中国の過酷な「 奴隷労働 」の実態とは



 「 棒で殴られ足の骨が折れた。 一緒に働いていた2人は殴り殺されたが、死体がどこにあるのか分からない 」
 中国山西省洪洞県のあるレンガ工場から救出された申海軍さん( 38 )は腫れ上がった左足をさすりながらこのように語った。 申さんは3カ月にわたり毎日15時間労働を強いられていた。 業者を殺せなかったのが恨みとして残っている、と泣きながら語った。 30数人いたレンガ工場の「 奴隷 」の中には子供7人も含まれていたという。

 中国公安当局が捜査した山西省や河南省のレンガ工場での現代版奴隷事件を機に、中国内部での悲惨な労働や人権の実態が明らかになりつつある。 北京オリンピックを1年後に控えたこの時期、中国人はこれらの実情に怒りを隠せない。

◆労働と人権の死角、中国の裏の姿

 衡庭漢という人物が経営していた工場からは労働者31人が救出された。 彼らは周辺都市の駅やバスターミナルで拉致されたり、人身売買で売られてきたという。 1日16時間働いても、サボっていると言って殴られ続けた。 他の工場で監視員として働いていた時に拘束された陳某容疑者は「 2003年から、1人当たり130人民元( 約2100円 )で20人ほど人身売買グループから買い取った 」と証言した。 新京報は18日付で「 毎晩殴られている労働者たちの残酷な悲鳴が周辺に響いていた 」という奴隷労働者たちの証言を報じた。

 中国公安はこれまで2500カ所のレンガ工場に対し抜き打ちで捜査を行い、8歳から18歳の未成年者50人を含む560人を救出し、業者ら168人を逮捕した。 中国マスコミは、山西省だけで少なくとも7500カ所のレンガ工場があると推定している。

 四川省のある職業学校では、実習の名目で200人以上の学生が1日14時間、広東省東莞の某工場で強制的に働かされていたという。 学校側は「 実習に参加しないと卒業できない 」として学生たちの労働力を搾取していた。 国際労働運動団体の連合体であるプレイフェアは最近の報告書で、浙江省と広東省にあるオリンピック記念品工場4カ所では12歳の児童までを強制的に働かせていると暴露した。 さらに15日には河南省で4年にわたり118人の児童を拉致し、全国各地に売りさばいていた人身売買グループ一家が逮捕された。

◆中国人から怒りの声

 中国人たちは、これらの大規模な人権蹂躙は公務員の協力なしには不可能だと怒りに満ちている。 とりわけ王兵兵というあるレンガ工場の経営者が共産党地方組織の書記の息子であることが明らかになると、市民の怒りは最高潮に達した。 インターネット上には「 公務員の協力がなければ不可能なことだ 」「 腐敗公務員に対する処罰を同時に要求しよう 」などの書き込みが寄せられている。 南方都市報は「 他国なら政治的危機と不信任を招く事件 」とし、広州日報は「 中央政府の支配力が弱まっている証拠だ 」と分析した。

 これに対し胡錦濤主席や温家宝首相は「 徹底した真相究明 」を指示し、中央政府レベルでの調査チームを現地に派遣した。 これにより、警察官3万5000人以上が調査に投入されるという。

 結局、王兵兵の父親は解任された。 そして国民の怒りを静めるため、開放された労働者1人に対し1000人民元( 約1万6000円 )が支払われることになった。 中国共産党は、問題の拡大を防ぐため一部のマスコミに対し、報道の自制を指示したという。

最近明らかになった中国の労働・人権侵害事件
事件 内容 処置
山西省・河南省のレンガ工場で現代版奴隷事件 児童や農民を拉致し、奴隷のように働かせて暴力を振るった業者168人を逮捕。 未成年者50人以上を含む労働者560人を救出 子供が誘惑された河南省の親たちによるインターネット上での告発やCCTVによる潜入取材で明らかに。 警察官3万5000人以上が投入され捜査が行われている。
四川省の職業学校における労働搾取事件 四川省の職業学校で、学生200人以上が広東省などの工場で実習名目で1日14時間労働に従事させられる。 ある地方新聞が暴露。 当局が捜査中。
オリンピック記念品製造企業での児童労働搾取事件 広東省や浙江省のオリンピック記念品製造工場4ヵ所が12歳の児童を雇用 国際労働団体連合であるプレイフェアが発表した報告書で暴露。 北京オリンピック委員会が調査中。
河南省児童売買グループ事件 4人家族が人身売買を行い2003年から児童118人を拉致・売買 犯人グループ検挙。





グッズ、競技場、インフラ整備はここまで劣悪な労働条件で作られている
少年、身障者まで過重過密低賃金労働!
北京五輪を支えているのは
  「 現代の奴隷工場 」だ


 北京五輪まであと1年。 メインスタジアムほか関連施設の建設ラッシュ、住民を強制退去させての土地整備……北京は建設業界を中心に労働者で溢れ、さまざまな関連グッズの製造にもあまたの労働力が投入されている。 そこに人権問題に敏感な欧米諸国から食品の安全問題に続いて強い非難の声が上がった。 北京五輪を陰で支える労働者たちが過酷な労働条件に晒されているという「 現代の奴隷工場 」問題である。

