曲目解説

 

第1部 「バロックの名曲をたずねて」…華麗なイタリア、そして優雅なフランスのバロック音楽をお贈りします。

A.コレッリ(1653−1713 イタリア)は、ローマで活躍したヴァイオリニスト・作曲家です。枢機卿(すうきけい・教皇を選び、また教皇に選ばれる権利のあるお坊さん)の私邸に雇われていました。ローマは、カトリックの総本山で、音楽家にとってオイシイ職場がたくさんあったのです。宗教あるところに音楽あり。さて、合奏協奏曲って何でしょう?これは、バロック時代に生まれた曲種で、今日演奏する曲は、2本のヴァイオリンと1本のチェロ、計3人だけで演奏する部分と、全員で演奏する部分がかわるがわる現れます。

J.−B.リュリ(1632−87 イタリア→フランス)は、ヴェルサイユ宮殿とルイ14世の時代に生きた作曲家です。ルイ14世は、自分の威光を示すのに、音楽やバレエ(舞踏)を使いました。たとえば、王が宮廷で催す舞踏会や、王侯貴族の祝賀のために上演されるオペラ、また、オペラハウスで行われる舞台公演などによってです。ルイ14世は、それらの作曲に関してリュリに大きな権限を与えました。「仮面舞踏会」は、1675年にオペラ座で上演されたバレエの音楽です。

A.ヴィヴァルディー(1678−1741 イタリア)の「四季」より「春」−この曲も、コレッリと同じく協奏曲ですが、こちらは独奏ヴァイオリンが孤軍奮闘、全員合奏に対抗します。メロディー自体は大変有名ですが、この曲に、詩が付けられていることは、知らない方も多いのではないでしょうか。詩の内容が、ひとつひとつ音に現わされている、一種の描写音楽となっています。

第1楽章 春が来た/小鳥は喜びの歌を贈る/そよ風の息吹に泉はやさしくささやいて流れる/ああ空がだんだん暗くなる/稲妻が光り、春を告げる雷鳴がやってくる/そして春の嵐、鎮まり/小鳥は再び春の喜びを歌いあげる。

第2楽章 牧場はみごとに花盛り/犬はまごころ篤くかたわらに 木々の葉の甘いささやき/羊飼いはまどろむ。(ヴィオラの音が犬の鳴き声なのですが、聞こえますか?)

第3楽章 輝くような春のいとしい空のもと/陽気なミュゼットに合わせ妖精と羊飼いが踊る。(同じ音を長く伸ばす低音が、ミュゼット=バグパイプの音を真似ています。)

 

第2部「舞曲の系譜」…様々な時代のダンスの音楽をお贈りします。

M.ロック(1621年頃−76 イギリス)の「嵐」は、シェークスピアの同じ題名の戯曲をもとにした劇に付けられた音楽です。カーテン・チューンは、晴れた空がだんだん掻き曇ってきて、嵐になり、また嵐が去って静寂が戻ってくる様子が描き出されています。後の4曲は、それぞれバロック時代にはやったダンスの音楽で、幕間のバレエに付けられました。

F.シューベルト(1797−1828 オーストリア)の「5つのメヌエットと6つのトリオ」は、なんと、彼が16歳の時に書いた作品です。音楽の都、ヴィーンでは、酒場、ダンスホール、裕福な市民の家など、あらゆる所で音楽が響いていました。若いシューベルトも、ワルツやメヌエットなど、当時はやったダンスの音楽を、気軽に市民の集いの場で演奏したり、また書き下ろしたりしていたのでしょう。

B.バルトーク(1881−1945 ハンガリー→アメリカ)は、東欧諸国の民謡を集めることをライフワークとしていました。「ルーマニア民族舞曲」も、題名の通り、ルーマニアの土着の踊りがもとになっており、民族音楽のもつ独特の「土臭さ」や「哀愁」が感じられます。もともとピアノ曲でしたが、とても人気のある民謡だったので、今回演奏する弦楽合奏の他、さまざまな編曲がなされています。

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