第2話 井戸水の問題点



水の最大の問題点は汚水の上水(生活用水)への混入です。
同国の水道方式は大きく二つに分かれます。
一つはPDAM(地域水道局)と井戸です。

ここではその大半を占める井戸水の問題について考察してみます。

水道普及率から言って、都市部や高級住宅街を除いて相当数の場所ではいまだ井戸が主流です。
また、下水処理の方式としては生活用水はGOTと呼ばれる裏にある溝に垂れ流し、汚水(トイレ)の水は地下タンクでその多くは自然浸透式となっています。
よく注意して街中を歩いてみると電柱などに(Sedok WC)と書いてあります。
これは民間の汚物処理業者の事です。
タンクが一杯になると1年や2年に一度民間の汲み取り業者に連絡して処理してもらうのが一般的です。
私はそれが最終的にどこへ持っていかれているのはまでは知りません。
今後調べてみたいと思っています。

お気づきの方もいると思いますが、下水も完備されていないのに水洗便所だったりすることがあります。
毎回大量の水を流しているにも関わらず、いったいこの水はどこに溜まっているのでしょう?

日本のいわゆるポットン便所のタンクは閉鎖式です。
基本的に漏れない構造になっています。
浄化槽を持っている場合は別として、このポットン便所にインドネシアの水洗の勢いで水を流しつづけたらいったいどうなるでしょう?
タンクの水の容量を仮に幅35cm 奥行き12cm 高さ40cmとしてみましょう。
m3として計算すると

0.35 x 0.12 x 0.40 = 0.0168m3(立法メートル)

4人家族が一日平均3回トイレに行き水を流した場合、

0.0168 x 3 x 4 = 0.2016m3

これが1月だと

0.2016 x 30 = 6.048m3

約6立法メートルもの容量になってしまいます。
この量は1m角(高さ/幅/奥行き)が6個ある勘定です。

これが1年だとすると60立方メートルの量になってしまいます。

この量は1mの深さで縦10m x 横6mの量ということになります。

私の暮らしていた宿舎では最盛期5人の日本人が暮らしていましたが、2年間のうち1度もSedok WCを呼んだことがありません。

これはどう言うことか... 

実はその水の部分は地下へ浸透させているのです。

そう..地面に直接染み込ませているのです。(下図参照)

用語解説
Tampungan Air:上部貯水タンク
Sumur:井戸
Septik Tank:汚水タンク(糞尿タンク)
Toilet:便所
Air Untuk dikonsumsi:生活用水(台所/洗濯/シャワー)
Selokan/Pembuangan:排水用側溝(この水の行きつく先を私はしらない....)




だからタンクの容量がさほど大きくなくても、水洗方式であったとしてもすぐに一杯になってしまうということがありません。

そしてこれがインドネシアの一般的な方式となっているのです。

この汚物タンクと井戸の位置の関係を考えてみましょう。

スタンダードとしてはあくまでも聞いた話として10mの隔離距離が必要とのことです。

但し集合住宅地(Komplex)等ではどうでしょう?

すべての家の敷地が10m x 10mあったとしてもその中央に端に汚水タンクがあったとしても自分の敷地内ですら井戸との離隔距離が10mとれません。

ましてやお隣さんのタンクの位置を考慮すると...

最低でも20m以上の敷地幅がないとお隣のタンクの位置を考慮にいれた井戸の位置は決められないことになります。(両脇が住宅の場合)

但し現実はこうは行きません。
その多くは自然浸透式汚水タンクのすぐ脇から生活用水を採取して風呂水や食器/食材を洗う水として使用いる..そういう状態になっています。

これが井戸水が危ないという理由です。

特に乾季になって地下水位が下がった場合、汚水タンクと地下水位の差で汚水は容易に地下水へ混入してしまいます。

雨季の場合でも一時的に汚水タンクのそばで水をくみ上げてしまった場合は水位の差が発生し混入してしまいます。

場合によってはご近所の汚水タンクからの混入もあるわけです。

コレラやチフスや赤痢などの感染症が地域で集団発生してしまう原因にはこうした背景が原因のひとつではないかと考えています。

皆さんの家は大丈夫?




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