2006年7月26日:宇宙開発委員会におけるM-V中止審議についての緊急コメント


続報:読売新聞朝刊(2006年8月3日号)に「M5ロケット廃止へ」という、JAXAの体質的問題を指摘する記事が書かれています。

★一部抜粋:見え隠れするのは、宇宙開発予算が減少する中、自分達の権益や影響力を拡大しようというメーカーや関係者の思惑だ

本質を突いていると思います。 
「旧NASDA陣営によるISAS潰し」の流れは止まらないのでしょうか?記事がWEB上で公開されていないのが残念です。

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JAXAが提案した次期固体ロケットは国際的に通じる新規性がなく、開発費・調達費・射場建設費(200億円)で考えたら、M-Vを現状のまま調達し続けた方が総合的に安上がりです。H-2Aによる科学衛星ミションの継続は150億円以上の支出がかかる挙句に、乗合わせ衛星との調整で時間がかかり、経費はM-Vの2倍以上でかかります。よって4年間の代替処置でM−Vは継続可能です。
低コストとかいう触れ込みでの旧世代・ノンコンセプト・雇用対策を提示するJAXA宇宙基幹システム本部は”解体”もしくは”組織徹底見直し”を提案します。

実質200億円かけるなら、これから主流になる空中発射ロケットを開発すべきでしょう。今後1t以下の地上発射ロケットは、空中発射ロケットに淘汰される時代になると考えられます。そんなこれからの時代に「SRB-AとM-Vの組み合わせという時代遅れのJ-1模造品」では、JAXAが世界から笑われてしまうでしょう。
 また、打上能力500kg程度で25億円では話になりません。AirLaunch LLC社が開発する空中発射ロケットは、「LEOへ約450kgの打上能力」・「24時間以内の打上げ可能」で「価格$5mil(約6億円)」です。このロケットは軍用という意見もありますが、NASAが宇宙探査機打上用に採用する発表がされています。そしてJAXA新規ロケットは、M5より打上能力下げたので、とても低コストとは言えません。JAXAの常識は世界の非常識と言われてしまうでしょう。以上から、

打上げ能力が実質2.5tあるM-Vベースでコストダウンを目指すべき(30億円目標)と判断します。
また、開発によって「日本の科学ミッションが中断する場合」に対する責任を明確にすべきでしょう。

     
JAXA次期固体ロケット計画(朝日新聞)  AirLaunch LLC社の空中発射ロケット(AirLaunch LLC)

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