中国遺棄化学兵器処理で
コンサルタント料「 50億円 」 が消えた!

 「 遺棄化学兵器 」 処理の調査だけで、過去157億円もの税金が費やされていたことが分かった。 しかもその3分の1は「 コンサルタント料 」 。 「 コンサルタント 」 とは、「 診断、助言、指導 」 の専門家。 それに50億円もかけたのだから、さぞやありがたい「 助言 」 が貰えたことだろうと思いきや、その使途は全く不明なのだ。

 旧日本軍は終戦間際、中国国内に大量の化学兵器を残してきた。 政府は「 化学兵器禁止条約 」 を批准したため、この処理に責任を持つことになり、99年度から778億円の予算をかけて計4万2000発の処理に当たってきた。 しかし、「 化学兵器は『 遺棄 』 されたのではなく、正規に中国側に『 引き継がれた 』 ことを示す文書が発見され、先月には、処理事業を独占的に受注していたコンサルタント会社『 PCI 』 が、不正に1憶円を流用した事件が発覚するなど、徐々に事業の不透明さが明らかになってきました 」 。
 その一端が暴かれたのは衆議院外務委員会。 11月2日、民主党の松原仁代議士がこう指摘したのだ。
 「 この調査研究にかかる経費が157憶( 00〜03年 )。 その中で22億、16億、10億の48億。 約50億円をコンサルタント会社に払っている 」
 この大金は『 PMC 』 という共同企業体( PCIと日揮 )に支払われている。 当の松原議員も呆れて言う。
 「 157憶円は、化学弾の処理ではなく、処理方法の調査研究のためだけに費やされた数字です。 しかも02年、当時の防衛庁が福岡県 の苅田町で見つかった化学兵器の処理をした際には、調査に900万しかかかりませんでした。 もちろん両者の状況は異なりますが、なぜ中国の場合は、数字がこれだけ跳ね上がるのでしようか 」
 松原氏は、コンサルタント料の細目を出すように要求。 後日、内閣府「 遺棄化学兵器処理担当室 」 の担当者が説明に来たものの、
 「 “『 PCI 』 に捜査が入った時に、当局に資料を持っていかれたため、手元にない”と言われました 」 ( 同 )
 これを聞いて憤るのは水間政憲氏。 前述の引継書を発掘したジャーナリストだ。
 「 先日、私が処理担当室に取材した際には“会計検査院に提出した”と。 発言がコロコロ変わるのは、使途の不明朗さを隠蔽しようとしている証拠です 」

国内業者にも利権

 質問では、4月の日中首脳会談で新たに130億円規模の「 移動式処理設備 」 が導入された経緯や、引継書を分析した外務省の外郭団体が、明確な根拠もなく、「 引き継ぎはない 」 と結論付けていたことなど、さまざまな疑問が指摘された。 しかし何れもまともな回答はなかったという。 外務省は事実を闇に葬り去るつもりなのか。 前出・水間氏が語る。
 「 旧日本軍が残した化学兵器には、糜爛剤、窒息剤、嘔吐剤、催涙剤などがあります。 99年、日中覚書を定めた時には、全てについて処理が定められましたが、実は、条約では嘔吐剤や催涙剤は対象外。 つまり、日本はサービスで処理してあげていたことになります。 この件を質された高村外務大臣は“知見を有しておりません”と答えた。 しかし、高村さんは、覚書当時も外相だった人。 好い加減に覚書を結んだとは、国民に対する重大な背任行為です 」
 1円の使い道さえうるさくチェックされるこの御時世に、中国にまつわる金だけは莫大に垂れ流されている。 それだけではない。
「 遺棄化学兵器の処理は、中国にとって“第2のODA”ですが、不可解なコンサルタント料など国内の業者にとっても“利権”となっているのは問題ではないか 」 ( 前出・松原代議士 )
 業界通は、使途不明の50億円から政界に金が還流された可能性も指摘する。 だが、そこで食い物にされているのは我々の血税なのだ。


ODAで不正のパシコン

  中国毒ガス処理も“独占”


 政府開発援助をめぐる不正でJICA( 国際協力機構 )から指名停止処分を受けている パシフィックコンサルタンツインターナショナル( PCI )関連会社が、中国での毒ガス処理事業を随意契約で独占している ことがわかった。

 旧日本軍が中国に残した毒ガスは住民に深刻な被害をもたらしており、その処理は、化学兵器禁止条約にもとづく日本の義務。 日本政府は内閣府に遺棄化学兵器処理担当室を置き、今年度中に処理施設建設業者を選ぶ予定だ。

 処理事業の予算総額は2000億円と試算されているが、1兆円を超えるとの見方もある。 基本設計を含むコンサルティングと調達業務を一手に担うのが、PCIと同じくパシフィックコンサルタンツグループ( パシコン )傘下の( 株 )遺棄化学兵器処理機構だ。

