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ブランデンブルク門の前は物凄い人だった。イルミネーションが輝くウンター・デン・リンデンを彼女はコリンと歩き、荷物検査を受けてから門の前へ向かった。様々な屋台が並び、凍てつくような気温にも関わらず、そこは熱気に溢れていた。
「はぐれないようにね」
コリンは彼女の肩をそっと抱き寄せた。彼の体温が彼女に伝わる。彼女はコリンに軽く寄りかかった。まだ新年までは4時間ほどあるというのに、ここでのカウントダウンをする為に、既にかなりの人が集まっていた。ブランデンブルク門の横に設置された舞台では催し物があり、人々は一緒に歌ったり踊ったり、マイナスの気温の寒さを吹き飛ばすように盛り上がっていた。
12時が近づくにつれ、更に人は増えていき、身動きできないほどになってきた。背の高いコリンは周りの人垣より少し頭が出ていたが、彼女はすっかり埋もれてしまっていた。しかしコリンは彼女が押し潰されないように、自分の体を盾にして、彼女の為に空間を作っていた。彼の鼓動を聞きながら、彼女はこの時が永遠に続けばいいのに、と思わずにはいられなかった。
年が明けるまであと1分となった。そこに集まった人たちは皆、カウントダウンが始まるのを今か今かと待っていた。スクリーンに数字が表示された。
「10、9、8…」
皆で声を合わせてその数字を読み上げていく。彼女とコリンも夢中になって声を張り上げていた。
「0!!」
その瞬間、ブランデンブルク門の向こうから花火が上がった。色とりどりの光が、真冬の夜空を彩っている。彼女とコリンの顔も花火に照らされていた。
「綺麗ね」
彼女がそう呟くと、コリンは彼女に微笑んだ。彼女はコリンの瞳に映る花火を見つめた。
「Happy New Year」
コリンがそう囁いた。彼女はコリンの瞳に吸い込まれるような錯覚を覚えた。その瞳が近づいたと思った瞬間、コリンの唇が彼女のそれに重ねられた。彼女は目を閉じ、コリンの背中に回した手に軽く力を加えた。
花火は2人を照らしつづけていた。
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