New Marty interview, 25/12/02

メルボルンのストリート情報誌Beat magazine 1225日号よりMartyの最新インタビュー。

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マーティ・ウィルソン・パイパーは、ロック・バンドの人生について、こんな例え話を持っている。

やわらかなアクセントのある声で、彼は歌うように語り始めた。

バンド・メンバーはワゴンの後部座席に座り、馬がワゴンを引っ張っていく・・・

彼はそこでちょっと話をやめ、もう一度考える。もう一回はじめからだ。

 

皆、馬の背にまたがり、目指す方向へと走っていく。すると誰かが近づいて来て言う。

このワゴンで君たちの馬を引っ張っていくよ。私が前に座って運転するから、君たちは後部座席に座っていればいい。それで、メンバーたちはそのまま旅を続ける。しばらくしてワゴンの外をのぞいてみる。すると、自分たちが行こうとしていた方向とは違う方へと走っていることに気がついた。だが、もうそこがどこなのかわからない。しかも、運転手は居眠りしていた。それでも、この眠そうな運転手に連れてこられた、ぬかるんで危険な地雷地帯から抜け出し、いったん道に戻ったら、自分たちの目指す方向へと馬を戻し、あとは眠りこけたりしない人間に注意深く手綱を渡すんだ。

 

これは知恵と経験がもたらした戒告的な物語。マーティ・ウィルソン・パイパーと彼の仲間、

かつてオーストラリアから、いやどんな国からであろうと、登場した中でも極めて精美で、時を超越したバンド、ザ・チャーチのメンバーたちによってもたらされた警告的な物語だ。22年たった今も結束している彼ら、これはある意味奇跡的なことかもしれない。しかしこの例え話は、いかに彼らが音楽業界の非情さを乗り越えてきたかを物語っている。

 

前置きから始めた方がいいね。ウィルソン・パイパーは皮肉っぽく言う。音楽業界で成功しない方法。

彼はそのタイトルに受けて笑っている。契約中、確実に自分の有金一切失うには、どうしなければならないか?

まず、契約書は読むな。それから弁護士に契約書を渡すな。いや、もっといいのは、契約書をマネージャーと仲の良い弁護士に渡すこと。

ウィルソン・パイパーの言葉には、何の苦さも感じられない。あるのは、明るい皮肉と、音楽業界の強欲さ、貪欲さ、堕落と非情といったそういうものすべてに向けて心から反発する気持ちだけだ。商業主義に走り、本当に良い音楽を無視する音楽プレスや大手レコード会社を非難する一方、レコード購買層に対しても手厳しく扱う。皆に責任があると彼は主張する。一般の人たちはレコードを買い、レコード会社を儲けさせる。どれもすべてひとりだけの問題じゃない。プレスはくだらない音楽に金をつぎ込むレコード会社を糾弾すべきだし、人々はくだらない音楽を買うのを拒絶して応酬すべきだ。なぜそうしない?

ミュージシャンたちはいいカモにされている。あのモーツァルトだって貧困の中で死んだ。音楽の天才たちはミュージシャンよりもっと、音楽で食べてはいかれなかった。誰が音楽で金持ちになりたいって? それが本来のあるべき姿だろうか? 音楽はいつだって自由なんだ。音楽はいつも空気みたいなもの。つまり、いつもラジオから流れ、自由なもの。ナップスターで探すことと、ラジオのトップ20から録音するのと、どれだけの違いがあるっていうんだい? 

 

曲を作ることやプレイすることと同様、ウィルソン・パイパーは、音楽について語ること、書くこと、そして考えることにも傾注している。その情熱が、あるウェッブサイトの立ち上げを思いつかせた。Newspaper Taxiという、ミュージシャンによる音楽ファンのための音楽レビューを載せたオンライン音楽誌だ。情熱的で、生き生きとしたレビューに満ちた、素晴らしく読み応えのある内容。新譜、旧譜にかかわらず、そしてまたオーストラリア出身のミュージシャンだけでなく、ジュリアン・コープ(the Teardrop Explodes)、イアン・マクナブ(the Icicle Works)、ニック・ケネディ(Big Heavy Staff)、ポール・スコット(Bad Machines) といった各国からのミュージシャンもレビューに参加している。そして何をかくそうウィルソン・パイパー自身が、実に歯切れの良い文章を寄せている。(2,000字に及ぶジェネシスのレコード評も!)

Newspaper Taxiは、既存の甘ったるい音楽誌に取って代われるくらい、引き付けられる中身のあるものだ。質の高い寄稿で、現在のだらけきった音楽評論界を暗に切っている。ウィルソン・パイパーは、だらけた音楽評論界に対して明確で強い意見を持っている。ジャーナリストとは呼べないようなジャーナリストもどきが多すぎる。音楽は好きじゃない、音楽を知らない、書けない、自分の書いていることに対し、しっかりした意見もアングルも持たないのに、一体、何のために批評するのか? 50ドルを稼ぐためか、それとも単にはけ口を求めているだけなのか?

正しく聞く耳を持ち、それから先入観のない考えを書く。今、自分で聴いていること以外、情報のインプットはせず、ただ聴いた後で自分がどう感じるかを書けばいい。この音楽について、どこから生まれ、何を伝えようとしているのか? 人々はこんなことを自分にも、レコードにも問いかけたりしない。それはただトレンディなだけだから、そしてそんなものはガラクタだ。

 

マーティ・ウィルソン・パイパーはこの土曜日の晩、意外だが、彼にとっては初のメルボルンでのソロ・コンサートをCorner Hotelで行う。

 

彼の新しいオンライン・マガジン、Newspaper Taxiは、http://www.newspapertaxi.netから読める。ミュージシャンで関心のある向きからの寄稿はいつでも歓迎、とのこと。

Beat Magazine 25/12/2002

 

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