 遺棄化学兵器処理担当室作成の文書「 中国遺棄化学兵器処理事業と( 株 )遺棄化学兵器処理機構との関係について 」 によれば、処理機構は「 商法にもとづく民間会社 」 としながら、「 本事業は民間では負いきれないリスクを伴うものであることから事業主体は国とする枠組みとした 」 とある。 パシコン側がそれほどリスクをとらずに“毒ガス処理利権”を確保するよう国がお膳立てした格好だ。

 処理機構設立前にも、PCIは日揮との共同企業体で、毒ガス処理に関して総額65億円の業務を受注しているが、2000年度を除いてすべて競争のない随意契約となっていた。 内閣府と問題企業との見事な二人三脚ぶりに、不透明感がぬぐえない


PCI事件

  1億円余が使途不明

〜 特捜部、不透明な金の流れ追及 〜

 中国での遺棄化学兵器処理事業に絡む特別背任事件で、パシフィックコンサルタンツインターナショナル( PCI )から不正な事業委託費を得た関連会社などが2004年〜05年、ホテル建設をめぐる「 トラブル解決金 」 などの名目で計約1億3000万円を支出し、大半が使途不明になっていることが23日、関係者の話で分かった。

 支出は逮捕されたPCI元社長の荒木民生容疑者( 71 )が指示。いったん全額が都内の弁護士( 55 )の管理する銀行口座に振り込まれた後、10%程度の「 手数料 」 を引いた残額が荒木容疑者の知人に渡り、最終的な使途が分からなくなっているという。東京地検特捜部は荒木容疑者らを追及、不透明な資金の流れを調べている。

 関係者によると、支出していたのは荒木容疑者が社長を務めていたパシフィックプログラムマネージメント( PPM )と同社子会社のホテル運営会社。

 PPMが沖縄・石垣島のホテル建設に絡み地元業者とトラブルになり、PPMが2004年4月に約5000万円、ホテル運営会社が同年6月に約4000万円をそれぞれ「 解決金 」 として支出した。

( 4月23日18時16分 )


遺棄化学兵器

検証なき巨費投入は問題

 中国で進められている遺棄化学兵器処理事業をめぐる不正支出事件で、国から事業を請け負っていたコンサルタント会社の元会長ら4人が特別背任容疑で東京地検特捜部に逮捕された。
 グループ間の架空取引を通じ、会社に1億2000万円の損害を与えたとする容疑だ。 特捜部はさらに、技術者の人件費を水増しして国から不正受給していた疑いもあるとみて、詐欺容疑でも調べを進める方針だという。
 不正の背景は、コンサルタント会社が全額出資して設立した遺棄化学兵器処理機構が、国からの受注を独占してきたことにある。 内閣府に化学兵器処理のノウハウがなく、同機構の要求のまま予算を計上したことも重なり、9年間で683億円の巨額の国費が投入された。 不正の最大の被害者は、納税者たる国民である。 特捜部はこのことを踏まえ、特に詐欺容疑の立件に力を入れてほしい。
 この事件が発覚したのは昨年10月、特捜部が特別背任容疑で同機構など関係先を家宅捜索してからだ。 その後、政府は特定の企業が随意契約で独占的に事業を行ってきた従来の方式を改め、今年度から一般競争入札を導入することを決めた。 不正の温床をなくすための当然の措置である。
 しかし、この事件が捜査中であるにもかかわらず、今年度も、遺棄化学兵器処理事業に154億6400万円もの巨額の予算が投じられたのは、理解に苦しむ。
 もともと、この事業は中国側の言い分をほとんど受け入れる形で始められたものだ。 終戦時、旧日本軍は化学兵器を含むすべての武器を中国軍や旧ソ連軍に引き渡しており、「 遺棄 」 には当たらないとの見方もあったが、引き渡したことを明確に証明する書類がないとされ、中国にのみ有利な処理策が進められてきた。
 しかし、最近、「 遺棄 」 ではないとする証拠が防衛省防衛研究所などで次々と見つかっている。 昨年も、中国大陸で旧日本軍が化学兵器を中国側に引き渡したことをはっきり示す文書が、防衛省の関係団体が外務省の依頼で行った調査資料の中に含まれていることが、ジャーナリストの取材で明らかになった。 外務省はこれを公表していない。
 政府は予算を積み増す前に、こうした事実関係やこれまでに支出した683億円の使途などをきちんと検証すべきである。
( 2008.4.24 05:10 )

国の予算に被害も

遺棄化学兵器処理事業で岸田担当相

 岸田文雄国民生活担当相は25日午前の閣僚懇談会で、政府が中国で進める遺棄化学兵器処理事業を受注している建設コンサルタント会社「 PCI 」 をめぐる特別背任事件について、「 国に被害が発生しているかどうかしっかり調べる。 もう1つの問題もあり得る 」 と述べた。 不必要な予算の支出が過去にあった可能性を示唆したものだ。

