木材の修復

額縁




この写真ではよく見えないのですが、先にされた修復がとても汚い結果になっていて、それを取るのにずいぶん時間を費やしました。 そして、結局こういう物はピカピカに仕上げるのではなく、アンティーク調に仕上げるのでした。クリスマスまで、という期限が決まっていたので、 経験もないのに計画を立てながらのバタバタ作業でした。初めてにしては、まあまあの結果でしょうか。


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修復前(2002.10.31)

主題 : 木材額縁(銀箔張りにメッカ着色)
寸法 : 縦 116.2 x 横 90.7 x 幅 5.5 x 厚さ 7.5

修復前の状態

額は松の木、二段から成っている。支え部は正接に釘打ち、表部は爪型に構成されている。古い虫食い穴の跡が多く見られる。 古い修復、金色箔(模造)貼りがされてあり、酸化で変色している。オリジナルはメッカで制作されている。(銀の上に着色して金のように見せる手法)
古い金箔張り
1)外側の部分全て、金色箔(模造)が接着されている。下の部分は剥がれて下地層のジェソが見える部分もあり。
2)下側は全て同じ金色箔(模造)が貼られているが、内側部分は赤系の色で更に着色されている。また、ここにも剥がれている部分あり。他の3部分(左右、上)は手が加えられておらず、オリジナルである
3)外側から3番目の部分は左下30cmと右側全部はテンペラで着色されている。他の部分(左上、上全部)はオリジナルである。


修復過程

Consolidamento della preparazione (下地層の保護)

下地層の見える部分に、注射器でアルコール50%、水50%と水50%、アクリル33 50%を注入する。

Disinfestazione (消毒、殺菌)

ペルメタル(Permetar)を刷毛で塗る。

Pulitura (洗浄)

アセトンで古い修復の部分を取る。オリジナルの部分はコントラッド2000を使用。始めは薄めて、少しずつ濃くして最終的には純液を使用。 (5%, 10%, 20%, 50%, 75%, 100%).

Consolidamento (保護)

下地層のジェソが隆起した部分には、同じく注射器でアルコール 80%, 水 20%, と、アクリル33を70% 水 30%を注入。

Imprimitura (下塗り)

木が見えている部分にはうさぎ膠(550ml),ジェソ(スプーン 8杯), リトポネ(白い顔料)(スプーン 4杯)を混ぜたものを塗り、 下地層のジェソが見えている部分には魚膠を塗る。

Stuccatura (下地層)

下地層の足りない部分にうさぎ膠とジェソをつめる。
乾いたら紙やすりで研磨。

Bolatura (ボーロ塗り)

黄色いボーロ(Bolo;膠灰粘土)一筆に少量の水、アルコール3滴を混ぜ、更に薄めて湯煎したうさぎ膠を加えて、銀を塗る部分の下に塗る。

Argentatura(銀メッキ)

オリジナル部分との境をアルコールで消耗させる。(後でより自然に見せるため)
銀粉をグワッツォ(guazzo;魚膠を薄めたもの)で塗る。
乾いたら、めのう石で研磨し艶をだす。

Reintegrazione pittorica (木材部の着色)

外枠の木の部分にテンペラ(茶色、焦げ茶) をアクリル33を 50% 水 50%に溶かして着色.

Protezione finale (仕上げの保護)

銀の上にメッカ(セラック(gommalacca)、アルコール、アニリン黄色顔料)をコットンで塗り、 乾いたらその上に魚膠を塗る。色がオリジナルに近づくまでこれを繰り返す。
最後に表面の保護に蜂蝋を塗る。

← 修復後(2002.12.19)





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