ)は、毎日バスケットボールをして楽しかったです。
 春休み(はるやすみ)には、西高のEnglish Campに行きました。そこの景色(けしき)は、私のオーストラリアの家の景色(けしき)みたいで、本当になつかしかったです。また、そこへは、たくさんのALTの先生(せんせい)が来ました。みんなはもちろん私より年上(としうえ)でしたが、久(ひさ)しぶりに英語で自由(じゆう)に話しをして楽しかったです。でも、私の誕生日(たんじょうび)がEnglish Campのすぐ後(あと)に来る事を考(かんが)えると、オーストラリアの友達(ともだち)や家族(かぞく)に会いたいと思いました。涙(なみだ)が出て来ました。ところが、昼食(ちゅうしょく)を食べる時に、友達(ともだち)は私のためにケーキを作(つく)ってくれました。そしてみんなは私に、「誕生日(たんじょうび)おめでとう」と言(い)ってくれました。みんなは、本当に私の事を考(かんが)えていてくれた事が分かって、たいへんうれしくなりました。
 誕生日(たんじょうび)には、いつものように一人でゲームをしました。でも、English Campの事を考(かんが)えると、全然(ぜんぜん)さびしくなかったです。夜(よる)には、家族(かぞく)の人(ひと)がケーキを作(つく)ってくれて、家族(かぞく)の友達(ともだち)も家に来ました。私はびっくりしました。家族(かぞく)の人たちは何もしてくれないと思っていましたから。この誕生日(たんじょうび)の後(あと)は、すっかり帰(かえ)りたくなくなりました。4月からは、英語以外(いがい)のいろんな授業も受けています。友達(ともだち)はたくさんいる事が分かりました。たぶん、日本で外国人(がいこくじん)は、まだめずらしいかもしれないけれど、でも、私は一人じゃないと思っています。
(2−10 Robin Boyd )
財団法人 高知県国際交流協会 主催
「 第7回 高知県在住外国人による日本語弁論大会 」
平成9年5月24日(土) (於) 高新文化ホール
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