未成年者が時給48円で深夜2時まで単純労働

 6月10日、ベルギーのブリュッセルに本部を置く「 プレイフェア2008 」は、「 児童労働反対世界デー( 6月12日 ) 」に合わせ、北京五輪組織委員会( BOCOG )が許可した手帳やバッグ、帽子など、五輪公式記念グッズを製造する中国工場4社が、12歳以上の児童を含む少年少女を低賃金や時間外労働など、過酷な環境で働かせていることを告発した。
 「 プレイフェア2008 」は、世界153か国から成る国際労働組合総連合( ITUC )やNGOなどが、労働者虐待や搾取の撤廃を訴えて五輪ごとにつくる連合組織で、4年前のアテネ五輪でも「 プレイフェア2004 」が組織されている。 「 2008 」は北京五輪に向けて働く中国人労働者の人権と労働環境を調査し、その実態を告発するとともに中国政府やスポンサー企業により艮い労働環境を呼びかけるのが目的だ。 中国企業に対する強制力はないものの、北京五輪組織委員会だけでなく、国際オリンピック委員会( IOC )に対して一定の影響力をもつ。
 プレイフェアの調査報告書によると、今年まず現地調査に入ったのは、広東省東莞市にある文具製造会社「 利奇文教用品有限公司 」。 北京五輪で販売するルーズリーフのノートやビジネス手帳などを製造する同社では、中国の労働基準法に違反する16歳未満の未成年者20人以上を雇い、商品工場で朝7時半から遅い場合は深夜2時まで、最長19時間近くも働かせていた。
 調査員が撮影した証拠写真には、子供たちが大きなテーブルのある仕事場でノートを整然と積み重ね、5冊ずつのユニットにまとめる単純労働をこなす姿が映っている。 子供たちは労働費抑制のため、市で決められている最低賃金を下回る1時間3元( 約48円 )程度の安い時給で雇われていた。 なかには、母親が工場に連れてきて、その賃金を受け取っていたケースもあったとされ、この問題に対する中国人民の意識の低さを示している。
 12歳の少年が1日15時間働いていたとして世界中から非難されたのもこの工場であり、これまで厚いベールに包まれてきた拝金主義に猛進する中国企業の実態が、世界に向けて白日の下に晒された。

産前産後の休暇なく働き続ける女性労働者

 調査報告書の摘発内容を続けよう。
 広東省深川市に北京五輪の公式バッグエ場をもつ「 裕栄昌軽工製品有限公司 」では、従業員の多くを法律で定められた最低賃金( 例えば広東省の場合、06年9月時点で月額780元程度 )よりも30〜40%低い低賃金で働かせていた。 最近規模を拡大し、成功を収めていた「 裕栄昌 」グループは、アメリカのワシントンDCにも会社を置き、ディズニーやウォルマートなどに商品を卸すグローバル企業でもある。
 ところが「 プレイフェア 」によると、その名声に反して、深川市の同社工場は、換気の悪い通気口で空気はよどみ、労働者の健康や安全に関心を払わない劣悪な労働環境が見受けられたという。 織物部門では、染め物で痛々しく手がただれた労働者もいた。 職場でミスを重ねると、現場のマネージャーから厳しく処罰され、ときには免職処分を受ける。 女性労働者は、産前産後の休暇さえ与えられていなかった。
 さらに、香港に本社を置く「 兆億国際企業有限公司 」の傘下で、広東省東莞市に革製品工場を持つ「 意高皮革製品有限公司 」では、「 搾取的な労働 」が行なわれていたと報告されている。
 同社は、オリンピックの公式ライセンスグッズである旅行鞄の50%以上を製造しているが、プレイフェアの調査によると、医療保険も掛けずに1日8.5時間労働で、1週間ほとんど休みなく働かせていたという。
 「 私たちは、オリンピックバッグを作るのに、大変疲れた。 死ぬまでオリンピック製品の製造だ。 一体、どんな人生なんだろう 」
 同社の中国人労働者たちは毎日野菜ばかりで、満足に欲しいものが食べられない、という悲惨な実態も訴えている。
 最後は、北京五輪の公式五輪バッジや帽子のワッペンを製作している「 飛達帽業控股有限公司 」( 深川市 )のケース。 この会社も従業員が全体で3000人以上いるグローバル企業だが、1日13.5時間以上、1か月に26日間の労働を強いていたことが明らかになった。 ある工場労働者は、賃金の半分近くを搾取され、「 辞めたくても辞められない 」と語っている。
 プレイフェアによる調査は、北京五輪組織委員会を直撃した。 同委員会の蒋効愚副会長は、「 違反が事実だった場合、その企業とは五輪メーカーとしての契約を打ち切る 」と明言したものの、7月末時点になってもいまだ処分を明確にしていない。
 ある中国人ジャーナリストはこう語る。
 「 プレイフェアが調査した企業は、どれも中国では有名な一流企業ばかりで、広東省周辺の工場に限られている。 中国の企業全体に目を向けられるともっと大変なことになる。 中国政府も、世界の目があるから企業を処罰したいとは考えているようだが、他企業にも似たようなケースが多いため、ひとつ摘発すれば雪崩式にやらざるを得ず、そうなれば逆に国際的な評価を落としてしまう。 結果、なかなか処分に踏み切れないでいる 」
 北京五輪グッズの製造・販売許可を得ている企業は、全体で60社あるが、他にも残酷な「 奴隷労働 」を強いている企業が隠れている可能性は高い。
 実際、中国ではこの7月、北京五輪のレスリングスタジアムの建設に当たっていた労働者が、賃金の未払いを訴えるため飛び降り自殺を図った。 また、実際に未払いによって困窮し自殺に追い込まれた例も数多く報じられている。 香港誌の報道によれば、北京市の建設業者全体では、約2年間で労働者への賃金不払いが30億元にも上っていた。 賃金不払いはこのほかにも枚挙に暇がない。