 また、岸田氏は「 発注の方法は、昨年から取り組み始めて変えている 」 と指摘。 これまで特定の企業が随意契約で独占的に事業を行ってきた方式を改め、今年度から一般競争入札に改めたと説明した。
( 2008.4.25 12:10 )

PCI事件で浮かび上がる

中国遺棄化学兵器処理事業の闇

 第二次大戦の敗戦による武装解除後、中国軍に渡したもの、棄てたもの、外国のものも含め、いま中国にあるすべての化学兵器は旧日本軍の「 遺棄化学兵器 」 ということになっている。

 「 この廃棄処理は日本がやります 」 。 中国政府の強い要請に応じてそう日本政府が決定したのは95年1月4日のことである。 背後には、中国をジュネーブ軍縮会議に参加させるための西側の策謀があったとされる。 ODA( 政府開発援助 )とは別に「 日本からの資金 」 の流れをつくり、中国を納得させたのだという。

 ときの総理は村山富市、外相は河野洋平である。 中国共産党のおぼえめでたき方々であるのは周知の通り。 河野が中国進出企業による「 日本国際貿易促進協会 」 の会長であり、「 北京オリンピックを支援する議員の会 」 の会長である。

 当初から遺棄化学兵器の回収・処理事業を、外務省から一手に受注してきたのは日本最大手のODAコンサルタント会社「 PCI 」 である。 今月23日、元社長、荒木民生ら4人が約1億2000万円の不正流用で東京地検特捜部に逮捕された特別背任容疑事件は、政府がらみの海外事業にまつわる権力と利権の闇の深さをうかがわせた。

 PCIのODAにからむ不正経理は以前から取りざたされてきた。 ODAとは政府が発展途上国に対して行う援助や出資のこと。 もちろん、原資は国民の血税だ。 PCIは各国の要人にワイロを渡して仕事をとるための裏金捻出を続けてきた。 16ヶ国の事業で総額1億4000万円の不正が発覚し、外務省が計18ヶ月の指名停止処分にした経緯がある。

 今回は、ODAではなく、日本政府発注の「 中国遺棄化学兵器処理 」 に話を絞りたい。

 戦後、残存化学兵器は国内では米軍に引き渡され、深さ1,000メートル以上の海に投棄された。 大陸では、ソ連軍や中国軍に渡したものと、報復や処罰を恐れて日本兵が棄てたたものがあるようだ。

 中国吉林省ハルバ嶺。 ここに大きな穴が掘られ、30万〜40万発の化学兵器が積み上げられているという。 中国側はこれを「 日本軍の棄てたものだ 」 と主張する。 その他、中国各地に散らばっているものを合わせ、70万発ほどの遺棄化学兵器があるとされる。

  この途方もない数の化学兵器の回収・処理に日本政府はこれまで683億円を投入してきたが、まだまだ、作業は進んでいないという。 今後、発掘回収施設と無害化処理施設の建設も必要で、中国の言いなりになって事業を進めれば1兆円の持ち出しを覚悟せねばならないという指摘もある。

 2005年12月までPCIグループ会長だった丸岡文雄は自家菜園で農作業をしながら、今回の特別背任事件について、テレ朝のインタビューに答えた。 「 1億なんて、立小便ですよ。 まあワイロですね。 しかるべき人にワイロ出さないと仕事がとれないわけだから。 無償援助にしろ、有償援助にしろね。 税金?血税だから?だから何なんだよ… 」 。

 ODAにせよ、政府の海外事業にせよ、ワイロ攻勢を当たり前としていたPCIの実態が、あっさりと暴露された。

 国民の血税が投入される遺棄化学兵器処理やODA事業。 それを受注して巨額な収益にありつくために、不正経理で捻出したカネをばらまいていく。 そのワイロのための裏金も、もとはといえば税金だ。 ここに、日本の有力政治家はからんでいないだろうか。

 何回も、会計検査院から不正経理を指摘され、マスコミにも報じられてきた会社が、いつまでも政府がらみの海外事業に大きな顔をして参入できるのは、何らかの巨大な権力が介在していると考えねば説明がつかない。

 95年1月4日の自社連立政権「 村山・河野ライン 」 による “中国側要求丸呑み” は、今もなお戦争の “負債” を現代の日本人に背負わし続ける仕組みとなっている。

 この事業に投じられる巨額の資金はほんとうに遺棄化学兵器処理だけに使われているのだろうか。 なぜか、政府は事業費の詳細についての公表を渋り続けているのである。

 国民の税金から拠出したカネの不透明な流れを一刻も早く明らかにする必要がある。
( 2008.4.29 )

