中小企業診断士って?
<中小企業診断士という資格に興味を持ったあなたのために>
中小企業診断士の資格試験が始まったのは昭和38年のこと。中小企業への融資などに対する
与信調査などをメインに、企業の診断を行うことを主とした業務とする、通産大臣認定の国家資格です。
日本の企業の9割以上が中小企業であり、労働者の8割が中小企業勤務者です。したがって、中小企業の
振興・発展が日本経済を底支えてしている、といっても過言ではありません。しかし、大企業の下請の中小企業
も多く、それぞれのレベルで企業に対する診断が必要とされています。
昨今のコンサルティング業の花形産業化で、国家資格の中小企業診断士も脚光を浴びています。とはいえ、
弁護士、税理士などのサムライ業とは一線を画す部分もあります。それは、業務の性質から、総論的・戦略的・
コーディネータ的な業務も多いということです。もちろん、公共診断やその他の業務で手続的な業務もあるのですが、
法律で守られた独占業務は現在存在していません。したがって、資格をどう活かすかは資格を取得した本人
によるところが多いのです。
現在、中小企業診断士は約13000名程度。診断士をまとめているのが社団法人 中小企業診断協会です。
同協会は通産大臣の指定法人として、国家試験の実施や実習の運営などを行うとともに、会員への研修、
交流その他サービス等を提供しています。また、診断士登録している人の8割は「企業内診断士」といわれる
独立していないサラリーマン資格ホルダーです。企業でも、経営全般を理解している人材ということで、
金融機関、マーケティング会社、流通業界などを中心に積極的に資格を奨励しています。
その結果、若年合格者(20-30代)が増加しています。私が最初に受験した平成4年度は会社でも見かけないような
年配の方を多く試験会場で見かけ驚いた記憶があります。
目的と動機付けについて
では、あなたはどうして中小企業診断士に興味を持ったのでしょう?
定年対策ですか?不況対策ですか?自己啓発ですか?
いずれにしても、よほどの業界経験者か頭の良い方でなければ、2000時間程度の努力なしには受からない試験です。
それだけの覚悟と時間・資金と職場・家族の協力がなければ受かりませんし、資格取得後も積極的に営業活動を
しなければ折角取った資格も名ばかりのものとなってしまいます。
目的と動機付けを長期間持続させなければ、一応の目的である「合格」はおぼつきません。
しかも、「合格と診断士登録」はコンサルタントというスタートラインに並んだだけのことです。
天から仕事は降ってきません。会社の推奨資格なら一度くらい十数万円の報奨金が出るでしょうが、それだけです。
しかし、診断士の活動フィールドは独占分野がないかわり幅広く、あなたの意欲と努力と営業力次第でさまざまな分野での成功も
夢ではありません。人のビジネスの診断をするわけですから、自分が「医者の不養生」では左前です。
私の一次試験の苦戦・二次試験について簡単に紹介しておきましょう。ここまで苦労する受験生もあまり
いないと思いますので、「自分は要領がいい」と思う方は半分脅しと思って読んで下さい。
私は、最初の受験当時旅行会社のセールスマンをしており、地元の中小企業や団体を中心に、深くつきあいをしていました。
バブルの絶頂期でしたから、「飛びこみ」で仕事がもらえる状況でした。しかし、参入も多く、競合のないお客様など、
数えるほどでした。したがって、「他社でも手配が可能」な商品の企画をどうやって自社で受注するかというところで
いろいろと頭をひねらなければなりませんでした。そして、バブル崩壊。「今年は旅行(視察)中止だよ」、とあちこちで
断られることも多かったのですが、オーナーが経営する中小企業はそれでも、旅行というコミュニケーションを大切に
していました。それでも、取引先の倒産も多く経験しました。 旅行を中止するということは、旅行はいわゆる
「無駄なもの」もしくは「優先順位が低いもの」と考えられていたのでしょう。しかし、いろいろ事情はあるでしょうが、経営上の
問題点の解決が旅行を通してなされるなら、優先順位は上がるでしょう。バブル時代は他社との差別化でしたが、