「 闇工場 」から救出された労働者はわずか1%

 プレイフェアによる告発と時を同じくした6月中旬、中国で明らかになったのが、山西省臨扮市で許可を受けずに営業していたレンガエ場での少年や出稼ぎ労働者の「 奴隷労働事件 」だ。
 この「 闇レンガエ場 」では、拉致・誘拐実行班が河南省鄭州市などの駅周辺で、「 月給を800元あげる 」などと騙して誘拐し、工場で過酷な強制労働を強いていた。 同工場では最年少で8歳の子供たち約1000人が、食事もろくに与えられず、暴行を受けながら働かされていたという。
 少年工被害者の張勝利の話によれば、彼らは朝5時に叩き起こされ、夜12時まで16時間以上働かされていた。 レンガを焼く窯のなかは100℃以上になることもあったという。 1日3食、白菜や大根の漬物だけで、風呂には入れず虱が全身にわいていた。 夜は逃亡できないよう監視者が置かれ、発見された逃亡者は連れ戻され殴られて身体に障害を持った少年もいたらしい。 また知的障害者も多かった。 救出された少年たちは、体中に大やけどを負った状態で、両足が変形していた。 生き埋めにされたケースもあったという。
 「 山西省には1000を超えるレンガエ場があるが、少年たちが生きて帰ってくることは、ほとんど不可能だ 」
 と地元住民は語っている。
 驚くべきことに、誘拐された少年たちは、1人当たりわずか約500元( 約8000円 )ほどでブローカーを通じて人身売買されていた。 誘拐 は地元の駅員たちが手引きしたケースもあり、10年以上前から、共産党の地方幹部と業者が結託し、賄賂を受け取りながら日常的に行なわれていたという。
 事件のあまりの悲惨さに、地元メディアをはじめ中国全土のメディアがこれを報じ、前述のプレイフェアによって告発された過酷な労働の報道さえ完全にかき消された。
 ちなみに山西省のレンガ工場の少年強制労働事件がなぜ発覚したかというと、最初は被害者の父親約400人がインターネットで告発したことがきっかけだった。 地元マスコミが後追い報道し、騒ぎが広がるにつれて、普段は共産党によって強く敷かれている報道管制が破れ、中国のマスメディアが一斉に報道、事件を重く見た北京政府は子供たちを働かせていた山西省の責任を問わざるを得なくなった。 最終的には、温家宝首相ら中央政府幹部の指示で大がかりな捜索が行なわれ、河南省では約3万5000人の公安警察官を動員して事件の処理に当たった。
 中国全土からの激しい非難を浴びたこの事件は、最後は主犯格である工場経営者ら2名の死刑と無期懲役、共産党地方幹部95名の党規違反処分が行なわれたが、それでも山西省全体で約5万人は存在していたはずの強制労働者のうち、約1%の560人ほどしか救出・解放されなかった。
 中国の人権問題に詳しいアメリカ系ラジオ局の「 自由亜州電台 」の王進忠記者は、こう解説する。
 「 この事件も、あくまで中国国内では氷山の一角です。 昔から中国の地方では、貧しい少年や知的障害者を働かせる慣習がありました。 最近はあまりに急速な経済発展で都市部では成年の一般労働者の賃金が高くなり、また地方でも都市への労働力の流出で労働者が不足しているため少年たちを働かせなければならなくなっている。 中国特有の“発展病”ともいえるでしょう 」
 事実、誘拐した少年などを強制労働させている工場があるのは山西省だけでなく、河北省、河南省、山東省、広東省、雲南省など、中国全土に広がっている可能性が高いといわれている。 中国の「 奴隷工場 」問題は根深い。
 カール・マルクスの「 資本論 」によって定義された共産主義は、資本家による労働者からの「 搾取 」を厳しく批判したが、中国という拝金主義国家によってその姿は変質し、いまや羊頭狗肉化しているのが実態だ。 「 奴隷労働 」を強いている中国企業には、社会主義国家であるにもかかわらずほとんど労働組合が存在していない。
 いま中国人たちは、自国の社会制度を「 一国二制度 」ならぬ、「 一国三制度 」であると蔑んでいる。 「 社会主義 」「 資本主義 」「 奴隷主義 」の三制度というわけだが、中国共産党がこの状態を放置するなら、来年の北京五輪を開催する資格はないといえるだろう。





