FISHING with ABU

Talk About Fishing

2002 

バズンフロッグの思い出


2002年初夏のカナダ旅行。 アルバータ州、カナディアンロッキーの田舎町ジャスパーを訪れた僕はミニキッチンの付いたツーリストホームで質素な旅を楽しんだ。 トラウトのハイシーズンは6月中旬だから、僕が訪れた5月末ではまだ難しいとのこと。

そんなわけで、ダウンタウンの釣具屋“オン・ライン”のスコットとパイクを狙ってタルボット湖を攻めた。

− スコット、パイクは日本にはいない魚だけれど、去年スペインで2フィート6インチ
(75cm)のを釣ったんだ。 ここにはもっとでかいのいる?

− オフコース。 毎年3フィート、メイビー4フィートのが釣れてるよ。 パイクならイージーさ。

タルボット湖上。

彼のボートでとっておきのポイントをトローリングで流し、キャスティングで攻め、ミノーを引き、スプーンを沈めたけれど釣れたのはスコットの1匹のみ。 50cm程だったけれど、水が澄んでいるせいかスペインで釣ったパイクよりも白っぽい魚体だった。

僕にも帰り際にチンピラサイズがヒットしたけれど、手元で痛恨のバラシ。 スコットは“早く、早く、そこにもう一度投げてみろ”と叫んだけれど。。。

ー スコット、フィッシング・イズ・ノット・イージー。

ー こんな日もあるよ。 昨日の雪がよくなかった。 スーパー・タフだ。

彼の、ガイドとしては少々貧弱にも見える、シンプルなタックルボックスの中身が興味をそそった。 各種スプーンと幾つかのラパラ。 そしてズラリとカラーをそろえた幾つものバズンフロッグ。 バズンフロッグはパイクに効くの?と訊ねると、“あぁ、パイクのスペシャルルアーさ。いつもならね。”と言って笑った。

その日、水面をかき回すバズンフロッグにパイクは誘われなかった。 彼のヒットルアーはカエル色をした卵形のスプーンだった。

帰りの車中で。

− ここはナショナルパークだからハンティングはできないんだろう? でも熊がたくさん住んでる。 もし、街の中にでてきたらどうすんの?

− 銃で眠らせて遠くの森に返す。 もし何度も出てくるトラブル・ベアー(と呼ぶそうだ)なら残念だけど本物の銃で撃つ。

− じゃあトラブル・エルク(シカの名前)とかトラブル・ムース(ヘラジカ)もいるの?

− オフコース。 でもエルクとかムースなら首輪をつけて逃がすだけだね。 めったに殺さない。

− ふぅぅん。 日本にもトラブル・アニマルはいるよ。 シカとか、トラブル・モンキー。

ここカナディアンロッキーでは動物がたくさん出てきて楽しい。 シカはもちろん何処にでもいるし、コヨ−テもハクトウワシもビーバー、クロクマの親子も見た。 

悲しいかな、魚の姿だけ見ることができなかった。。。

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