FISHING with ABU

Talk About Fishing

2003

カンツリができた


“カンツリ(管釣)”と略して最近は呼ぶのだそうです、管理釣り場のことを。 まぁ、主に鱒類を対象としたいわゆる釣堀のことですが、ブラックバスやその他の魚を釣らせる場所もあるとか。

80年代後半、当時の釣り雑誌“Angling (アングリング)”に、確か肥沼薫氏(だったと思うのだけど…)が重さ3g程の極小スプーンを使ったトラウトフィッシングのメソッドについて連載していました。 彼自身はその卓越したテクニックで解禁直後の長良川でシラメをも釣り上げていたけれど、その方法論は主に止水域でこそ威力を発揮するものだったと思います。

その後、管理釣り場の存在が全国各地に次々と広まって行った背景には、このマイクロスプーン(と、これも最近は呼ぶらしい)・テクニックがあったからこそと言って良いと思います。 逆に3ポンドテストラインで3グラム以下のスプーンを操るウルトラライトゲームは、管理釣り場という人工池をそのフィールドとしたからこそ、そのゲーム性が高まったと言えなくもないでしょう。 その証拠に最近は各管理釣り場でトーナメントの開催が盛んになっていると言いますから。

当時、注目を浴びつつあった栃木県の“加賀フィッシングエリア”へは僕もよく通って、極小スプーンのゲームを楽しんでいました。 

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加賀フィッシングエリアに近かった、群馬県南部の実家を出て東京暮らしをするようになってからは、管理釣り場へも行っていないし、極小スプーンもまったく使う機会がありませんでした。 むしろ、自分がそれを持っていることを忘れていたと言ってもいいくらいです。

不意に、そのスプーンやタクティクスを思い出したのは、この3月、今暮らしている家のすぐ近くに新しく管理釣り場(“フィッシュ・オン!王禅寺”)がオープンしたからです。

週末は整理券も配られるほどの好況(混雑)とのことなので、平日の空いた時間に、僕は楽しむことにしました。

今はチビスプーン(と僕は呼んでいる)にも色々なメーカーの色々な形があってビックリするけれど、僕はあの頃のシンプルなコータックの3グラムがメイン。 リールはニューヨークのガレージセールで買った“ミッチェル304”に4ポンドのナイロンラインが巻いてあります。

このリールを、僕はドラグを締めてクラッチをオフにして使うから、ちょうどダイレクト・ドライブのリールと同じようになります。 大きな魚が掛かったら、自分でハンドルを逆転させながらラインを繰り出してやり取りをします。 たまに、魚が急に走ったときにハンドルで手を叩かれて、その痛みに泣きたくなるけれど、管理釣り場の鱒釣りだからこれくらいのハンデがちょうど面白いのでは。

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この日、僕が釣ったのはニジマス、ヒメマス、そして一匹だけイワナもまじりました。

カンツリのゲーム。 これはこれで、すでに一つのジャンルを形成しているように思えます。 僕も、たまにはここで楽しもうっと!

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