PCI元会長、

過去にも資金工作6億円

グループ内で架空契約

 大手建設コンサルタント会社「 PCI 」 の特別背任事件で、同社元会長の荒木民生容疑者( 71 )が平成13年以降、グループ会社間の架空契約などによって「 パシフィックプログラムマネージメント 」 ( PPM )に少なくとも約6億数千万円の資金を移す工作を行っていたことが5日、関係者の話で分かった。 グループ会社の利益をPPMに移すのは遺棄化学兵器処理事業をめぐる特別背任事件と同じ構図で、東京地検特捜部は荒木容疑者のグループ私物化を裏付ける事実とみて、不透明な資金の流れを調べている。

 関係者によると、荒木容疑者はグループ中核会社の「 パシフィックコンサルタンツ 」 ( PCKK )とPPMの社長を兼務していた14年10月、PCKKで立ち上げた「 プロジェクトファイナンス事業 」 に関し、PPMから役員と社員2人をPCKKに出向させる架空の業務契約を締結。 毎年10月からの1年契約で、1年目の14年は1億2000万円、15年は1億円、16年以降は6000万円を人件費名目でPCKKからPPMに移した。 荒木容疑者は17年に両社の社長を退任したがその後も架空契約は続けられ、昨年9月に打ち切られるまで計4億円が移されたという。

 また荒木容疑者は13年、PCKKが所有していた岐阜県高山市の土地( 約2万5000平方メートル )と建物を大阪市内の学校法人に売却した際、未回収となった数億円の債権について「 回収してやるから利益の一部をPPMに回せ 」 と要求。 PPMの幹部に債権回収を担当させ、未回収金のうち約2億数千万円を手数料などの名目でPPMに移したという。 PCKK関係者は「 PCKKの債権だからPCKKが回収すべきで、PPMが介入する必要はなかった。 荒木容疑者の独断による利益移管だ 」 と話している。

 荒木容疑者は13年に長男の経営する会社が多額の負債を抱えて倒産したため、長男の借金返済に追われていた。 15年には持ち株会社社長の立場を利用し、同社からPPMに10億円を独断で融資。 さらに借金返済のため、PPMを使って沖縄のホテル建設事業に乗り出すなどしており、今回新たに判明した架空契約や債権回収による資金工作も、PPMの事業資金調達のためだったとみられている。

 荒木容疑者は16〜17年、遺棄化学兵器処理事業をめぐり、PCIからPPMに不要な事業委託費約1億2000万円を不正支出させた。
( 2008.5.6 03:48 )

PCI事件

「 意識改革が急務 」 不正見抜けぬ内閣府

 PCIグループの特別背任事件は、内閣府が発注する遺棄化学兵器処理事業をめぐる詐欺事件に発展した。 内閣府は詐欺の「 被害者 」 という立場だが、実際にはPCIグループとの随意契約で事業を事実上“丸投げ”していた上、水増し請求に対するチェック機能も働かなかった。 内閣府は今年度から随意契約をやめ一般競争入札で業者を募ることにしているが、適正化が図られるかは未知数だ。

 事業は「 化学兵器禁止条約 」 に基づき、旧日本軍が中国大陸に遺棄したとされる化学兵器を日本の負担で処理するもの。 現在分かっているだけで、中国大陸には吉林省ハルバ領を中心に、約30〜40万発が遺棄されているといわれている。

 処理のため、国は平成11年に内閣府に担当室を設置。 現在職員は21人で、多くは防衛省や外務省からの出向者だ。 同事業は当初、担当室が現地の調査業務などを民間企業に直接発注していたが、現地に施設を作るなど事業が本格化した平成16年から、PCIグループの「 遺棄化学兵器処理機構 」 に随意契約で一括発注する形になっていた。

 「 特殊法人を設立してやらせるのが理想的な形ではあったのだろう 」 と担当室幹部。 だが、当時は特殊法人の整理を求める世論が強かったために断念したという。 また民間企業に打診したところ、同機構以外で手を挙げる企業はなかった。

「 結果的には1社に『 丸投げ 』 したと思われても仕方ない 」 ( 担当室職員 )。

 その後の担当室の業務は、事業の方向性を決定する政策判断と中国政府との交渉のみとなり、PCIが受注業務の再委託を行っていたことや、社外の人員をPCI社員として登録させていたことについても見抜けない、まさに“野放し状態”だった。

 また担当室は「 特捜部が詐欺のからくりを解明してくれないと対策のたてようがない 」 と、契約内容に対するチェック機能が働かなかった点についても、他人事のように語っている。

 今年度からは処理機構を通さず、事業ごとに独自に一般競争入札を行って業者を募ることになったが、事実上“丸投げ”してきたにもかかわらず、「 これまでの数年間で、事業を運営するノウハウはできた 」 とも述べている。

 今年度行われた現地の兵器処理のプラント設計事業の入札では、手を挙げた企業はゼロだった。 スタートでつまずき、先行きも不透明なまま。 事件は発注者側の“無責任”が誘因になったともいえ、「 小手先の対策ではなく、意識改革こそが急務 」 との指摘も多い。
( 2008.5.13 20:41 )