中国・人身売買の実情とは

 正月連休のさなか、中国山東省青島市を訪れたスー・ジンポンさん( 18 )とスー・ジントゥオさん( 16 )の姉妹は、帰路に「 暖かい寝床と食事を準備してあげる 」という親切な女性に出会った。 二人はバスの乗車券を購入したときにだまされ、家に帰る交通費すらない状況だった。 しかし、女性の案内で姉妹が乗ったバスが着いたのは、山西省にあるれんが工場。 二人は一緒に到着した子どもたちと「 現代版の奴隷 」ともいえる強制労働を強いられていたが、やっとの思いで脱出した。

 中国で拉致と人身売買により連れていかれ、強制労働を強いられた被害者の証言が明らかになり、中国の劣悪な労働環境と人権問題が再び批判の的になっている。 スーさん姉妹をはじめとする被害者の多くは、誘拐または拉致に遭い、毎日17〜18時間も殴打されながら強制的に働かされ、食事は水とギョウザだけという状況だった。 被害者が働いていた工場の経営者は、人身売買業者から約6万ウォン( 8000円 )で労働者を買ったり、虚偽広告で貧しい農民、労働者、子どもを誘い込んだりしていた。

 今回の騒動は、中国河南省で拉致被害者の父母400人余りが地元当局に告発したものの無視されたため、「 れんが工場で強制労働を強いられている子どもたちを救ってほしい 」というメッセージをインターネット上に掲載したことがきっかけで巻き起こった。 中国当局は後になって工場が密集している山西省や河南省一帯を調査し、労働搾取の現場摘発に乗り出した。 フィナンシャル・タイムズは18日、「 中国当局が18歳未満の子どもたち50人余りを含め560人以上の労働者を救出した 」と報じた。 中国のマスコミは強制労働をさせられた未成年者が山西省だけで1000人に達するとみている。

 インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙は19日、「 胡錦濤国家主席は『 調和社会 』を強調しているが、れんが工場の現実は中国政府のビジョンとは異なる 」と指摘した。





中国奴隷労働者の惨事が明るみに
信じられない本当の『 死ぬほど洒落にならない話 』の話。


Times (UK) / 2007-06-11 11:39:49

Slaves rescued from factory owned by party boss's son
( 共産党のボスの息子がオーナーの工場から、奴隷が救出される )
Jane Macartney in Beijing
Times:June 9, 2007

A group of migrant labourers have been freed by police after being forced to work as slaves in horrific conditions for the son of a local Communist Party chief.

地元の共産党リーダーの息子の為に、とんでもない状況の中で奴隷労働を強制された後、移民労働者のグループが警察によって解放された。

They had survived on steamed bread and water for more than a year and eight of the thirty-one were so traumatised that they were unable even to remember their own names, state media said.

彼らは一年以上蒸しパンと水で生き延び、31人中8人は余りにも酷いトラウマで、自分の名前すら思い出せなかった、と国営メディアが伝えた。

Residents of Caosheng village in the northwestern Shanxi province said that the only reason the illegal brickworks had been allowed to operate for so long was because Wang Dongji, the party secretary, was the father of the factory boss, Wang Binbin, One worker, identified as Zhao Yanbin, was beaten to death with a hammer last December and his body wrapped in plastic and buried on a near-by hillside, the survivors told police. Those found in the police swoop had bruises, wounds and burns all over their bodies from having been forced to carry still-hot bricks and to walk barefoot in the kiln.

北西部の山西省にあるCaosheng村の住民達は、違法レンガ工場がこれほど長い間許されてきた唯一の理由は、工場のボスWang Binbinの父親がWang Dongji党書記だからだ、と言った。 Zhao Yanbinとされる労働者の一人は昨年12月、金槌で殴り殺され、死体はビニールに包まれて近所の丘に埋められた、と生き残った者達が警察に告げた。 警察の捜査で発見された人々は、未だ熱いレンガを運ばされ、窯の中を裸足で歩かされていたので、体中痣だらけ、傷だらけ、火傷だらけだった。

The men had been unable to wash, change their clothes or clean their teeth in the 18 months since they were duped with the prospect of a job and left the trains on which they were travelling in search of work in the cities, the Shanxi Evening News said. "The grime on their bodies was so thick it could be scraped off with a knife," it said.

仕事の話に騙されて、都市での仕事を探して乗ってきた列車を降りて以来18ヶ月間、この人々は衣服を洗う事も着替える事も、歯を磨く事すら出来なかった、と山西イブニング・ニュースは伝えた。 「 彼らの体の垢はナイフでこそぎ落とせるほど厚かった 」とした。

Inside the brickworks, they were watched by five guards with six dogs, to make sure that no one could escape. They were forced to work every day from 5am until after midnight and received no pay.

レンガ工場の中では、誰も逃げ出さないようにする為に、5人の警備員と6匹の犬に彼らは監視されていた。 彼らは毎日朝5時から深夜過ぎまで労働を強制され、一銭も金は支払われなかった。

The foreman's son and one of the guards had been detained by police, but the foreman and four others were on the run. The brickworks boss, Wang Binbin, who has also been detained, told police that the foreman gave him 360 yuan (£23) for every 10,000 bricks produced. He said that it cost him 0.036 yuan to produce a brick and he could make a profit ten times that on his sales on the market.

