フロレアールすきすきだいすき(13cm '99)
1998年某月。大阪某所。13cm企画開発室。
「ニュースです! ニュースニュース!」
「ん? どうした?」
「今度親会社の方にTacticsの連中が移籍するらしいんですよ!」
「なにィ!? あのいけすかない泣かせゲーの連中がか!?」
「本決まりらしいです。上が『ONE』のメインスタッフをごっそり引き抜いたって」
「上もナニ考えてんだ? なんだって業界の為にならんあんなエロ軽視の連中を?」
「やっぱり最近の萌えムーブを考えてってことなんじゃないですかね」
「理解はできるが納得はできないな。確かに商売的には萌えゲーマーを考慮に入れなきゃならん市場状況ではあるが…」
「市場が萌えに塗りつぶされるのをウチのグループが片棒担ぐなんてやりきれませんね」
「まったくだ。それにな。俺は奴等のシナリオが鼻について仕方ないんだ。萌えゲーマーのよわっちい感性に精神的な揺さぶりをかけつつ、人間の感情のアップダウンを完璧に計算したシナリオ設計。ここに萌え要素フル装備のキャラ設定が加わるんだ。あざとすぎて反吐が出る!」
「でも、最近はそんなゲームに『感動しました!』なんて言う軟弱者が多いですよ」
「エロゲーマーの質は下がる一方だな。エロゲにエロを求めずして何がエロゲだ! あくまでシナリオを追及するならエロを前提としたテーマを求めなきゃいかんだろうに」
「どうします? とりあえず上に抗議でもします?それとも奴等に嫌がらせでも…」
「上に文句をつけても始まらんだろ。…そうだ。いいことを思いついた。こっちでも感動ゲームを作って奴等に挑戦状を叩き込んでやるっ!」
「感動って…。今奴等を否定したばかりじゃないですか!?」
「ウチで作るんだ。タダの感動ゲーにはしないよ。エロエロは全開にする。そうだな。奴等に対するカウンターって意味も込めてエロはきっついSMだ! 萌え萌えなロリをこれでもかと痛めつける!」
「そんなこといって感動とSMどうやって結び付けるんです? だいいち萌えロリって否定すべきものじゃないんですか?」
「ばーか。市場が萌えを求めてるのは事実なんだ。売れなきゃ負けだろ? 萌えを用意した上で作品性を追求しなきゃならんのよ」
「うーん。まあそうですね。それはそうと萌えに対応させるなら原画は重要ですよ。誰使います?」
「ふっふっふ。この前、例の法案を考慮してお蔵入りさせたキャラがいるじゃないか?」
「あー! 『好き好き大好き』のメイド!?」
「そういうことだ。あのロリ+メイドのメルンなら萌えゲーマーのハートを直撃できる」
「萌えはいいとして感動の方はどうするんです? 俺ONEみたいな感動ゲーなんて恥ずかしくて作りたくないですよ。それにああいうのSMとの相性最悪ですよ?」
「感動の方でもONEにカウンターを浴びせる。…メタフィクションだ。世界からの逃亡をモチーフにする。同じ日常逸脱モノでも、そこにフィクションへの言及を盛り込む。ストレートな感動なんて糞くらえだ! 捻りがいるんだよ!」
「そんなのならやってもいいですけど…。SMの問題は解決してませんよ? あっ! ひょっとして…」
「そうだ。世界からの逃亡の手段がSMなんだよ! 世界がひっくり返るほどのSM! エロゲとしてコレ以上のエロ追求はないっっ!」
「…それはいくらなんでも無茶過ぎません?」
「いいんだよ。エロゲーなんだから。よし。あんみつさんに連絡。きっつーい絵を発注だ。それと音楽は…。音楽もONEテイストでいくか」
「それならなんとでもなりますよ。悲しげな旋律にオルゴールの音色使えば、それっぽいのできますからね」
「ふっ。みてろよ。奴等に、軟弱な萌えゲーマーに、眼にモノ見せてやる!」
ってな一幕があったに違いない。…邪推? 因みに偉そうな口調のヒトがUYE!プロデューサーね。え? 感想? 僕はメタフィクションも好きだけど、どっぷりファンタジーの方がもっと好きです。そんだけ。僕は『ONE』原理主義者。
[ 好き:メルン ]
かわいいことはかわいいんだけど。過去の「そそっかしいおっちょこちょいな女の子。無垢な心でトラウマ持ちの主人公を癒す。」ってパターンを忠実に再現してくれるんだけど…。イマイチ乗り(萌え)きれなかったです。既視感ありまくりだったせいかな…。ところで3回目以降のシナリオのきっついエロシーンでヌけたヒトっています?