バブル崩壊後は旅行を通した問題解決への需要喚起が私のテーマでした。
そのときから、経営について体系的に学習して見ようと思ったのです。
私はマクロ経済(経済政策)専攻で、国際経済の卒論でしたので、経営については知識はありませんでしたが、
自分の会社と100あまりの顧客企業と200社程度の手配先(航空会社、ホテル旅館、アトラクション等)を見る機会がありました
ので、素材としては十分と思い、業種に分けて研究をしてみました。
しかし、流通業の経験もありませんし、買い物はコンビニでしかしていませんでしたので、仕入や商品知識などの科目は
苦労しました。また、合格体験記を見ると、出向で時間ができた人や、定年間際等比較的時間に余裕がある方々が
多く、1日14時間勤務、年間海外出張5-6回、国内出張20回ほどの自分が捻出できるのは、平日0時間、土日4-5時間
海外出張時の飛行機の中、程度です。知識の詰め込み要素の多い一次試験には時間が出張が入ったりしてまとまった
時間が作れず、合格に足掛け4年かかりました。試験は(当時)冷房のない教室に詰め込まれ、二日間(80分×8科目)
というサバイバル試験を数回体験しました。
自分の体験談は(成功パターン)は別項目にゆずるとして、こうした数回の受験ができたのも営業への執着と取引先への
真の関心(取引先の利益を考えた)からです。また、日本マンパワー出版の「こうすれば合格する中小企業診断士
(中西安氏著)」にあった、一文、
「中小企業診断士に絶対合格する方法があります。それは受かるまで受けつづけることです」
に、勇気付けられ、「継続は力」と自分に言い聞かせてともかく受けられるときは受験するようにしたのです。
しかし、一次試験に合格した平成7年のテストは難しく、受験後、さすがに「もう、やめよう」と思いました。やるだけはやったし、
何度受けても受からないのは自分が向かないからだ、テキストの内容はマスターした、どこかで役に立つだろう、と
考えました。独学で数年断続的に受験し、その年に始めて受けた模試では下から20%、そのデータをもとに
翌年の一次講座案内のDMも来てしまい、1次合格要件の上位15%は無理だろう、とあきらめてしまったのでした。
二次試験について
二次試験の突破法の詳細については別項目にゆずりますが、難関と言われる二次試験は一回見送り、一回不合格を経験
したものの、実質二度目の受験で合格しました。
二次試験は、より事例においてより実践的な知識と論理フローが要求される試験です。
二次試験はやはり通学がいいと思います。
それは、以下の理由からです。
@実践を積んだ講師の話が聴ける
A通学では、独学では収集できない、幅広い事例と中小企業対策双方の膨大な情報が手に入りまた、その
情報の重要度も整理できる。
B三次実習ではチームワークも重視されるとともに、受験中には視察や合同研究もあり、仲間は必要。
ただし、私も経験しましたが、講師によって合格するかどうか大きく左右されることがあります。
論理的なフレームワークと戦略的思考が昨今重視されている「事例」科目では、単に経歴だけが長い講師
では、かえって思考が混乱し、逆効果の場合もあります。セミナー説明会を複数講師分聴きにいってから、判断してください。
私は落ちた年の直前講習で他のコースの先生の講義を聴き、その違いにあぜんとしました。
三次試験(実習)は担当指導員とケンカをしなければ受かる、という話ですが、それ以外にもハードワークに
たえなければいけません。
2件の企業をそれぞれ、5日でヒアリングから実習生数名での分析・執筆分担、分担分(約3-50頁)執筆(ほぼ3日徹夜)、
診断先へのプレゼン、反省会のサイクルを2回繰り返し、体力を消耗しました。また、たまたま、数年来の
大雪を経験し、指導員の方の事務所で打ち合わせ中に悪寒や急性胃炎を患い、それでも夜中まで
意地で執筆し、未明にタクシーで帰ったこともあります。数回の受験と困難つづきの実習、弱冠32歳にして「苦節数年」を
語った私でした。
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