北海道大学土壌学講座の紹介


 我々の研究室では、文字通り土壌すなわち土に関する研究を行っています。
 土壌というと学問的なニュアンスがありますが、土や泥、ドロンコなら種の親近感がわくのではないでしょうか。幼い頃から我々のごく身近に存在し、あまり意識することなく接していた土ですが(最近はアスファルトで覆われるのが多くなりましたが)、改めて土とはどのようなものかと聞かれたときどう答えますか?「地球を薄く覆っている物質である」これは単純明解で的を得ています。ではどんな物質かと問われたら?「岩石の風化したもの」これは単純で正しいようにも見えますが、正解ではありません。有機物や生物体などの生物的な側面が抜けているからです。また「土」といった場合、一つ一つの粒子を示すのではなく粒子の集合体を表すものです。そこに含まれる無機物、有機物、生物体、水(土壌溶液)、ガス(土壌空気)の総称を土といっているわけです。最後に土の役割は?「植物の根っこを支え、必要な養水分を供給する」などはすぐ頭に浮かぶかもしれません。しかしそれだけではありません。我々の講座ではこの土の役割(機能)について研究しています。
 土壌の機能を物質の移動、循環といった観点から評価するため、我々は農耕地ばかりでなく森林や湿地といったいろいろな生態系を対象としています。そのため、土壌ばかりでなく土壌に接しているもの、植物、水、大気なども研究の対象となります。各生態系の物質循環はどうであるか、それに対し土壌がどのような影響を及ぼしているか、同じ生態系でも土壌が異なると物質循環がどう変化するか、などを研究しています。また土壌は天然の資源ですから、人間がどうやって持続的に利用するかも重要な研究テーマで、我々は物質循環の観点からこのことを考えていこうと思ってます。このようなことから、畑、森林、川、湖など野外での作業が多いのが我が講座の特徴といえます。
 非常に不均一で複雑な土壌を対象とし、土壌圏のみならず、大気圏、水圏までも含めた生態系での物質移動を定量化しようとしているため、いろいろと困難なことも多いのですが、偉大なる自然の精巧な調節機構の一部に触れることができ、とてもやりがいのある研究です。


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