講座及研究分野


    (一)講座・教官別教育研究活動一覧 2001年 1月 22日                           教官名 沓名 宗春(クツナ ムネハル) I.講座の構成 I-1 講座名  材料プロセス工学専攻 熱加工プロセス工学講座 I-2 構成員(職員) 教授  小早川 久 (1940年生 61才) 助教授 沓名 宗春 (1945年生 56才) 前職 1972-1982年3 川崎重工業(株)技術研究所溶接研究室係長         篠田剛   (1942年生 58才) 技官  松永 憲一 (1948年生 53才) U. 教育活動(2000年度) U-1 学部   金属工学通論第1 力学および演習 材料成形学     熱加工プロセス工学 材料工学実験基礎     材料工学実験第1.第2      全学共通科目 短期留学生向け開放科目「物理・材料・エネルギー先端科学」 U-2 大学院 接合プロセス工学特論 接合材料工学特論     熱加工プロセス工学セミナー1のA、B、C,D     熱加工プロセス工学セミナー2のA、B 熱加工プロセス工学演習及び実験 U-3 指導学生数 (カッコ内は留学生) 学部生:   3人(0人) 大学院生:博士前期課程5人(1人)、博士後期課程1人(1人)  研究生:   0人 受託研究員: 1人 U-4 その他(非常勤等) V.研究活動 V-1 主要な研究内容   生産技術の基盤をなす溶接、切断、表面加工などの熱加工技術を応用工学の1つと大系化して教育及び研究するのがこの熱加工プロセス工学である。 アーク、プラズマ、電気抵抗熱、化学反応熱、電子ビームやレーザビームなどの熱を利用した材料加工法は迅速かつ安価なことにより産業の発展を支えている。具体的な熱加工プロセスとして   ・接合加工:溶接、ろう付、固相接合   ・除去加工:切断、穴あけ、マーキング,クリーニング、切削・造形   ・表面加工:焼入れ、クラッディング、合金化、グレージング、表面溶融 などがあり、その科学的解明は未だ困難な点が多い。これらを材料科学的にアプローチするとともに、レーザのような高エネルギービームを熱源とした新熱加工プロセスの研究開発を進めている。 特に半導体レーザの高出力化、価額低下が進み、近い将来、レーザの応用技術はますます発展すると思われる。 主な研究分野と研究例: (1) アーク熱源による熱加工プロセス    世界の産業用ロボットの約60%を保有する日本ではそのうち約20%強が溶接ロボットであり、その適用上の問題点であるスパッタの発生を最小限にすべく、二重ガスシールドアーク溶接法(D−MAG溶接)の研究、及びレーザとMAG溶接と複合化による溶接速度の向上と品質向上に関する研究などを行っている。  (2) レーザ熱源による熱加工プロセス    1994年に特許宇取得した交差ビーム回転装置を2.4kWCO2レーザ溶接装置に   装着し、ビード幅が8mmあるいは10mmの表面に各種レーザ加工を適用し、表面品質の向上を可能にする研究も進めている。    低炭素鋼のレーザ溶接に関する研究では、熱影響部にフェライトバンドとマルテンサイトバンドの2相組織になることを確認したり、極低炭素鋼(0.014%C)では溶接金属にフェライト以外にベーニティックフェライトが溶接速度の増加とともに多量に生成し、強度及び硬さが上昇することも確認した。 ステンレス鋼のレーザ溶接性として、凝固割れ感受性に凝固モードがアーク溶接同様に大きく影響することを示した。    アルミ合金のレーザ溶接における気孔生成に関する研究では水素と合金元素であるMgが相互作用を起こし、気孔生成を促進することを明らかにした。また、レーザによる金属材料の非接触曲げ加工の基礎的研究では変形モデルを提案し、金属材料の板厚、固有の線膨張係数やヤング率の他に、高温での降伏点(又は耐力)が重要な影響因子であり、各種ステンレス鋼やアルミニウム合金の曲げ加工結果を模擬できることを示した。  (3)溶接冶金に関する研究  通常、溶接構造物では溶接継手性能が保証される必要があるが、この問題に対して、従来困難であった、じん性(Toughness)の推定方法として、構成する金属相の固有のじん 性とその体積百分率より求める方法を研究し、実用鋼溶接部の熱影響部及び溶接金属の= シャルピー試験の吸収エネルギーを求め比較して、良い一致があることを確認した。  (4)コンピュータ支援溶接技術の研究 IT時代と呼ばれる25年前より、コンピュータの溶接技術への応用について、調査研究を進めてきた。とくに、国際的に開発されている溶接ソフト約300件の調査シートおよびファイルを作成した。溶接技術者のマルチメディア式教育ソフト(CD−ROM)の開発を行ってもいる。今後のWeb-basedEducationにも利用可能と思われる。      (5)研究テーマの例    ・炭素鋼のCO2レーザおよびYAGレーザ溶接に関する急速加熱の影響    ・極低炭素鋼のレーザ溶接性に関する研究    ・各種ステンレス鋼の凝固割れ感受性に及ぼす凝固モードの影響 ・鋼のレーザ浸炭法の開発   ・アルミニウム合金のレーザ溶接時の気孔の発生機構に関する研究  ・アルミニウム合金のドロスフリーレーザ切断の研究 ・マグネシウム合金のレーザ溶接性に関する研究  ・アルミ合金のレーザ表面硬化(合金化)に関する研究 ・アルミ合金のレーザ表面溶融処理に関する研究    ・異種金属のレーザロール圧接の研究    ・レーザによる金属材料の非接触曲げ加工の基礎的研究 ・光ファイバーとロボット利用によるレーザ肉盛・補修技術の研究    ・アダプティブミラーによる軽金属レーザ溶接性の改善 (二)材料プロセス工学専攻   各種レーザ及びアークによる材料熱加工の開発と材料科学的問題点の解明   熱加工プロセス工学講座   助教授      クツ ナ ムネ ハル       沓名 宗春 主な研究と特徴 生産技術の基盤をなす溶接、切断、表面加工などの熱加工技術を応用工学の1つと 大系化して教育及び研究するのがこの熱加工プロセス工学である。  アーク、プラズマ、電気抵抗熱、化学反応熱、電子ビームやレーザビームなどの熱 を利用した材料加工法は迅速かつ安価なことにより産業の発展を支えている。具体的 な熱加工プロセス(方法)としては  ・接合加工:溶接、ろう付、  ・除去加工:切断、穴あけ、マーキングクリーニング、切削・造形  ・表面加工:焼入れ、クラッディング、アロイング、グレージング などがあり、その科学的解明は未だ困難な点が多い。これらを材料学的にアプローチ するとともに、レーザのような高エネルギービームを熱源とした新熱加工プロセスの 研究開発を進めている。  当研究室ではレーザやアークを熱源とする材料熱加工プロセスの研究として次のよ うな分野の研究を行っている。 (1) アーク熱源による熱加工プロセス  世界の産業用ロボットの約60%を保有する日本ではそのうち約20%強が溶接ロ ボットであり、その適用上の問題点である、スパッタの発生を最小限にすべく二重ガ スシールドアーク溶接法の開発を行っている。溶接後、溶接継手性能が保証される必 要があるが、この問題に対して、従来困難であった、じん性(Toughness) の推定方法 の開発、核融合炉炉壁材用高Mnクロム鋼の溶接性の研究、ステンレス鋼溶接部の高 温割れの研究、など溶接冶金学的観点から機構の究明などを行っている。また、コン ピュータを適切に利用したコンピュータ支援溶接技術の研究開発も進めている。 (2) 各種レーザ加工プロセス ・炭素鋼のCO2レーザおよびYAGレーザ溶接に関する急速加熱の影響 ・アルミニウム合金のレーザ溶接時の気孔の発生機構に関する研究  ・レーザ加工用ビーム回転装置の開発 ・鋼のレーザ浸炭法の開発   ・アルミニウム合金のドロスフリーレーザ切断の研究 ・多点ビームによる表面熱加工に関する研究 ・アルミ合金のレーザ表面硬化(合金化)に関する研究 ・回転ビーム系によるレーザ表面加工の研究 ・ビーム回転装置を用いた金属表面改質の研究 ・レーザ表面溶融により溶接継手の疲労強度の改善   ・レーザによる金属材料の非接触曲げ加工の基礎的研究 ・レーザ材料診断技術の研究 2.4kWのCO2  レーザ装置(高速軸流形)及び300WパルスYAGレーザ装置を 用いて研究を進めている。