フレスコ画
1999年の夏、ローマでフレスコ画とその修復の講習を受けました。(
そのときの作品1. 2)
テレビでフレスコ画とその修復の様子を見てからというもの、
どうしても、自分で体験してみたくなったので。
(といっても、実行するまで2年くらいかかりましたが。)
その後、東京でもフレスコ画を描いてみようと思い、材料を探しました。
まず、calceと呼んでいた石灰は液状でドロドロしていたのですが、日本で市販されている石灰は粉末で壁用のための繊維が入っていました。
これをざるで篩って水を加えて、かき混ぜました。次にpossolanaと呼んでいた泥ですが、東京では土もなかなか見当たらず。
偶然、働いていた会社で再利用のための泥(普通、歩道用のレンガに使われている)が手に入ったので、これを分けてもらい、
先の石灰と合わせました。(ローマでは石灰:泥の割合が下の層が1:6、上の層が1:3の割合でしたが、私のは適当です)
この割合が悪いと乾いてすぐにぼろぼろになったり、下に板を使うと、反り返ったり、と試行錯誤を繰り返して、
幾つか作品を作りました。
ちなみに、現在もイタリアの修復の中では、過去の技法を知る貴重な参考としているチェニーノ・チェンニーニの"芸術の書"(15世紀前半)
には、フレスコ画法として下記のように書いてあります。(中村彝 訳 中央公論美術出版)
いと聖なる三位の神の名によりて、私は君を着色に従事させようと思う。
最も一般的に、まず壁の仕事から始めるそれに就いて、私は徐々に、君が従うべき道を教示することにしよう。あらゆる仕事の中で最も甘美な、最も楽しい、
この壁の仕事にたずさわろうとするとき、君はまずよく清められ、篩われた、石灰と砂とを用意するがいい。
石灰が新しく、脂肪性に富むならば、その混合は砂三分の二、石灰三分の一の割合をもってする。十五日乃至二十日位保つに充分な
水の量で、この二つをよく捏りまぜ、その漆喰を数日の間休ませて、火気を発散させるがよい。
それが余りに烈しいと塗料が割れるに至るであろう。壁に塗料を施す時は、壁のうえの塵を払い、それを十分に湿すがいい。
湿し過ぎるということはないだろう。それからその石灰をいちいち鏝でとって、壁の上の表面が平坦になるまで、一度乃二度の地塗りをするがいい。
なお作業に際して君の心得べきことは、仕上げられた塗料が多少ザラザラでなくてはならぬということである。そこでその塗料が乾いたならば、
君が製作しようとする歴史画もしくは人物に応じて、木炭を取って素描にかかり、構図をきめ、すべての寸法を正しくとるがいい。.....(以下省略)
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