PCI前社長ら詐欺罪で起訴

東京地検、脱税容疑も詰めの捜査

 大手建設コンサルタント会社「 PCI 」 ( 東京 )グループが遺棄化学兵器処理事業の人件費を発注元の内閣府に水増し請求し、約1億4100万円の不正利益を得たとして、東京地検特捜部は3日、詐欺罪で同社前社長、多賀正義容疑者( 62 )ら4人を起訴した。
 PCIをめぐっては、東南アジアの政府開発援助( ODA )事業受注のためのリベート費を海外送金していた疑惑も浮上。 特捜部は送金の一部が同社の所得にあたるとして、法人税法違反( 脱税 )容疑で詰めの捜査を進めているもようだ。
 ほかに起訴されたのは、グループ会社「 遺棄化学兵器処理機構 」 社長、遠藤博之( 68 )▽PCI元部長、栗原努( 56 )▽同、久賀伸生( 56 )の3容疑者。 同機構取締役( 50 )については関与が従属的だったとして処分保留で釈放した。
 起訴状によると、PCI事業部長だった多賀被告らは、機構を通じて内閣府に事業費を請求する際、外注先の技術者をPCI社員と偽った書類を提出。 外注先の技術者には請求が認められていない技術費などの諸経費を上乗せする手口で、平成16年度分の事業費から約1億4100万円の不正な利益を得た。 水増しして得た利益は事業資金として使っていたという。
 特捜部は17、18年度分の人件費についても、多賀被告らが同様の手口で水増し請求していたとして追起訴するとみられる。
( 2008.6.4 01:04 )

中国に消えた100億円

聖域化で腐った「 遺棄化学兵器 」

 683億円医療も年金も破綻状態と言っておかしくない財政難の日本が、中国での遺棄化学兵器処理事業にこれだけの税金を注ぎ込んでいる 旧日本軍が中国に遺棄した毒ガス弾を無毒化する国際事業だが、問題は、支出へのチェックが皆無に等しく、業者の言いなりに国が公金を垂れ流していたことだ。 その延長線上で、独占受注者「 パシフィックコンサルタンツインターナショナル 」 ( PCI、東京 )グループの不正事件は起きた。 国の杜撰さだけではない。 使途の明かされない公金が、少なくとも100億円超は中国政府の側に渡っていて…。

 東京都多摩市の京王線・聖蹟桜ヶ丘駅近くのビル。 そこに入居する「 パシフィックコンサルタンツインターナショナル 」 ( PCI )という聞き慣れない会社に、東京地検特捜部の家宅捜索が入ったのは昨年10月19日のことだ。
 建設コンサルタント業者として大手のPCI。 傘下には「 遺棄化学兵器処理機構 」 ( 東京・虎ノ門 )、「 パシフィックプログラムマネージメント 」 ( PPM、東京・虎ノ門 )などのグループ会社があるが、これらも一様に特捜部の捜索を受けていた。
 容疑は商法違反( 特別背任 )。 PCIのグループ会社である処理機構は平成16年度以降、遺棄化学兵器処理事業のコンサルタント業務などを内閣府から受注し、その一部をPCIなどに委託していた。 PCIはこれを都内の設計会社4社に再委託していたが、間にグループ会社のPPMを介在させる架空取引を行い、1億2000万円をPPMに不正支出していた疑いが持たれていた。
 容疑がかけられた時期のPPM社長は、PCI元会長でもあった。 自分の会社にカネを落とすため、架空取引を行って中核企業のPCIに不正支出をさせたことになる。
 もとはと言えば、国民の血税からの出費である「 公共事業=遺棄化学兵器処理 」 のカネを、PCIグループはデタラメな手口で付け替えていたのだ。
 捜索から半年。 今年4月になって特捜部はこの容疑でPPM元社長らを逮捕。 その後5月には別の容疑が浮上する。
 PCI元社長らは平成16年に処理機構を通じて内閣府に事業費を請求する際、人件費を水増しして約1億4100万円をだまし取ったというのだ。 国をだました詐欺容疑で、特捜部はPCI元社長らを逮捕・起訴した。
 平成17、18年度分の人件費も水増し請求していたとみられ、PCI元社長らは追起訴される見通しだ。
 特別背任、詐欺容疑ともに、事件の舞台は内閣府が発注した遺棄化学兵器処理事業だ。 PCIグループの不正手口はいずれも単純なもので、受注業者が“やりたい放題”をしていた様子が浮かび上がる。
 そのような“やりたい放題”がなぜ可能だったのだろうか。 その理由は、発注元の内閣府の“無責任”によって育まれていたのだ。
 PCIグループという受注業者によって“食い物”にされた遺棄化学兵器処理事業。 そもそも、「 遺棄化学兵器 」 とは何だろうか。
 遺棄化学兵器とは、先の大戦で、敗れた旧日本軍が中国に捨てたとされる毒ガス弾のことだ。
 具体的には、皮膚をただれさせて人間を殺傷するマスタード( びらん剤 )などを内包した砲弾、筒状弾で、その大部分は吉林省・ハルバ嶺に埋められ、捨てられているとされる。 推定されている埋設量は30万〜40万発に上る。
 これらを除去しようというのが処理事業である。 日本の経費によって現地で毒ガス弾を発掘・回収し、高温で燃やして無害化処理する事業だ。 平成11年度にスタートしたが、この事業を所管するのが内閣府だ。
 事業開始からの9年間で、既に総額682億8000万円もの巨額事業費が投じられた
11〜13年度81.0億円( 合計 )
14年度78.0億円
15年度77.9億円
16年度77.6億円
17年度74.8億円
18年度81.9億円
19年度211.6億円( 予算レベル )
 …という具合である。
 だが、その額はまだまだ膨らみそうな見通しだ。  昨年12月時点での回収実績はまだ約4万4000発にとどまっているし、「 無害化の作業が始まると、中国現地での処理施設はもちろん、作業員の宿泊施設や道路の建設なども始まる 」 ( 関係者 )ため、事業費は膨らみ続け、「 最終的には総額1兆円規模のビッグプロジェクトに化ける 」 という予測もあるほどだ。

