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不思議なビール |
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ドイツとスウェーデンの間に30年戦争が起こった頃、ゲッティンゲンにある酒場の主人がいました。酒場の主人は、いつもお客に対し、ゲッティンゲン一美味しいビールでおもてなしをしていました。この酒場のビールが美味しいといううわさは、すぐに町中に広がり、酒場はお客でいっぱいになりました。他の酒場の常連客まで移ってきてしまったので、店を閉めたり、他の町に引っ越さなければならない酒場の主人もでてきました。それで、この主人は妬まれてもいました。 それにしても不思議に思われることがありました。酒場の主人は、ビールの製造元に買いつけに行っている様子がないのです。しかし、酒場はあんなに流行っていて、多くのお客が来ているのに、ビールが品切れになることがないのです。そのことについてのうわさは、もちろん密かにではありますが、人々の間に伝わってはいました。美味しいビールが飲めることだし、よい評判には悪いうわさはつきものだと、誰も、わざわざ、真実を確かめようとする者はいませんでした。 ある日、北ドイツ行きの列車で、ティリー・トルッペンを頭とした悪い兵隊たちが、ゲッティンゲンにやって来て、この町に泊まることにしました。この兵隊たちは、各地で強盗を働いているならず者で、ゲッティンゲンでも何か略奪するものはないかと、飲食店をうろついていました。 すると、例の美味しいビールの店にたどりつきました。そこのビールの味など、この強盗団にはわかりませんでした。彼らはうわばみのようにお酒をたくさん飲んでも、大丈夫な性質だったので、次々にビールを飲みました。ならず者たちのビールを飲むのは速く、とても酒場の主人は次のビールをすばやく用意できませんでした。兵隊たちは待っていられず、とうとう暴れ出しました。 ほどなく、兵隊たちはビール樽のある地下室に入り込んできました。ビールは樽から少しづつしか出てきませんでした。酒場の主人は、どうか樽を割るのだけはやめてくれとお願いしたのですが、ならず者たちは、待ちきれず、樽をこわしてしまいました。 樽からビールがあふれました。 おどろくべきことに、兵達はその樽の中にあった親指を見たのです。その親指は、死刑になった泥棒から酒場の主人が、切り取ってもってきたものでした。親指には不思議な力があり、ビールの樽が空にならないようにしていました。
残ったこわされたビール樽と魔法の親指は、形状のそばの古い菩提樹のそばで燃されてしまいました。 |