なお、レーザ表面加工の研究を進めるため、レーザビーム 交差回転装置を研究室で試作し、ビード幅が8mmあるいは10mmの表面加工が可能に なった。ビームを2つに分割しそれを集光レンズでワーク上に絞り、高速回転させる もので。後に国内特許にもなった。  低炭素鋼のレーザ溶接に関する研究では、熱影響部にフェライトバンドとマルテン サイトバンドの2相組織になることを確認したり、極低炭素鋼(0.014%C)では溶接金 属にフェライト以外にベーニティックフェライトが溶接速度の増加とともに多量に生 成し、強度及び硬さが上昇することも確認した。アルミ合金のレーザ溶接における気 孔生成に関する研究では水素と合金元素であるMgが相互作用を起こし、気孔生成を 促進することを明らかにした。    また、レーザによる金属材料の非接触曲 げ加工の基礎的研究では変形モデルを提案 し、金属材料の固有の線膨張係数やヤング 率の他に、高温での降伏点(又は耐力)が 重要な影響因子であり、各種ステンレス鋼 やアルミニウム合金の曲げ加工結果を模擬 できることを示した。図1は300WのYAGレーザにより非接触でステンレス鋼管 をくびれ変形させた試験片を示す。 今後の展望 今後、各種金属および異種材料のレーザ溶接・接合に関する研究、軽金属のレーザ 溶接、レーザにる迅速造形法、レーザ板曲げ加工、レーザ微細機能化加工などレーザ による付加価値の高い材料加工の研究を進めて行く予定である。 経歴 1967年名古屋大学工学部金属学科卒業、72年名古屋大学大学院工学研究科博士課程満 了、72年科川崎重工業入社、74-75年米国MIT客員研究員、82年川崎重工業退社、 82年名古屋大学工学部助手、85年同講師、92年同助教授、 所属学会 溶接学会、レーザ学会、日本金属学会、日本機械学会、日本材料学会、米国溶接学会 、米国レーザ学会、 (三)研究助成等(1996年以降)  1)住友電気工業 委託研究費 (平成12年6月〜13年3月)    「アダプティブミラーとレーザ溶接特性」        研究者: 沓名 宗春       研究経費: 52.5万円  2)レーザ応用工学研究所委託研究費 (H11年度〜H12年度)    「難接合異種金属のレーザ接合に関する研究」        研究者: 沓名 宗春       研究経費: 100万円  3)造船学術研究推進機構助成研究費 (H11年度〜H13年度)    「各種鋼材のレーザ曲げ成形機構の基礎研究」        研究者: 沓名 宗春       研究経費: 160万円  4)大同メタル助成研究費      (H11年度〜H12年度)    「アルミニウム合金と軟鋼のロール圧接部の接合機構の研究」        研究者: 沓名 宗春       研究経費: 100万円  5)(社)軽金属溶接構造協会 委託研究費 (平成4年4月から平成9年3月) 「アルミニウム合金のレーザー溶接」        研究者: 沓名 宗春       研究経費: 350万円  6)天田金属加工機械技術振興財団「研究開発」助成金(平成2年11月から4年3月) 「ビーム回転光学系を用いたレーザによる金属加工法の研究」        研究者: 沓名 宗春       研究経費: 290万円 委任経理金 その他(名産研等) 住所:〒446-8603 名古屋市千種区不老町 TEL/FAX: 052−789−3365 E-Mail: [email protected]

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