当事者能力なしの内閣府

「 ノウハウなし。
  言われるまま予算計上するほかなかった 」


 内閣府は当初、処理事業に伴う現地調査などの委託契約を、PCIとコンサルタント大手「 日揮 」 ( 東京 )の共同企業体( JV )と締結していた。 また同時期、外務省の外郭団体「 日本国際問題研究所 」 ( 国問研 )とも並行して委託契約を結んでいた。
 ところが、平成16年4月にPCIが100%出資して遺棄化学兵器処理機構を設立すると、内閣府はJVや国問研との契約を解除し、随意契約で処理機構に一括発注するようになり、調査や現地での機材確保などを処理機構に委ねてきた。 この結果、処理機構の受注額は16〜18年度の3年間で234億3000万円に跳ね上がった
 「 遺棄化学兵器は50年間放置された危険な状態にあり、安全かつ迅速に処理するには専門的な知識やノウハウが必要だった。 内閣府にはそうした知識がなかったため、知識のあるPCIや国問研などに依頼した 」
 内閣府の遺棄化学兵器担当室は、これまでの契約の経緯をこう説明した。 そして、こうも言うのだ。
 「 ノウハウのない内閣府としては、処理機構に依存せざるを得ず、処理機構の要求によって予算をつけるほかなかった 」
 内閣府は処理機構から言われるままに予算額を計上し、その使途についても厳密なチェックをしてこなかったということだ。 業者に事業を“丸投げ”し、野放しにした結果、水増し請求という刑事事件に発展する事態になってしまったのだ。
 内閣府はPCI事件をきっかけに、今年度から随意契約をやめ、一般競争入札で新たな業者を募ることにしている。 しかし、これによって適正化が図られるかは疑問だ。 入札方法の切り替えによって事業の不透明さが拭われるわけではないからだ。
 現に内閣府は、特捜部の捜査が進んでいる最中にもかかわらず、事態を反省・分析することのないまま、今年度予算に154億6400万円もの額を計上した。 本来、大事なのは、発注者である内閣府の側に適切な事業知識を蓄え、業者の暴走を監視することであるはずだ。
 まとまった予算が支出されながら、使途の厳密なチェックがない−。 これほど“甘い話”はそうざらにはないだろう。 遺棄化学兵器処理事業はたちまち“蜜”となり、北朝鮮や中国に人脈を持つ怪しげなブローカーを呼び寄せる結果になった。
 在日本朝鮮人総連合会( 朝鮮総連 )から不動産と資金をだまし取ったとして詐欺罪に問われている緒方重威( しげたけ )元公安調査庁長官らも、処理事業に作業員を派遣する現地法人に数千万円出資し、事業に関与しようとしていたほどだった。

中国政府への支出は

「 ODA代わりの“打ち出の小槌” 」 ?

 ノーチェックに等しい態勢で、総額約683億円に上る委託料は適切に処理事業に費やされたのだろうか。
 内閣府は11〜19年度予算の総額は公表しているが、詳細は明かしていない。 なぜ非公表とするのか、意味が不明だ。
 「 内閣府との契約内容は守秘義務が課せられているため説明できない 」
 処理機構側も記者の取材に言葉を濁すのみだ。

