彼
照れからか、視線を逸らし、むっとした面持ちをするポルナレフ。
「嬉しいことの少し前くらいか」
「寝たフリしてやがったな…」
何のことだ、というふうなアヴドゥルの様子にポルナレフはがっくりと肩を落とし、アヴドゥルの胸に顔を埋めた。
どうせ勝てやしない。
「ポルナレフ?」
少し寝癖のついた銀の髪を優しく撫でる。柔らかな髪。するりと指の間を抜けていく。
大きなアヴドゥルの手が、自分の髪を撫でる感触にポルナレフはまた、顔が熱くなるのを感じる。そうされるだけでも気持ち良い。掴まれた手の部分も熱い。今、触れ合っている部分、すべてがひどい熱を持つ。
「……今回だけだからな」
精一杯の強がりでそう言うポルナレフに、アヴドゥルはまた、笑ってしまった。そんなポルナレフの様がひどく可愛いから。本人に言ったならば、ひどく怒るのだろうけれど。
それから、ふたりはいつも通りに朝の口接けを交わした。
END
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