現場監督の息子と警備員の一人が警察に拘留されているが、現場監督と他4名は逃亡中だ。 同じく拘留中のレンガ工場のボスWang Binbinは警察に、現場監督はレンガ1万個につき360元( £23;約5,700円 )支払ってくれた、と語った。

Accommodation had been found for the workers in the village while the Government tried to get their wages. Officials were also trying to trace the homes of the eight men so that they could return, the newspaper said.

村の中では労働者の為の宿泊所が見つけ出され、一方政府は彼らの給料を取ろうとした。 当局はまた、8人の男性が家に帰れるよう、家を探そうとしている、と同紙は伝えた。

Millions of migrant workers from poor rural areas flock to urban areas of China each year in search of work, hoping for a share of the fruits of an economy clocking near double-digit growth.

2桁近い成長を続けている経済のおこぼれを与りたい、と貧しい田舎からの移民労働者数百万人が、毎年仕事を探して都市部に集まっている。

Working for £1 a day or less, they have helped to turn China into the workshop of the world and one of the biggest economies. Many work without formal contracts and have little recourse to the law when disputes occur.

一日£1もしくはそれ以下で働き、彼らは中国を世界の工場、そして経済大国の一つに変えるのを助けてきた。 多くの仕事は正式な契約もなく、問題が起こった時に法律に頼れる事はほとんどない。

The discovery was made public just as the Communist Party, which has ruled China with an iron grip since 1949, stepped up its campaign against corruption, announcing leniency for dishonest officials who confess but pledging not to allow a single wrongdoer to escape the crackdown.

1949年以来鉄の支配力で中国を仕切ってきた共産党が、白状した不正な当局者に対する寛大な処置を発表しながらも、一人の不正者もこの取締りから逃せさせないと誓約し、不正対策キャンペーンをちょうど強化した時に、この事件は明らかにされた。

The latest directive from the party's watchdog of probity, the Central Discipline Inspection Commission, said that officials had until the end of the month to admit their guilt ・ although those already under suspicion who try to return their ill-gotten gains would not be spared.

党の不正監視機関、中央規律検査委員会から出された最新の指導は、職員が罪を白状する猶予を今月末まで与える、とした…もっとも、不正蓄財を返還しようとしている、既に疑惑をかけられている者達は許されないが…。

The directive said: "Leniency can be considered if they take the initiative to tell of their problems. Those who refuse . . . will be seriously dealt with."

指導はこう記された。 「 自分達の問題を告げるにあたって自ら行動した場合、寛大な処置も検討され得る。 それを拒絶する者達は深刻な対応がなされる 」。

It did not say how the party would have more success than in the past in its attempts to curb corruption.

過去の不正削減の試みよりもどれほど成功するかについては述べなかった。

Shady civil servants are coming up with ever more cunning schemes to avoid detection.

怪しい役人達は、摘発を避ける為に、これまでより更に小賢しい手を編み出している。

Some officials have understandings with businessmen to provide a favour in advance and receive the reward after leaving their jobs ・ a practice that the Chinese media calls "bribe futures".

一部の役人は、先に有利に取り計らいをして、彼らが仕事を辞めた後に報酬を受け取る、という合意を商売人と結んでいる。 『先物賄賂』と中国メディアが呼ぶ行為だ。

Under the new regulations, officials are banned from running companies with money-men who also give them handsome dividends. They are also prevented from taking earnings from stocks or futures that they did not actually buy.

新規定の下、役人達は彼らにたんまり配当もくれる金融関係者と企業経営を行う事を禁止される。 また、彼らは自分達が実際に購入していない株式や先物から儲けを得る事も禁止されている。

Other blacklisted bribery includes well-paid nominal jobs ・ usually for relatives of the officials ・ as well as buying property or cars at prices conspicuously lower than those on the open market.

他の賄賂ブラックリストに入れられている行為には、高報酬の名前だけの仕事( 通常は役人の親戚の為にやる )、そして市場価格よりも遥かに低価格で不動産や車を購入する事がある。





中国で奴隷が発見、救出される

 中国は、国内奴隷制を確立したことで経済発展に成功したと言われている。 そして実際に、その奴隷が発見された。 写真にはひどい状態の人々が・・・

'Slaves' rescued from China firm
By Michael Bristow
BBC News, Beijing

Many workers had extensive burns from the hot bricks
Thirty-one dirty and disorientated workers have been rescued from a brickwork factory in China, where they were being held as virtual slaves.

Eight workers were so traumatised by their experiences that they were only able to remember their names.

The labourers had to work unpaid for 20 hours at a time, and were only given bread and water in return.

The brickworks, in the poor inland province of Shanxi, is owned by the son of the local Communist Party secretary.

Local police told the BBC that the owner, Wang Binbin, had been arrested, and that his father, Wang Dongji, was under investigation.

Several other people have also been arrested, although the foreman is still on the run.

Harsh regime

According to a report in the Beijing News, citing the Shanxi Evening News, the rescued workers had been duped into working at the factory.

Once there, they faced a harsh regime. One man was even reported to have been beaten to death with a hammer, because he did not work fast enough.

