死んだものは、
もう
戻らない。
わかってる。ちゃんとわかってる。
でも
頭でわかってても
「あせって忘れなくてもいいんじゃないの?」
彼が・・・久保田があたしに言ってくれた言葉。
あたしは何も言い返せなかった。
「あせっても、怒っても死んだものは帰ってこのないよ」
「・・・」
あたしの目から何かが零れた・・・
涙?
「・・・うっ、久保田っ・・・あ、たしね・・・」
本当に泣くんだ。泣けるんだ。
アレだけ泣けなかったのに・・・
久保田はあたしを静かに抱きしめてくれた
彼の心音を聞いているとますます泣けた。
彼は生きている。
でも、
『彼』は死んでいる。
「なんで・・・なんっ、・・・あたしのっ、せい・・・あたしがあんなことしなければ・・・!!!」
大声で泣いた
叫んだ。
だって、本当に悲しかった。
やっと
本気で受け入れた。
『彼』はもう・・・
「死んだケータイのことは忘れて新しいの買ったら?」
「だってっ・・・あたしがトイレに落とさなければ、ヒサシ(ケータイの名前)は死ななかったのよ!!」
見上げて久保田に叫んだ
「ケータイぐらい新しいの買えば住む事だろ、ちゃん」
オデコにキスをしてくれた
「・・・データが・・・データが消えたの!!!写真も電話帳もメールも着歌も!なにもかも!!!!」
「・・・新しいの買って、俺のデータあげるから。」
「・・・久保田のを?」
「ん」
「・・・」
そっか。
そうだよね。
死んだものは生き返らない。
だから、新しい命を大切に。
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