 関係者の証言や業務委託契約書などを基に、11年度から15年度までのPCI−日揮JVへの委託内容を再現すると、ざっとこうなる。
  ■発掘や日中専門家会合への支援
  ■環境基準調査
  ■廃水処理実験
  ■発掘回収処理に対する建屋換気口の設置
  ■排ガス化学剤の外部漏洩防止…
 JVへの委託は13年度2件、15年度は15件。 総額27億5700万円の委託料が内閣府から支払われている。
 一方、同様に内閣府から委託を受けた経験がある国問研に契約内容を尋ねると、「 すでに終わった事業なので詳細は分からない 」 と取り付くしまがない。 が、関係者の証言や契約書などによると、国問研と内閣府との間で12年4月3日に交わされた委託内容は、「 平成13年1月31日までに、黒龍江省北安市郊外の砲弾発掘や一時保管庫までの密封梱包、輸送を行う 」 などとして約10億800万円を計上。 人件費、旅費、会議費、通信費、報告書作成費 … などの内訳になっている。
 注目すべきは、この中に 中国政府に支払う 3億円 が含まれていたことである。 名目は「 機材の輸送 」 や「 住民への避難誘導処理 」 「 作業用施設の開設費用 」 などとされている。
 平成15年度までに内閣府が国問研と交わした委託契約は44件で、総額161億5300万円。 このうち 約40億円が中国政府に渡っていた のである。
 国問研はこの事業をめぐり、内閣府とは別に、「 調査 」 名目で外務省とも契約している。 外務省中国課によると、契約額は
  ■平成12年 = 17億6000万円( 中国側への支払い7億3000万円 )
  ■平成13年 = 40億4000万円( 同13億9000万円 )
  ■平成14年 = 60億5000万円( 同15億4000万円 )
  ■平成15年 = 38億5000万円( 同31億5000万円 )。
 この4年間の外務省分で、中国政府に支払われた額は68億1000万円に上った。
 判明しているだけでも、内閣府発注分と外務省発注分を合わせ、中国政府に流れた額は実に100億円を超す

 これらの資金は、具体的に何に使われた、一切明らかにされていない だが、中国問題に詳しい元外交官はこう言い切るのだ。
 「 中国にとって化学兵器処理事業は、政府開発援助( ODA )に代わって日本からカネを引き出すカードになっている 」
 自民党の一部からは「 政府は事件を契機に事業を中断し、すべてをガラス張りにすべきだ 」 との声が上がっている。
 ノーチェックで巨額予算を言い値で垂れ流す態勢に加え、内閣府など政府の無意味な「 非公開主義 」 が遺棄化学兵器処理事業を奇妙な“聖域”にねじ曲げ、腐食させたといえるだろう。 683億円もの巨額支出は、実際にはどう使われたのか100億円を超す中国政府への支出は、何を意味するのか
  PCIグループ捜査が進んでいた時期、特捜部は防衛省を舞台にした贈収賄事件も捜査していた。 ある検察幹部は真剣な表情で、こんな言葉を漏らしていた。
  「 世間が期待する防衛利権の解明も大事だが、国益を考えると、個人的には、この事件( PCI事件 )を徹底的に解明しなければいけないと思う 」
  遺棄化学兵器処理事業の“利権化”は国益を左右しかねないのだ。
( 2008.6.7 17:39 産経新聞 )

PCI元会長、

過去にも資金工作6億円

グループ内で架空契約

議論封じ「 遺棄化学兵器処理 」 突き進んだ歴代内閣の“奇妙”
 ( 産経 2008.6.8 )
 発注者である内閣府の当事者能力の欠如と、政府の非公開主義により、聖域とされ“利権化”してしまった中国大陸での遺棄化学兵器処理事業。 それが独占受注業者「 PCI 」 グループの不正を誘発したが、そもそも事業はスタート前から不可解な経緯をたどっていた。 関係者の証言などで明らかになった中国政府への100億超もの支出。 その詳細を、日本政府も業者も明かさない。 調べるほどに奇妙なのは、遺棄された兵器を処理する責任が真に日本にあるのか、その法議論を封じ込んだまま1兆円事業に突き進んだ歴代内閣の姿勢である。
( 編集委員 宮本雅史 )

「 日本に処理責任 」 …… 土下座外交の“成果”?

 中国大陸に遺棄された化学兵器の処理が政治問題化した発端は、中国政府が平成2年に海部内閣時代の日本政府にその処理と解決を要請してきたことだった。

 その後、日中政府間で協議を重ねられ、平成5年1月に宮沢内閣が「 化学兵器禁止条約 」 に調印。 続いて7年9月に村山内閣が、9年4月に中国政府が、それぞれ条約を批准した。

 条約は「 遺棄化学兵器 」 をこう定義づけた。

 「 1925( 大正14 )年1月1日以降にいずれかの国が他の国の領域内に当該地の国の同意を得ることなく遺棄した化学兵器( 老朽化した化学兵器を含む ) 」

 日本には「 遺棄締約国 」 として、「 他の締約国の領域内に遺棄したすべての化学兵器を廃棄する 」 「 廃棄のため、すべての必要な資金、技術、専門家、施設その他の資源を供給する 」 との義務が課せられた。