The workers were only given bread and water
When police raided the brickworks they discovered foul-smelling workers who had been wearing the same clothes for a year.

They had no facilities to wash, and they had not had their hair cut or brushed their teeth.

"The grime on their bodies was so thick it could be scraped off with a knife," the Beijing News said.

They had burns over their bodies after being made to carry bricks that had not cooled down properly.

Police are now arranging for the workers to get the wages they should have been paid, and then they will send them home, although the eight disorientated workers cannot remember where that is.

Local people said the brickworks, near Linfen, would have been closed down a long time ago had it not been for the protection of the party secretary.

China has tens of millions of migrant workers.

They leave their rural homes in search of work, but often have to endure harsh conditions, bad treatment and low pay.

There is little they can do about their lot, particularly when, as in this case, factory owners are protected by powerful local officials.


BBCニュース: 'Slaves' rescued from China firm 要約
 中国のレンガ工場で奴隷として働かされていた男女31人が救出された。 そのうち8人は、精神的な後遺症のため、記憶喪失状態であり、自分の名前以外は覚えていない。 労働時間は、1日20時間。 報酬は、パンと水だけ。 驚いたことに、その工場の所有者の父親は、共産党員だった。
労働者たちの環境は最悪
 作業が遅いために、ハンマーで殴り殺されたものもいた。 衣服は1年間同じ。 身体を洗うことも、歯を磨くことも、髪の毛を切ることもできなかった。
 「 垢が積み重なり、ナイフで削りとれるほどだった 」と、Beijingニュースは伝えている。
 冷めきらないレンガを運搬させられたため、彼ら( 彼女ら )の身体にはたくさんの火傷跡が見つかった。
なぜ奴隷になったのか
 中国には、何千万人もの出稼労働者がいる。 彼らは仕事を求め地方の家を出る。 そのような人々がだまされて工場に連れてこられたのだ。
 工場のオーナーが地元の実力者の場合、このような危険な状況に陥る可能性がある。  …とBBCニュースは結んでいる。
【 BBC:2007-06-08 18:26:28 】





強制労働、子供100人救出

中国「 童工 」市場 未成年労働者の実態浮き彫りに

 【北京=福島香織】 中国広東省東莞市の電子工場などで、四川省涼山彜族自治州の農村からだまされて連れて来られた子供が強制労働に従事させられていたことが、広東省地元紙・南方都市報の調査報道で明らかになった。

 同紙の28日付以降の一連の報道によると、広東省一帯には、「 童工 」と呼ばれる未成年労働者の大規模な市場があり、この5年にわたり数百人が売られてきたという。 多くが9歳から16歳の未成年。 時間給3.8元以下と同市規定の最低賃金下回る賃金で、月360時間もの長時間労働を強制され、賃金の3分の2は仲買人らに搾取されていた。 食事も数日に1回しか与えられず、少女だと仲買人らにレイプされたり、逃げた少年が殺害されたケースもあったという。

 報道をうけて東莞市警察は捜査に乗りだし、2日までに100人以上の子供たちを救出。 売買にかかわった15人の容疑者を拘束しているという。 中国では昨年6月、山西省臨汾市洪洞県のレンガ工場で大規模な未成年強制労働事件が発覚。 これまでひた隠しにされてきた「 世界の工場 」の違法労働力市場の実態が明らかになってきている。
産経新聞( 2008.5.2 19:59 )





中国とは太刀打ちできない!

<奴隷扱いにもめげない国民>

 【 エスタード・デ・サンパウロ紙4月30日 】 メーデーに寄せて中国の労働方式を観察した後、セウソ・ミング氏が次のような報告をした。 中国は過去4年間、9%から10%の高度成長を保ってきた国。 高度成長の秘訣は比較にならない程安い人件費だという。
 ブラジルでも大手企業が中国へ企業移住を行っている。 中国が世界の人件費を引き下げていると言っても過言ではない。 中国製品が世界の津々浦々浸透し、労働者の職を奪い給料を減らしている。 ブラジルも例外ではないので、一考の必要がある。
 この記事を読んでいる読者の生活も、遅かれ早かれ中国の影響を受ける。 あなたのサラリーは奪われ、あなたの職場も脅かされる。 中国の労働法は1994年に制定された。 中国の労働法は農村振興の延長線であって単なる参考に過ぎない。 労働者の権利など微塵だに触れていない。
 法律よりも現実の生活がどうなのかだけが問題なのだ。 例えば、労働時間は週40時間と定められている。 しかし、実際は70時間が普通である。 最低賃金は労働法に定めてあるが、単なるタテマエに過ぎない。 労働法が適用されるのはほんの一部のエリート社員で、月収70ドルが相場。 それ以外は、最低賃金などあってないようなもの。
 ミング氏が現地調査をしたところ、中国に13億人の労働者がいて、70ドルの最低賃金を受け取るのは3億人である。 あとの10億人は、餓死しない程度の給料で働いている。 これが中国だ。 ちなみにブラジルの最低賃金は、170ドル。 米国は800ドル以上。
 伯中弁護士協会は、多国籍企業の中国進出のため労働法の改正を求めた。 しかし、中国の企業家はほとんど労働法など守っていないし、最低賃金も払っていないため大反対であった。
 ブラジルの労働法では労働者を採用すると、会社は厚生福利負担金や有給休暇、有給休職、13カ月目給料、FGTSなど給料の103%を負担する。 中国の場合は、会社側の負担が57%である。 有給休暇は祭日を入れて15日、13カ月目給料やボーナス、FGTS、INSSなど全くなし。
 年金の掛け金は、給料の20%、医療保険と住宅基金が10%、出産保険と労働災害保険が0.8%、失業保険が1.5%。 解雇は20年間、理由のいかんを問わず即時クビ。 労働者は虫ケラ同様であった。 しかし、最近少し変わった。
 中国の労働者は給料が安いが、購買力はバカにできない。 社会主義制度により最低限の食料、医療、教育、住宅は無料となっている。 企業は従業員に最低限の住まいと食事を供給する。 労働条件はブラジルと比較したら奴隷扱いだが、不平をいわない。 若者らは結構楽しそうだ。
 労働争議や抗議運動が起きるのは、農村部だけのようだ。 しかし中国の国際競争力は単なる超格安の人件費だけではない。 複雑な要素から成り立っている。 ブラジルより遥かにインフラが整備されていることだ。 それに膨大な国内市場を抱えていることも強い。

