2000-03-28
■東京都 情報通信に参入へ/下水道や都営地下鉄 自前の光網利用
東京都は、下水道や都営地下鉄に設置されている都所有の光ファイバー網を利用した情報通信会社を設立する方針を固めた。情報・通信分野は外国企業の参入が相次いでいるが、石原慎太郎都知事は「(外資系企業ばかりに)もうけさせるわけにはいかない」と情報分野への参加の意向を示していた。財政難の都は、新会社によって増収を図る。新会社は第3セクターになる見通しで、4月上旬には参加企業を募って準備会となる勉強会を開催、新会社の業務内容を詰めていく。
下水道の光ファイバー網は、下水処理場などの遠隔管理のために敷設されたもので、23区内に全長約400キロが張り巡らされている。ケーブル内には24本の光ファイバーが通るが、通常は半分程度しか使用していない。都は来年度からケーブル内の光ファイバーの本数を約4倍の100本にし、5年後には総延長を800キロに延ばす計画で、新会社設立に向けたインフラ整備を急ぐ。都区部の下水道網は1万5000キロにも及び、情報通信網として活用することで巨大な通信ネットに生まれ変わる。
一方、都営地下鉄は全線(77.2キロ)に信号通信用の光ファイバー網が整備されている。これとは別に都心部の3路線約24キロには、貸出用として200本の光ファイバーが通るケーブルが敷設されており、これを来年度中に90キロまで延ばす計画だ。
新会社は、こうした都が持つ膨大な光ファイバー網を有効に活用する。地下鉄のケーブルは下水道と比較して容量が大きく、光ファイバー網の中では幹として位置付けられる。事業内容については今後具体的に検討していくが、インターネット、ケーブルテレビなど各種通信サービスの提供が考えられる。都は東京電力、KDD、DDI、営団地下鉄などに経営参加を呼び掛けていく意向だ。
石原慎太郎都知事は、これまで議会などで「ひとつ東京で新しい情報会社をつくって、もうけたらいいじゃないか。東京独自の金もうけというのはやっぱり考えなくちゃいかぬと思っとります」などと答弁し、新会社設立には強い意気込みを示していた。