 だが、この段階で、日本に処理義務が生じるとした条約への異論があった。

 「 敗戦で中国大陸の旧日本軍は武装解除し、すべての兵器、財産は旧ソ連と中国に没収・接収された。 つまり、遺棄兵器の所有権は旧ソ連と中国に移転したと法的には解釈すべきだ。 とすれば、日本が遺棄したとされる化学兵器は、条約が言うところの当該国( 中国 )の同意を得たものとなり、処理義務が生じるのは旧ソ連となる可能性が高い 」

 「 村山内閣は、遺棄化学兵器の『 所有権 』 がどこにあるのか、日本政府に真にその責任があるのかなど、基本的な問題を精査することなく条約を批准した。 最初から『 日本に責任あり 』 の立場が取られていた 」


まるで土下座外交の如く……

 村山富市 首相( 当時 )は批准の際、「 遺棄したほうの国にその処理の責任がある。 誠実に実行するのは当然だ 」 と述べ、河野洋平 外相( 同 )も「 外国が残したものを含めて日本が責任をもって処理する 」 とまで断言した。

 本当に日本政府に処理義務が生じるのか、異論があったにもかかわらず、それを精査した形跡は見あたらない。 関係者が振り返る通り、「 初めから日本に責任ありの立場 」 であった。

 その後、小渕内閣は「 日本政府は条約に従って廃棄の義務を誠実に履行する 」 とし、その上で次の覚書を交わした。

 「 遺棄化学兵器の廃棄のため、すべての必要な資金、技術、専門家、施設及びその他の資源を提供する 」
 「 廃棄作業は、中国政府の法律を遵守する 」
 「 事故が発生した場合は、両国で協議を行い、日本側は必要な補償を与える 」

 これではまるで、中国に対する“土下座外交”ではないだろうか…。

 「 村山、河野発言を受けて外務省が主導で批准したので、当方では分かりかねます 」

 処理事業を主管し、これまで680億円もの予算を執行してきた内閣府( 遺棄化学兵器処理担当室 )に条約批准の経緯を聞くと、人ごとのような回答が返って来るのみだった。


物証「 兵器引継書 」 も真剣に精査されず ……

 中国大陸に遺棄された化学兵器の処理義務は本当に日本政府にあるのか−? その疑念を増幅させる事実が一昨年春、判明した。

 山形県の全国抑留者補償協議会( 全抑協 )のシベリア資料館に、中国で旧日本軍が武装解除する際、引き渡した武器、弾薬の詳細を記した「 兵器引継書 」 約600冊が残されていることが明らかになったのである。

 「 兵器引継書 」 は、旧ソ連軍に旧日本軍が武器を引き渡したことを証明する物的証拠である。 引継書の中に「 化学兵器 」 があれば、中国に遺棄された化学兵器の処理義務は日本ではなく、旧ソ連に発生することになる。 680億円もの出費は必要なくなるのだ。

 「 この資料は精査すべき内容だ。 政府としてもしかるべき調査をする 」

 安倍晋三官房長官( 当時 )は衆院内閣委員会で「 兵器引継書 」 の存在について問われ、こう答弁した。

 外務省は引継書の3分の1を写真撮影し、民間の専門家に判読を委託している。 しかし、その調査結果については公表されるわけではなく、事業自体の基本的な疑問点は放置されたままだ。

 内閣府( 遺棄化学兵器処理担当室 )は「 引継書はあったと言われるが、通常兵器の記載はあるものの化学兵器の記載はないと聞いている。 外務省の担当なので分からない 」 と要領を得ない。

 実際に引継書を検討しているという外務省に聞くと…。

 「 目録の3分の1程度しか見ていないが、必ずしも化学兵器と読める表記はなく、引き渡しの事実を裏付けるものではなかった。 ただ、残りは資料館との関係で許可を得られず、精査の手は及んでいない 」
 「 武装解除の検証はしていない 」

 内閣府も外務省も、およそ当事者意識は感じられない対応である。 「 兵器引継書 」 の内容如何によっては、680億円もの支出が不要となる可能性が浮上するのだ。 日本政府にしてみれば“血眼”になって「 化学兵器 」 の表記を探して不思議でない。 ところが政府にその必死さはまったくうかがえない。 この“無気力さ”は不可解としか映らないのだ…。

 その後も処理事業は、日本に化学兵器の処理を実行する義務があるのか厳密に精査されることのないまま、条約と覚書に沿って継続されている。 巨額の血税が湯水の如く費やされている。

 プロジェクトは10年目を迎えた今も、化学兵器の処理方法やその委託企業は決まっていない。 内閣府は昨年4月、完了時期を5年間延長した。 しかし、関係者の間では「 5年延長しても完了するかどうか微妙だ 」 と事業そのものへの不信感も根強い。

 出口の見えないメガプロジェクト。 われわれの国費投下は際限なく続きそうだ。 本当に必要な出費であるかの確認もなく、ノーチェックで業者に食い物にされるようないい加減さで…。

 議論を封印しての、日本政府の「 事業ありき 」 の姿勢。 いったい何を物語っているのだろうか。
( 2008.6.10 )




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