【 2007/4/30 】





信じがたき人身売買の実態

名札をぶら下げて立っている女

 「 食人 」 と並んで「 人身売買 」 は、中国の反文化伝統の木に咲いた醜悪な果実である。
 二十世紀末の中国大陸の人身売買現象は、ギネスブックに載せられるほど奇異で、反人道的な蛮行だ。 人身売買ブローカーと専門集団が主に貧困な農村の女性を、人妻であろうと、若い娘であろうと、幼い少女であろうと関係なく連れていき、結婚相手が見つけられない独身男性に売り飛ばすルートができているケースが多い。
 中国の歴史を振り返ると、どの時代であれ人身売買の記録が必ず登場する。 かかる歴史的伝統を持っている中国でも、1980年代からこんにちまでの人身売買は、その数字や手段から見て、史上最高といっていいほど猖獗しょうけつをきわめた。 数万名、数十万名の無辜むこの女性が同じ人間である商売人の手で蹂躙じゅうりんされ、凌辱りょうじょくされた末に、牛か豚のように二束三文で売られていく。 とうてい信じがたいような話だが、厳然たる事実なのだ。 新聞記事からその一断面を見てみよう。
 誘拐されて売られる女性たちは、道端に名札をぶら下げて立っているが、その名札には価格が書かれている。 それこそ昔アメリカで行なわれた黒人奴隷売買の光景である。 しかし二十世紀、それも80年代、90年代に、わが同胞の女性が、わが故国で、このように公然と売られているのだ。
 野次馬たちが集まり見物している。 買おうかどうかためらっている人もいる。 神経が鈍い人間か、貧しいけれど性欲の旺盛な男たちだ。 結局女たちは引っ張られていく。 いまでも山東さんとう省、あるいは安徽あんき省のどこかの小都市や田舎村で、相変わらずこのような光景が続いているはずだ。
 帰来きらいという中国のノソフィクショソ作家が書いた『 範県はんけん婦女子人身売買大実録 』 という本がある。 範県とは山東省と河南かなん省の境界にある、黄河流域の極貧の地方だ。 歴史的に黄河の川堤が洪水で決壊し、毎年水害に遭ってきた範県は、極度に土地が痩せており、ついには大陸有数の貧困県となった。 非識字と半野性の農民たちが代々この不毛の土地で粘り強く生きてきたが、最近になって女性の人身売買で一躍国際的な「 名所 」 となった。
 その実録を読むと、一家をあげて人買い商人であるケースも登場する。 父親が息子と組んで女性を誘拐して売買するのだが、なんと母親や妹までが総動員される。 結局、女が女を売買するという世にもまれな悲劇が演出されるわけだ。 誘拐する手段は主に四川しせん省の山間地区や西北地域の貧村から、労働者を募集するという口実で人を集める。 貧しさにあえぎ苦しみ、生まれてこのかたブラジャーや生理帯さえ見たこともない少女たちは、その誘惑の罠にはまってブローカーに連れられていく。 汽車に乗り、バスに乗り換えて何日も、ときには何週間もかけて、ある名も知らない地方の渓谷に着く。 そしてその純真な娘を脅迫して乱暴し、自尊心と羞恥心を残酷にも奪い取り、買い手と値段を駆け引きした末に引き渡す。 こうして少女は連れていかれる。

とうてい信じがたき本当の話

 範県には中国一の人買い商人と呼ばれる熊虎シェンフという男がいた。 彼は「 山東香華高級技術開発会社 」 の副社長という肩書を持っていた。 しかし彼が「 高級技術開発会社 」の美名のもとに行なった仕事は、まがいもなき人身売買であった。 1983年から1994年まで範県で誘拐した女性だけで2500人にも及ぶというから、驚くほかない。 彼は犯行の100回達成を目標としていたが、40回あまりの時点で検挙され、法の裁きを受けたのである。
 これ以外にも範県で生じた人身売買事件を見ると、ありとあらゆる非道徳的な蛮行が網羅されている。 その中には父親が実の娘を売り飛ばした事件もあれば、義理の妹や小姑を売った事件もある。 四川省武陵ぶりょう県に住む22歳のルオという青年は、竹馬の友としてともに育った姚さんと結婚して4日目に、その新妻を範県へ売ってしまったし、黒竜江こくりゅうこう孫武そんぶ県のという男も、実の妹を売り飛ばした。
 親戚まで売ってしまう蛮行もおびただしくあるが、李鳳リーフェンという娘は実の伯父に8度もあちこちへと売られて、10度も輪姦されて、あげくの果てには人買い商人の手で、口の利けない身体にされてしまったのだ。 8度目の結婚をした日に相手の男は「範県の十字披じゅうじはへ行って、ほんとうに口が利けないのかどうか確かめてみるか」と言ったという。 李鳳はまさに十字波で売られることになったのだ。 十字波と言えばまさしく『 水滸伝 』 の母夜叉ばやしゃ孫二娘そんじじょうが人を捕まえては人肉饅頭を売ったところとして悪名高い。
 貧困とともに無知と愚昧ぐまいに満ちみちた反文明の伝統が温床となって、人身売買の蛮行を生んだ。 貧困きわまりない農村で無知な農民の意識に根深く刻まれた反文化の伝統が消え去らない限り、人身売買を根絶することはおそらく困難であろう。


乳児売買未遂に

   5人を連れ足止め発覚

 【 綿陽( 中国四川省 ) 】 四川大地震で大きな被害を受けた四川省綿陽市江油で、乳児5人を誘拐して売ろうとしていた疑いで男女6人が逮捕された。 乳児を連れたまま被災地をさまよううち発覚した。
 地元警察によると、36歳の男1人と女5人の計6人が逮捕されたのは16日。四川省南部の西昌で生後1週間から2ヵ月の乳児5人を誘拐、鉄道で沿海部の山東省へ向かっていた。 列車が江油にさしかかった12日午後、地震で鉄道が不通になったため、6人は乳児を連れ江油の町に出た。
 6人は大勢の人が避難生活している被災地を転々とし、旅館を探し歩いたが、地震発生直後で旅館は閉鎖されていた。 それでも泊めてくれと強く頼まれた旅館経営者が、乳児を5人も連れているのを不審に思い、警察に通報した。
 警察官が旅館に着いたとき、乳児らは深く眠り、顔や唇が青紫色になっている子もいた。 泣かれないようにと睡眠薬を飲まされていた。
 子供を目的地まで運ぶ報酬は、男の子で約5,000元( 約7万5千円 )、女の子は1,500元( 約2万3千円 )程度だった。
 地元の警察関係者は「 四川省農村部では以前から乳幼児誘拐事件があった 」 と話す。震災でたまたま行き場を失った容疑者があぶり出された格好だ。
 被災地には親を亡くした孤児が多数いるため、警察当局は今回の事件を重視、乳児誘拐の経緯を調べているが、親はまだ見つかっていない。
( 2008.5.25 )


法意識がまるでない中国人
〜 自分の娘を凌辱した男の言い分 〜

 1990年の冬、中国湘南こなん江華県で起こったことだ。 農民のちょうには娘ばかり4人の子どもがいたが、彼の夢は息子を授かることだった。 農作業も放り投げて、妻を引き連れあちこちに通いつめ神頼みをして、ありとあらゆる秘薬秘法を試みてはみたものの、5人目の子どももやはり女の子だった。 張の妻が産児制限指導部の強制施策により不妊手術を受けることになると、絶望した張は14歳になる娘を連れ、木を切って炭を焼くと言って山 の中に入って行った。 産児制限の違法行為も避けて、機会を狙って息子をつくろうという打算からであった。 この非道極まりない張は、なんと娘に目をつけたのだ。
 ある日の昼時、張は娘に暴行を働こうとした。 娘は「 お父さん、お願いやめて。 あなたの娘じゃないですか!」と哀願したが、完全に理性を失った張は「 黙れ! いまからおまえはおれのめかけだ。 息子をつくらねばならんのだ!」と叫んで、とうとう14歳の娘を蹂躙してしまった。 張はその後半年間、息子欲しさのあまりに21回も乱暴を繰り返した。 しかし授かったのは息子ではなく、警察の手錠であった。 ついに事件が発覚したのだ。
 逮捕されたときの張の反応が荒唐無稽こうとうむけいだ。 彼は地団駄を踏んで口惜しがった。
 「 何だって? おれが強姦罪だと? 強姦ってのはよその女に手をつけることじゃないか! おれの娘はおれがつくったんだ。 自分の家の馬に自分が乗るだけなのに、何で罪になんかなるんだ? それにおれはそもそも代を継がせようとしただけだぞ!」
 死刑が執行される場でも張は、息子の顔も見ずに死ぬのかと嘆き悲しんだという。 張は娘を私的財産だと考え揉躍したのであった。
基本的な人権意識と法意識の片鱗へんりんすらない無知蒙昧もうまいゆえの結果であった。 法律は張にとって、一文の価値もなかったはずだ。 中国人の法意識水準の低さを端的に見せつけた事例であった。



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